- WordPressから移して2日で、サイトへの変更は110回。2日目だけで、コラム5本・Q&A15本・図約40枚を公開した。管理画面は一度も開いていない
- 指示は音声で話しかけるだけ。全ページのタイトルや画像のalt属性の点検のような、サイト全体にまたがる作業ほど、AIに任せる差が大きい
- 外注していた小さな修正や記事の入稿のコストは、ほぼいらなくなった。作るコストが下がるほど、何を作り、何を出すかの戦略の価値が上がる
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。AIが広がって、ウェブマーケティングは取るべき戦略も、実行のやり方も変わりました。アースダイバーは、その新しい前提で戦略を考え、実行する仕組みまでつくる会社です(ご相談はこちら)。
2026年10月21日、PHPに重大な脆弱性が2件見つかり、修正版が緊急で公開されました。ログインしなくても、外からサーバーの上でプログラムを動かされるおそれがある、というものです。修正の前に詳しい情報が出回ってしまったこともあり、WordPressを使うサイトの運営者は、サーバーのPHPの更新に追われました(WPBeginner)。WordPressは、このPHPで動いているからです。
弊社のコーポレートサイトも、WordPressで動いていました。これをきっかけに、10月24日、WordPressをやめて、新しい仕組みに移しました。それから2日、記事を書くのも、図を作るのも、資料のページやリンクを直すのも、管理画面を一度も開いていません。AIに話しかけて、直してもらい、確かめて、公開しているだけです。
先に結論を言うと、WordPressのような管理画面がなくても、サイトは十分に更新できるようになったと感じています。小さな修正のたびに外注して、数万円と数日をかける。記事の入稿も、1本ずつ人に頼む。そういったコストが、ほとんどいらなくなりました。
この記事では、どんな仕組みにしたのか、実際にどんな指示を出して何ができたのかを、そのままお見せします。サイトを作るまでの話は、コーポレートサイトをAIと作り直した記事に書いたので、今回は公開したあとの運用の話です。
目次
WordPressをやめて、どんな仕組みにしたのか
まず、仕組みの違いをざっくり説明します。

WordPressは、ページを見に来た人がいるたびに、サーバーの上でPHPのプログラムが動き、データベースから記事を取り出して、ページを組み立てます。記事を書くときは、管理画面から入力します。便利な一方で、サーバー・PHP・WordPress本体・プラグインのそれぞれを、新しい版に保ち続ける必要があります。
いまの仕組みでは、サイトのページを、あらかじめ全部作っておきます。記事の原稿や図、デザインのファイルは、GitHubというファイルの置き場に入っています。そこに変更が入ると、Cloudflare(クラウドフレア)が自動でページを組み立て直して、1〜2分で世界中に配ります。見に来た人には、できあがったページを渡すだけなので、サーバーの上でPHPやデータベースが動くことはありません。
お問い合わせや資料のダウンロードのフォームも、Cloudflareの上の小さなプログラムで受け付けて、メールの送信サービスから届くようにしています。確認用のページも、Cloudflareが本番とは別のURLで自動で作ってくれます。
そして、このファイルを直すのが、AIです。管理画面の代わりに、AIに話しかけると、AIがファイルを直し、確かめ、変更を入れてくれます。
2日で、サイトへの変更は110回
まず、どれくらいのことができたのか。移行してから2日で、サイトに加えた変更は110回になりました。2日目の10月25日だけで、次のものを公開しています。
| 出したもの | 数 |
|---|---|
| コラム(調査や研究を読み解く記事) | 5本 |
| Q&A(よくある質問への回答) | 15本 |
| 記事やQ&Aに入れた図 | 約40枚 |
| 過去の記事への表の追加 | 13本 |
| サイトのしくみの改善 | 資料の紹介の枠、スマホでの改行、記事の固定など |

WordPressのころは、記事を1本入稿するのにも、人に頼んでいました。この1日の量を同じやり方でこなそうとしたら、何人に、いくら払うことになっていたか。正直、想像がつきません。体感では、記事の制作にかかるコストと時間は、10分の1以下になりました。ものによっては、100分の1くらいになっていると思います。
指示は、話しかけるだけ
どんな指示を出しているのか。実際の指示を、音声入力のまま、いくつか載せます。
実際の指示(音声入力のまま)QAコラムの下に、ホワイトペーパーの……左にサムネ、右に資料名で、ページの下部に入れて
実際の指示(音声入力のまま)ちょくちょくこのCTAのところとかが、スマホで見た時の改行が変なんだよな
実際の指示(音声入力のまま)一記事に1、2本程度、表を入れるとより分かりやすくなるっていうところを見つけて入れてもらえないかな
実際の指示(音声入力のまま)トップページとか、オウンドメディアトップで、最初の一記事目は固定にしたいんだよね
言い間違いも、まとまっていない話し方も、そのままです。それでも、AIは意図をくみ取って、ファイルを直し、表示を確かめてから、「こう直しました」と見せてくれます。こちらは、スマホでプレビューを見て「公開で」と答えるだけです。
スマホの改行の指示では、記事の見出しと相談の枠の見出しが、スマホで変な位置で折り返されていました。AIは、文の区切りで改行する仕組みに直し、23本の記事すべてにまとめて当てはめました。管理画面で記事を1本ずつ開いて直していたら、それだけで半日かかっていたと思います。
記事だけではありません。サイトの中で直す場所は、ほぼすべて話しかけて直せるようにしています。

