- AIO対策とは、AIが答えを返す検索で、自社の名前や情報が正しく取り上げられるようにする取り組み。Googleは「いまもSEOそのもの」としている
- llms.txt、構造化データ、文章の細切れ化は、AIO対策としての効果がないか、根拠が弱い
- 進め方は5ステップ。測る、土台を整える、確かめに来る人のページと一次情報、第三者に語ってもらう、既存記事の整理
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。AIが広がって、ウェブマーケティングは取るべき戦略も、実行のやり方も変わりました。アースダイバーは、その新しい前提で戦略を考え、実行する仕組みまでつくる会社です(ご相談はこちら)。
「AIO対策、何から始めればいいですか?」。この1年で、支援先からいちばん多く受けるようになった質問です。
実際、成果も出はじめています。弊社が支援しているBtoB SaaS企業の中には、AI経由の直接の問い合わせだけで、問い合わせ全体の15%。AIで知って社名で検索してきた、といった間接的な効果も含めると、推定で30%ほどに達している会社も出てきました。AIの答えに名前が出るかどうかは、もう無視できない規模になっています。
検索してみると、AIO対策の解説記事はたくさん出てきます。ただ、読み比べてみると、Googleが公式に否定している施策がすすめられていたり、古いデータのまま書かれていたりするものも少なくありません。
この記事では、AIO対策の基本を押さえたうえで、よく言われる施策が本当に効くのかを一次情報で確かめ、2027年に向けて弊社が実際に取り組んでいる進め方をまとめます。海外のSEOの第一人者たちの言葉も、ヒントとして紹介します。
目次
AIO対策とは
AIO対策とは、ChatGPTやGoogleのAI Overviewsのような、AIが答えを返す検索で、自社の名前や情報が正しく取り上げられるようにする取り組みのことです。AIOは「AI Optimization(AI最適化)」の略です。
同じことを指す言葉が、いくつも使われています。

LLMO、GEO、AEO。呼び方は違っても、目指しているところはほぼ同じです。ひとつ気をつけたいのは、AIOを「AI Overviewsの略」と説明している記事もあることです。AI Overviewsは、GoogleのAI機能の名前。AIO対策は、AI Overviewsを含めたAIの答え全体を対象にする取り組みです。この記事では、AIO対策という言葉で統一します。
「AIO対策」が指すものは、記事によって4つに分かれる
もうひとつややこしいのは、同じ「AIO対策」という言葉でも、記事によって指しているものが違うことです。読み比べると、大きく4つに分かれます。

