
ご質問ありがとうございます。記事づくりにAIを使い始めた会社さんから、「AIで書いたことがGoogleにばれて、順位が下がりませんか」と聞かれることがよくあります。
結論から言うと、Googleは、AIで書いたかどうかより、中身の質で評価するという立場です。評価されないのは、AIで作ったかどうかに関係なく、読む人にとって独自の価値がない記事と、検索順位を動かすことを目的に大量に作った記事です。Googleの方針・スパムのポリシー・品質評価のガイドライン、そして2026年10月に加わった事実確認の記述を順に読むと、問われているのは作り方より、中身と目的だとわかります。
Googleは2023年2月に、AIで作ったコンテンツについての方針を公開しています。AIを使って作ったかどうかより、内容が役に立つかどうかで評価する、という立場です(Google 検索セントラル)。
役に立つコンテンツについての説明のページでは、「誰が・どのように・なぜ」作ったかを考えるよう書いています(Google 検索セントラル)。
2026年5月に出た生成AI検索のガイドでも、自分の知識をもとにコンテンツを作ることをすすめています。生成AIで手伝わせる場合も、スパムのポリシーなどに沿うことが前提です(Google 検索セントラル)。生成AI検索についての考え方は、SEOはもう終わりかのQ&Aでもお話ししています。
さらに、ごく最近の変更もあります。Googleは2026年10月1日に、生成AIで作ったコンテンツの扱いについてのページを更新しました(Google 検索セントラル)。
追加されたのは、次の3つの文です。生成AIは事実を調べて答えているのとは違い、学習したデータから、ありそうな言葉の並びを予測している。そのため、出てきた文章には誤り(ハルシネーション)が含まれることがある。AIで作ったコンテンツは、公開する前にすべて、人の手で事実を確かめ、見直すことが欠かせない(critical)。あわせて、もとからあった文が書き換えられ、この見直しは、タイトル・説明文・構造化データ・画像の代替テキストといったメタデータにも当てはまる、とされました(Relevant Audience)。

新しい罰則や順位の仕組みが加わったものではありません。ただ、AIで書くなら、人が事実を確かめるところまでが書く作業に含まれる、という考え方がはっきりしました。
一方で、Googleのスパムのポリシーには「大量生成されたコンテンツの不正使用」という項目があります。検索順位を操作することを主な目的に、たくさんのページを生成することで、「どのように作られたかに関係なく」対象になります。例として、生成AIなどで、読む人への価値を加えないまま、たくさんのページを作ることが挙げられています(Google 検索セントラル)。
Googleは2024年3月のコアアップデートで、品質が低く独自性のないコンテンツが、検索結果で45%減ったと説明しています(Search Engine Roundtable)。このときGoogleは、大量生成のスパムのポリシーについて、自動化でも人の手でも、その組み合わせでも対象になると説明しています(Google 検索セントラル)。作り方を問わず、量だけで中身のないページが、検索に残りにくくなっています。
Googleには、検索結果の品質を確かめる評価者に向けたガイドラインもあります。2025年1月の改定で、生成AIの定義が初めて加わり、コンテンツづくりに役立つ道具だが、使い方を誤るおそれもある、と書かれました。そのうえで、手間も独自性もほとんどない内容は、いちばん低い評価にあたるとしています(PPC Land)。評価者の判定が、そのまま順位を決めることはありません。ただ、Googleが何を良いコンテンツと考えているかがよくわかる資料です。
ここまでの資料を合わせて読むと、Googleの考え方は一貫しています。

AIを使ったかどうか自体で、評価が分かれることはありません。大事なのは、読む人の役に立つか、そこにしかない経験や情報があるか、誰が書いたかがわかるか、順位を動かすことが主な目的になっていないか、です。そのうえでGoogleは、公開の前に人が事実を確かめることを求めています。
実際のデータも、この考え方と合っています。Ahrefsが、上位20位に入っているページ約60万件を自社のAI判定ツールで調べたところ、86.5%のページに、AIで書いたと判定された文章が何らかの形で含まれていました。AIで書いた割合と順位の相関は0.011で、ほとんど関係がありませんでした(Ahrefs)。

弊社のこのサイトの記事やQ&Aも、AIを使って作っています。このQ&Aも、私が話した答えをAIに整えてもらったものです。そのとき、人が受け持つのは、何を言うかを決めること、お客さんとのやり取りや自社の経験を入れること、事実と出典を確かめることです。Googleが2026年10月に明記した、公開前の人による事実確認も、この部分にあたります。文章を整える・出典を探す・図を作るといった作業は、AIに任せています。やり方は一人社長のAI活用のQ&Aでも紹介しています。
AIを使うかどうかより、AIに任せる部分と人が受け持つ部分を分けて、自社にしか書けない中身を入れることが大事だと考えています。
海外の専門家の見方も紹介しておきます。
SEOの専門家のLily Ray氏は、2026年1月の文章で、「AIで何千ページも作って、AI検索でのブランドの存在感を高めよう」というAI検索対策のすすめ方を、危険な助言として挙げています。質の低い自動生成のコンテンツで、検索のインデックスを埋めてしまうおそれがあるからです(Lily Ray)。
2024年3月のコアアップデートのときも、iPullRankのMichael King氏は、責任を持ってAIを使っている会社も、短いあいだは影響を受けるかもしれないが、長くは続かないだろう、と見ていました(EMARKETER)。一方で、量産を続けるサイトについては、こう話しています。
悪いことをしているなら、やめたほうがいい。If you are doing something bad, you should probably stop doing that bad thing.— Michael King氏(iPullRank)、2024年3月
AIで書くこと自体を怖がる必要はありません。気をつけたいのは、AIで量を増やすことが目的になって、中身が薄くなることです。