資料(ホワイトペーパー)のダウンロードのページ、メニューやフッターのリンク、お問い合わせのフォームの項目、古いURLからの転送、アクセス解析の設定まで、どこを直す場合も、やることは同じです。話しかけて、確かめて、「公開で」と言うだけです。
まとめてやる作業で、いちばん差が出る
AIに任せてみて、いちばん「これは変わった」と感じたのは、サイト全体にまたがる作業です。
たとえば、画像の代わりの文章(alt属性)が入っているか、ページのタイトルが長すぎないか、といったSEOの点検です。試しにAIに点検してもらったところ、69ページ・751枚の画像を数分で確かめ、alt属性の抜けはなく、タイトルが長すぎるページが28ページあることがわかりました。直すかどうか、どう直すかを決めれば、28ページのタイトルの書き換えも、まとめて終わります。
| 作業 | 管理画面で人がやる場合 | AIに頼む場合 |
|---|---|---|
| 全ページのタイトルの点検 | 1ページずつ開いて確かめる | 数分で一覧にして、直し方の案まで出る |
| 画像のalt属性の点検と追加 | 画像を1枚ずつ確かめる | まとめて確かめて、足りないものを足す |
| 過去の記事に表を足す | 記事を読み直して1本ずつ | 表にすると読みやすい所を探して入れる |
| 見出しの改行の直し | 記事ごとに改行を入れる | 改行の決まりを作って全記事に当てる |
人が1本ずつやると、数日がかりで、途中で抜けも出る作業です。AIなら、決まりを決めて、すべてのページに同じように当てはめられます。
品質は、ルールと確認の仕組みで守る
とはいえ、AIに自由に直させているだけでは、品質は保てません。弊社では、次の3つで守っています。
- ルールを書いた指示書を、AIが毎回読む。使わない言葉、ひらがなで書く言葉、取引先の社名を出さないこと、図の作り方などを、1つのファイルに書いています。AIは、作業のたびにこれを読んでから直します
- 公開の前に、自動で確かめる。リンク切れや、仮の文言が残っていないかを、プログラムで毎回確かめます。図は、作ったAIとは別のAIに見せて、読みにくい所がないかを判定させています
- 人がプレビューを見てから公開する。大きな変更は、本番とは別の確認用のページに出し、スマホで見て「公開で」と言うまで、本番には出しません
人の仕事は、何を出すかを決めることと、出す前に確かめることに絞られました。
WordPressのときと比べて、何が変わったか
WordPressのころと比べると、変わったのはコストと時間です。
| WordPressのころ | いま | |
|---|---|---|
| ちょっとした修正 | 外注して、数万円・数日 | 話しかけて、数分。外注費なし |
| 記事の入稿 | 入稿の作業者に、1本1,000円ほどで依頼 | AIが書いて入れる。入稿費なし |
| デザインの変更 | 見積もりから始まる | その場で作って、見て決める |
| プラグインの更新・保守 | 定期的に必要 | プラグインそのものがない |
保守の手間も小さくありません。WordPressのセキュリティ会社のPatchstackによると、2025年にWordPressで新しく見つかった脆弱性は11,334件で、その91%はプラグインでした(Patchstack)。いまの弊社のサイトは、ページをあらかじめ作っておいて配るだけの仕組みなので、プラグインの更新に追われることはありません。
向かない会社もある
一方で、どの会社にもこのやり方が合うとは思っていません。
- 社内の何人もが、それぞれ自分で記事を書いて公開している会社
- 公開までの承認の流れが、管理画面の機能と結びついている会社
- AIに何を任せて、何を人が決めるかを、まだ決めきれていない会社
こうした会社は、しばらくWordPressのような管理画面があるほうが運用しやすいと思います。逆に、少ない人数で、更新の速さとコストを優先したい会社には、大きな差が出るやり方です。
弊社の見解:サイトを作るコストは下がり、何を出すかの価値が上がる
管理画面は、「人がサイトを更新する」ことを前提にした仕組みです。AIがサイトのファイルを直接直せるようになると、その前提が変わります。管理画面の代わりに大事になるのは、AIに守らせるルールと、出す前に確かめる仕組みです。
弊社の見立てでは、サイトの開発やリニューアルは、これまでのおよそ5分の1のコストでできるようになりつつあります。作ることにかかっていたお金と時間が、大きく下がっているのです。
そうなると、差がつくのは、何を作り、何を出すかです。どんな人に、どんな情報を届けて、どう問い合わせにつなげるのか。マーケティングとコンテンツの戦略に、浮いた予算を回せるようになります。
このやり方に興味がある方は、ぜひお問い合わせください。サイトの作り直しから、その先のマーケティング戦略・コンテンツ戦略まで、一緒に考えます。