ひとつ目は、GoogleのAI Overviewsで、自社のページが引用されること。ふたつ目は、ChatGPTなどに「おすすめの〇〇は?」と聞いたとき、自社の名前が挙がること。3つ目は、AIに自社のことを聞いたとき、正しく説明されること。料金が古い、サービス内容が違う、といった誤りがないかです。そして4つ目が、AIのプログラムにサイトを読んでもらえる、技術的な状態を整えることです。
どれかひとつだけを指して「AIO対策」と言っている記事が多いのですが、実際の仕事では、この4つをまとめて考える必要があります。この記事でも、4つ全部を扱います。
AIO対策の中身の多くは、これまでのSEOの延長にある
ひとつ断っておくと、弊社は「AIO対策」という言葉に、少し眉唾なところもあると思っています。
新しい言葉が生まれると、それに合わせた新しい施策やサービスが次々と売り出されます。AIO対策も例外ではありません。でも、このあと見ていくように、中身の多くはこれまでのSEOと、会社として世の中に正しく知られるための地道な取り組みの延長です。弊社もAI検索診断というサービスを提供していますが、AIのための特別な裏技があるわけではない、という前提で読んでいただければと思います。
なぜ、AIO対策が必要になったのか
言葉への留保はありつつも、取り組む必要があること自体は確かです。背景にあるのは、この数年で「答えを返す検索」が一気に広がったことです。
2022年11月にChatGPTが公開され、AIに直接聞くという調べ方が生まれました。2023年11月には、米プリンストン大学などの研究者が「GEO(生成エンジン最適化)」という言葉を論文で使い、AIの答えの中での見え方を高める方法を研究対象にしています(Aggarwal et al., 2023)。
そして2024年、GoogleがAI Overviewsを米国で5月、日本で8月に始めます(Google、国立国会図書館 カレントアウェアネス)。同じ年の10月にはChatGPTに検索機能が加わり(OpenAI)、2025年には対話しながら調べるAIモードも始まりました。
影響は数字にも出ています。まず、検索からサイトへの流入そのものが細っています。米国のGoogle検索のうち、どこもクリックされずに終わる「ゼロクリック検索」は、2026年1〜4月に68.01%まで増えました(SparkToro)。サイトにクリックが届く検索は、3分の1を切っています。AI Overviewsが出る検索では、検索順位1位のページのCTR(クリック率)が、出なかった場合の予測より日本で62.7%低くなっていました(Ahrefs)。検索で上位を取っても、クリックされない。上位を取ることに加えて、AIの答えの中で名前が挙がるかどうかも問われるようになりました。
企業にとってより大きいのは、買い手が会社を選ぶ最初の段階に、AIが入ってきたことです。「おすすめの〇〇は?」と聞くと、AIは何社かに絞って答えを返します。そこに名前がなければ、比較の候補にすら入れません。逆に、AIの答えで名前を見かけたことが、次の行動につながってもいます。日本の調査では、AI Overviewsで見かけた会社や製品を、あとで検索したことがある人が46.1%いました(ナイル調べ/Web担当者Forum)。
検索の役割がどう変わったのかは、前回の記事で詳しく書いています。
AIO対策とSEOは土台が同じで、違いは3つ
では、AIO対策はSEOとどう違うのか。ここは、まずGoogleの公式な立場を押さえておきたいところです。
GoogleはAI Overviewsについて、「表示されるための追加の要件や、特別な最適化は必要ない」と明言しています。条件は、ページがインデックスされ、検索結果に抜粋つきで表示できる状態にあることだけです(Google)。2026年7月に公開された生成AI向けのガイドでは、さらにはっきりと、生成AI検索への最適化は「still SEO(いまもSEOそのもの)」だと書いています(Google)。
土台は、SEOと同じです。それでも違いがあるとすれば、次の3つだと弊社は考えています。

ひとつ目は、上位を取るべき検索です。
AIは、ユーザーの質問をそのまま検索するとは限りません。質問をいくつもの具体的な検索に広げて、それぞれの検索結果を読んでから答えを書きます。これを「クエリ・ファンアウト」と呼びます。たとえば、米国のSeer Interactiveが「簿記担当者にいちばんいい給与計算ソフトは?」とGeminiに聞いたところ、裏側では「Gusto、ADP、QuickBooks Payrollを簿記担当者向けに比較」「ADPの会計事務所向け給与計算の口コミ」といった検索が16本作られていました(Seer Interactive)。仕組みはこちらの記事で詳しく解説しています。
AIが読むのは、この広げた検索で上位に出てきたページです。Ahrefsの2026年3月の調査では、AI Overviewsに引用されたページのうち、元の質問で上位10件に入っていたのは38%。1年前の76%から大きく下がりました(Ahrefs)。ユーザーが打った質問で1位を取るより、AIが広げた具体的な検索のほうで上位にいることが効くようになっています。
ふたつ目は、効く場所です。AIは自社サイトに加えて、その会社について世の中で書かれていることも読んで答えます。比較サイト、業界メディア、口コミ。外部からの評価は、これまでのSEOでも被リンクという形で効いていました。ただAIの場合は、リンクの有無より、どう語られているかの中身が、答えにそのまま使われます。自社サイトの外の比重が、SEOよりも大きくなります。
3つ目は、成果の測り方です。順位と流入数で測れたSEOと違い、AIの答えは聞くたびに変わります。測り方そのものを作り直す必要があります。具体的なKPIは後半で紹介します。
よく言われるAIO対策の多くは、効果がないか根拠が弱い
土台がSEOと同じなら、AIO対策として言われている施策はどうなのか。検索上位に出るAIO対策の解説記事を8本読み比べたところ、8本すべてが構造化データやFAQ形式をすすめていました。llms.txtの設置をすすめる記事や、「これからは順位より引用」と書く記事もあります。これらは、本当に効くのか。Googleの公式ドキュメントと、公開されている調査で確かめました。

ひとつずつ、どういうものか、なぜそう言われるようになったのかから説明します。
llms.txtを置く → Googleでは効果なし
llms.txtとは、サイトの概要や、AIに読んでほしいページの一覧をまとめて、サイトのいちばん上の階層に置いておくテキストファイルです。2024年に提案されたもので(llmstxt.org)、検索エンジンにクロールの可否を伝える「robots.txt」のAI版のように紹介されることがよくあります。
AIのためのファイルなら、置けばAIに読まれやすくなるはず。そう考えて広まりました。ところがGoogleは、「Google検索ではllms.txtを使っておらず、置いても良くも悪くもならない」と明言しています(Google)。OpenAIやAnthropicも、検索や引用にllms.txtを使っていると公式には説明していません。
置いても害はありません。ただ、AIO対策として優先して取り組むものではない、というのが現時点での結論です。
構造化データを入れる → AIでの引用のためには不要
構造化データとは、「このページはよくある質問です」「この商品の価格はいくらです」といった情報を、検索エンジンが読み取りやすい決まった形式で、ページの裏側に書いておくものです。
かつては、FAQの構造化データを入れると、検索結果に質問と答えが直接表示されることがありました。その名残もあって、「AIも構造化データを読んで引用する」と言われてきました。ただ、FAQの表示は2023年8月から、よく知られた政府や医療機関のサイトなどに限られています(Google)。
そしてGoogleは、「生成AI検索に構造化データは必須ではなく、特別なschema.orgのマークアップも必要ない」としています(Google)。商品の価格や会社情報を正確に伝える、検索結果の表示を整える、といった目的では引き続き役立ちます。でも、AIに引用されるための施策として入れるものではありません。なお、よくある質問のページそのものは、確かめに来る人にもAIにも役立ちます。不要なのは、引用を狙って構造化データを入れることのほうです。
AIのために文章を細切れにする → 不要
AIは、ページ全体を丸ごと読むというより、質問に合う段落を抜き出して答えを組み立てると言われます。そこから、「AIが抜き出しやすいように、文章を短い段落に細かく分けよう」という話が出てきました。
Googleは、「AIによりよく理解してもらうために、コンテンツを細かく分ける必要はない」と書いています(Google)。見出しごとに話がまとまっているのは、人にとっても読みやすい書き方です。そのうえで、AIのためだけに文章を刻む必要はありません。
順位はもう関係ない → 半分正解。AIが広げた検索での順位は効く
先ほど見たとおり、元の質問での順位と、AIに引用されるページの重なりは小さくなっています。だから「順位はもう関係ない」と言われるのですが、これは半分しか正しくありません。
Surferの調査では、AIが広げた検索で上位に入っているページほど引用されやすく、その相関は0.77でした(Surfer)。ChatGPTの検索結果の引用も、87%がBingの上位20件と一致していました(Seer Interactive)。順位は、いまもAIに引用されるための入口です。
更新日を新しくする → 鮮度の効き方はAIで違い、日付だけ変えても意味はない
「AIは新しい情報を好むので、こまめに更新日を新しくしよう」という話もあります。Ahrefsが約1,700万件の引用を調べたところ、ChatGPTが引用したページは、通常の検索結果より平均458日新しいものでした。一方、AI Overviewsが引用したページは、逆に通常の検索結果より16日古かった(Ahrefs)。
鮮度の効き方は、AIによって違います。そして、中身を変えずに日付だけ新しくするのは、意味がありません。中身が古くなったときに直せば足ります。
自社を1位にしたランキング記事 → 一時的に効いても、あとで流入を落とすおそれがある
「おすすめの〇〇10選」のような比較記事を自社サイトに置き、自社を1位に並べる手法も広がりました。AIはおすすめを聞かれると、こうした比較記事を読んで答えを作ることが多いので、自社の名前を挙げてもらいやすくなる、という狙いです。
ただ、Googleは2026年8月、スパムポリシーに「Google検索の生成AIの回答を操作しようとする行為」を加えています(Google)。AmsiveのLily Ray氏は、こうした手法をこう評しています。
効く。効かなくなるまでは。…until it doesn't.— Lily Ray(Amsive SEO・AI検索担当VP)、2026年3月
実際にLily Ray氏は、自社を1位に置いたランキング記事を多く持つサイトで、2026年1月下旬以降に流入が落ちている例を報告しています(Lily Ray)。
こうして見ると、AIO対策として新しく出てきた施策の多くは、効果がないか、まだ根拠が弱いものです。判断の基準は、Lily Ray氏のこの言葉に尽きます。
新しいAI検索の施策は、まずSEOの目で評価しよう。evaluate every new AI search tactic through an SEO lens first.— Lily Ray、2026年3月
よく言われる施策を確かめたうえで、何から始めればいいのか。AIの答えに名前が挙がる会社の条件は、ホワイトペーパーにまとめています。
弊社が考える、AIO対策の進め方
では、何をすればいいのか。弊社が支援先と実践している進め方は、次の5つのステップです。

ステップ1:AIの答えに、自社がどう出ているかを確かめる
最初にやるべきは、施策より、いまの状態を確かめることです。
SEOには、検索順位という共通の物差しがありました。キーワードを決めれば、自社が何位にいるかはツールで測れます。ところが、AIの答えには順位表がありません。答えは、聞かれた質問ごとに、その場で作られるからです。
だから、自社の状態を知るには、買い手が実際にAIに聞きそうな質問を、ChatGPT、Gemini、GoogleのAI Overviews・AIモードなど、買い手が使うAIに自分で投げてみるしかありません。確かめるのは、大きく2つです。
- 名前が挙がるか:「おすすめの〇〇は?」と聞かれたとき、自社が候補に入るか
- どう説明されるか:「〇〇社のサービスは?」「料金は?」と聞かれたとき、正しく、伝えたい形で説明されるか
注意したいのは、AIの答えは聞くたびに変わるということです。SparkToroのRand Fishkin氏は、調査をもとにこう書いています。
AIは、ブランドや製品のおすすめを、毎回同じようには挙げない。何度も繰り返し聞く必要がある。AIs do not give consistent lists of brand or product recommendations… you need to ask over and over again.— Rand Fishkin(SparkToro 共同創業者・CEO)、2026年1月
Growth MemoのKevin Indig氏も、AIでの出方の追い方は「SEOの順位計測より、世論調査やグループインタビューに近い」と書いています(Growth Memo)。1回聞いて一喜一憂するより、同じ質問を何度も投げて、名前が出る割合で見ます。
具体的な数の目安は、SEOコンサルタントのAleyda Solis氏のチェックリストが参考になります。30〜50の主要な質問を用意し、それぞれを24〜72時間のうちに3〜5回投げる(Aleyda Solis)。

質問は、買い手の検討段階に沿って用意します。課題を調べる質問、比べる質問、そして社名で確かめる質問。記録するのは、名前が挙がったか、何番目か、どう説明されたか、どのページが引用されたか、です。
AIが自社をどう説明しているかを確かめ、誤りを正す
名前が挙がるかと同じくらい大事なのが、AIが自社をどう説明しているかです。AIの答えでは、終了したサービスがいまも提供中として紹介されたり、料金が古いままだったり、競合と混同されたりすることがあります。

誤りや、伝えたい強みとのずれを見つけたら、まずAIがどこを引用元にしているかを確かめます。多くの場合、原因は次のどれかです。自社サイトの会社概要やサービスページが古い、または書かれていない。比較サイトや口コミサイトの掲載情報が古い。昔のニュース記事が残っている。
直す順番は、まず自社サイトです。会社概要、サービス、料金、よくある質問を、最新の情報で、はっきり書く。次に、比較サイトなど第三者の掲載情報の更新を依頼する。大きな変更なら、プレスリリースで正式に発表しておく。AIの答えはすぐには変わりませんが、引用元が正しくなれば、いずれ反映されていきます。
ステップ2:AIに読まれる土台を整える
次に、AIがサイトを読める状態になっているかを確認します。Googleの条件は、ページが検索エンジンのデータベースに登録(インデックス)されていて、検索結果に抜粋つきで表示できること。ChatGPTについては、OpenAIが「OAI-SearchBotを拒否しているサイトは、ChatGPTの検索の答えに表示されない」と明記しています(OpenAI)。サイトを巡回するプログラム(クローラー)への指示を書くrobots.txtで、AIの検索用クローラーを止めていないかを確認しましょう。
サイトの検索動向を長く分析しているGlenn Gabe氏も、「ChatGPTでうまくいくには、自然検索でうまくいくこと」と書いています(GSQi)。ChatGPTはBingの検索結果と重なりが大きいので、Bingのウェブマスターツールにも登録しておくと安心です。
確認する項目と、どこで確かめるかをまとめると、次のとおりです。

ステップ3:確かめに来る人のためのページと、一次情報を厚くする
土台が整ったら、中身です。AIで名前を見た人は、あとで社名を検索して、公式サイトに確かめに来ることがあります(「なぜ、AIO対策が必要になったのか」で紹介した46.1%)。その人たちが見るページが、AIにとっても根拠になります。優先したいのは、AIが答えを作るときに根拠として使える、自社にしか書けない情報です。Kevin Indig氏も、AI検索で選ばれるには「独自の情報で勝負する(lead with unique information)」ことだと書いています(Growth Memo)。
弊社のAI検索診断でも、これを裏づけるデータがあります。同じカテゴリーで競合する2社を比べたところ、そのサービスの専用ページを持つ会社は、おすすめを聞く質問の88.9%で名前が挙がりました。サービス一覧に一行書いただけの会社は、0%でした。AIは、書いてあることしか根拠にできません。

サービスごとのページ、料金、導入事例、他社との違い、よくある質問。そして、自社の調査や現場の数字。確かめに来る人が知りたいことを、AIにも読める形で書いておくことが、AIO対策の中心です。
ステップ4:サイトの外で、第三者に自社を語ってもらう
AIは、自社サイトの外でその会社がどう語られているかも読んでいます。Ahrefsの調査では、AI Overviewsへの登場といちばん相関が強かったのは、ウェブ上でブランド名が言及される量でした(Ahrefs)。
では、どこで語ってもらえばいいのか。AIがよく引用している場所を見ると、手がかりがあります。Ahrefsが2025年6月に調べたところ、どのAIでもよく引用されていたのがWikipediaで、ChatGPTの引用の16.3%を占めていました。AI OverviewsではYouTube(9.5%)やReddit(7.4%)、Quora(3.6%)のような、人が投稿する場所も上位に入っています(Ahrefs)。海外の調査ですが、辞典、動画、掲示板、比較・口コミといった、第三者や利用者が書く場所が重視されている傾向は、日本でも参考になると思います。
日本の企業が取り組める場所を、誰が書くかで整理すると、こうなります。

自社が発信する場所は、自社サイト、noteなどのブログ、プレスリリース、YouTubeやSNSです。ここは自分で整えられます。とくに自社サイトの会社概要やサービスページは、AIが会社を説明するときの基本情報になります。
第三者が書く場所は、比較・レビューサイト、業界メディア、Q&Aサイトや掲示板、そしてWikipediaです。BtoBなら、ITreviewやBOXIL SaaSのような比較・レビューサイト。BtoCなら、価格.comや各種の口コミサイト。ここは自分では書けないので、掲載情報を正しく保ち、実際のお客さんに口コミを書いてもらい、取材や寄稿の機会をつくることになります。Q&Aサイトや掲示板で自作自演をするのは、逆効果です。Wikipediaは、利害関係のある人が自分で編集することは強く避けるよう求められているので、自社では触らないのが基本です。
言及を「作る」のが逆効果なのは、掲示板に限りません。Googleは、「本物でない言及をウェブ中に増やそうとしても、思うほど役に立たない」と書いています(Google)。FoundationのRoss Simmonds氏の言葉が、この姿勢をよく表しています。
広告塔としてではなく、役に立つ声として、一貫して姿を見せよう。Show up consistently as a useful voice, not a billboard.— Ross Simmonds(Foundation 創業者・CEO)、2026年3月
Ross Simmonds氏は、実際の顧客から最近の口コミをもらうこと、レビューサイトなどのプロフィールの項目をすべて埋めることもすすめています(Ross Simmonds)。
ステップ5:既存の「〇〇とは」記事を整理する
最後に、これまでのSEOで作ってきた記事の見直しです。「〇〇とは」のような記事は、AI Overviewsに答えを取られやすく、流入が落ちていることが多いはずです。
ただ、一律に消す必要はありません。弊社では、次の順番で判断しています。

商談や問い合わせにつながっている記事は、そのまま残し、内部リンクを整えます。つながっていない記事は、自社にしか書けない要素を足せるかどうかで判断します。足せるなら書き直し、似た記事が複数あるならまとめる。どちらでもなければ、検索結果に出さない設定(noindex)にするか、削除を検討します。
AIO対策のKPIと、レポートの作り方
AIO対策を始めると、社内への報告で困るのがKPIです。流入数は下がり続けるかもしれません。それでも成果が出ているかを示すには、見る数字を変える必要があります。
弊社が支援先にすすめているのは、次の4つを月次で追うことです。
- AIの答えで社名が挙がる割合:ステップ1の質問セットで測る
- 検索結果での表示回数:Search Consoleで、クリックされなくても見られている量を見る
- 指名検索の数:社名やサービス名での検索。AIで見かけた人が、あとから検索してくる
- 指名経由の問い合わせ・商談:最終的な成果
AIの答えで社名が挙がる割合は、弊社のAI検索診断では、こんな形のレポートにまとめています(社名などは伏せています)。

大事なのは、初回の数字を基準値にして、同じ質問で定期的に測り直すことです。とくに、どのAIも名前を挙げなかった質問が、施策のあとでいくつ変わったか。ここが、いちばん手応えのわかる指標になります。
上司やチームに説明するときは、「流入が減った」という報告から始めないことです。検索結果の上で答えが完結するようになった以上、流入は全体として減っていく。そのなかで、名前が挙がる割合と指名検索は増えているか。 この構図で見せると、議論がずれにくくなります。KPIの考え方は、前回の記事でも詳しく書いています。指名検索をどう増やすかは、指名検索の記事にまとめました。
KPIを決めるには、まず自社がいまAIの答えの中でどう扱われているかを知る必要があります。確かめ方は、AI検索診断のご案内にまとめています。
AIO対策を進める体制と、かかる費用
では、こうした測定や施策を、社内の誰が担うのか。AIO対策は、マーケティング部門だけでは完結しません。
- マーケティング:全体の計画、測定、コンテンツ
- 広報:業界メディアとの関係、第三者からの言及
- 営業・カスタマーサポート:お客さんが実際に聞いてくる質問、事例、現場の数字
- Web担当・開発:クローラーの設定、インデックス、サイトの技術面
とくに、一次情報は営業やカスタマーサポートのところにあります。月に一度、よく聞かれる質問を集めるだけでも、書くべき内容はかなり見えてきます。
費用については、社内で進める場合、主にかかるのは測定と、ページや記事を直す工数です。外部に頼む場合も、まず現状を測ることから始めるのがおすすめです。弊社の場合、AIの答えの中で自社がどう扱われているかを実測するAI検索診断を、30万円(税別)で提供しています。診断の結果をもとに、どこから手を付けるべきかを決めていきます。
2027年に向けた、AIO対策の90日と1年の計画
ここまでの5つのステップを、時期ごとの計画に落とし込みます。

最初の30日で測定の仕組みを作り、Bingへの登録も含めて土台を確認する。60日までに、確かめに来る人のためのページを整える。90日までに、既存の記事を整理し、第三者に語ってもらう取り組みを始める。そして1年をかけて、一次情報と第三者からの言及を積み上げていきます。
AIの答えは揺れるので、少なくとも3か月は同じ質問セットで追ってから判断することをおすすめします。1回の結果で施策を変えると、何が効いたのかがわからなくなります。
まとめ
AIO対策に、目新しい裏技はありません。測ること、SEOの土台を整えること、自社にしか書けないことを書くこと、そして世の中で語られる会社になること。どれも目新しくはありませんが、支援の現場で効いているのは、結局こういうことです。
よくある質問
Q. AIに学習されたくない場合、AIのクローラーはすべて止めるべきですか?
OpenAIの場合、AIの学習に使うクローラー(GPTBot)と、ChatGPTの検索に使うクローラー(OAI-SearchBot)は別のものです。学習用だけを止めて、検索の答えには表示されるように設定できます(OpenAI)。すべて止めると、ChatGPTの検索の答えにも出られなくなるので注意が必要です。
Q. AI経由の問い合わせは、どうやって測りますか?
アクセス解析で、chatgpt.comやperplexity.aiなどからの流入を、参照元として確認できます。ただし、AI OverviewsやAIモードから来た人は、Search Consoleでは通常の検索と区別されずに集計されます(Google)。AIのアプリから来た人は、参照元が残らないこともあります。問い合わせフォームに「何で知りましたか」という項目を置き、選択肢にAIを入れておくのが確実です。
Q. 知名度の低い会社でも、AIに取り上げてもらえますか?
可能性はあります。AIは、あまり知られていない会社やサービスについては、学習データだけでは答えられないので、検索して調べる傾向があります(Mallen et al., 2023)。そのとき読まれるのは、書いてある情報です。専門分野について具体的に書いてあれば、取り上げられる余地は十分にあります。
参考:Aggarwal et al.「GEO: Generative Engine Optimization」(2023年)/Google(2024年5月)/国立国会図書館 カレントアウェアネス/OpenAI「Introducing ChatGPT search」(2024年10月)/Ahrefs(2026年6月)/Google「AI features and your website」/Google「Optimizing for generative AI」(2026年7月)/Ahrefs「AI Overview citations from top 10」(2026年3月)/Surfer「Query fan-out impact」/Seer Interactive(2025年2月)/Ahrefs「Do AI assistants prefer to cite fresh content?」(2025年7月)/Google スパムポリシー(2026年8月更新)/Lily Ray(2026年3月)/Rand Fishkin(SparkToro、2026年1月)/Kevin Indig(Growth Memo、2026年7月)/Aleyda Solis「AI Search Optimization Checklist」(2026年9月)/OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」/Glenn Gabe(GSQi、2026年6月)/Ahrefs(2025年5月)/Ross Simmonds(2026年3月)/Mallen et al.「When Not to Trust Language Models」(2023年)/llmstxt.org/Google「Changes to HowTo and FAQ rich results」(2023年8月)/Ahrefs「The 10 Most Mentioned Domains」(2025年6月)


