- 生成AIを活用している企業は、大企業46.5%・中小企業32.4%(うち小規模企業28.0%)。会社が小さいほど進んでいない
- 課題は、正確性に次いで「専門人材・ノウハウ不足」と「何に使うか」。AI顧問は、ここを社外から補うサービス
- タイプは相談・助言型、研修型、導入・伴走型、構築・代行型の4つ。毎月何が残るかで選ぶのがおすすめ
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。最近、「AI顧問」という言葉を見かけることが増えました。社外の専門家に、月単位でAIの使い方を相談できるサービスです。弊社も2026年11月に、中小企業向けのAI顧問を始めました。
ただ、AI顧問と一口に言っても、中身はサービスによってかなり違います。相談に答えてくれるもの、社員に使い方を教えてくれるもの、仕組みまで作ってくれるもの。料金も、月数万円から数十万円まで幅があります。
この記事では、AI顧問とは何か、中小企業で広がっている背景、4つのタイプと料金の目安、選ぶときに確かめたいことを整理します。最後に、弊社がいろいろ考えた末に始めたAI顧問を、実際の画面の動画つきで紹介します。
目次
AI顧問とは
AI顧問とは、社外の専門家が月単位の契約で、会社のAI活用の相談に乗り、進め方を一緒に決めるサービスです。決まった定義はありませんが、多くのサービスで、次のようなことを手伝ってくれます。
- どの仕事からAIを使うかを決める
- 使うツールと、料金のプランを選ぶ
- AIに入れてよい情報・入れない情報の決まりを作る
- 社員への教え方や、社内での広げ方を考える
- 使っていて困ったことに答える
- 仕組みや自動化を一緒に作る(サービスによる)
社員を1人採るよりも軽い負担で、AIに詳しい人を社外に持てるのが特徴です。
AI顧問が広がっている背景
会社の規模が小さいほど、活用は進んでいない
帝国データバンクが2026年3月に1万312社から回答を得た調査では、生成AIを業務で「活用している」企業は全体の34.5%でした。規模別に見ると、大企業の46.5%に対して、中小企業は32.4%で、そのうち小規模企業は28.0%です。従業員数で見ても、1,000人を超える会社の63.6%に対し、5人以下の会社は29.6%にとどまっています(帝国データバンク)。

課題は、人とノウハウ、何に使うか
同じ調査で、生成AIの活用についての懸念・課題を聞くと、最も多かったのは「情報の正確性」(50.4%)でした。次いで「専門人材・ノウハウ不足」(41.3%)、「活用すべき業務の範囲」(40.0%)が続きます(帝国データバンク)。

東京商工リサーチの2025年の調査でも、生成AIの活用を推進していない企業にその理由を聞くと、「推進するための専門人材がいない」が55.1%で最も多く、「メリット・デメリットを評価できない」が43.8%で続きました(東京商工リサーチ)。
ツールは誰でも契約できるようになりましたが、「誰が進めるのか」「何に使えばいいのか」が決まらないまま、使い始める前で止まっている会社が多くあります。AI顧問は、ここを社外から補うサービスです。
使い始めた会社の多くは、効果を感じている
一方で、すでに生成AIを活用している企業に効果を聞くと、「大いに効果が出ている」と「やや効果が出ている」を合わせて86.7%でした。「大いに効果が出ている」と答えた割合は、小規模企業(29.7%)のほうが大企業(20.8%)より高い結果でした(帝国データバンク)。
使い始めた会社の多くは効果を感じているのに、中小企業では使い始める前で止まっている会社がまだ多くあります。この差を埋めたいという需要が、AI顧問が増えている理由だと弊社は見ています。
日本と海外を比べると
日本の会社は、AIの方針をはっきり決めていない割合が高い
総務省の『令和8年版 情報通信白書』で、日本・米国・ドイツ・中国の企業に生成AIの活用方針を聞くと、「方針を明確に定めていない」と答えた割合は、日本が20.2%でした。米国は7.8%、ドイツは9.7%、中国は2.3%です。日本の中では、大企業の15.0%に対し、中小企業は31.5%にのぼります(総務省)。

米国では、小規模事業者で生成AIを使う割合が2年で2.5倍に
米国商工会議所の調査では、生成AIを使っている米国の小規模事業者は、2023年の23%から、2024年に40%、2025年に58%まで増えました(U.S. Chamber of Commerce)。

専門家を、必要な分だけ社外から迎える
米国では、常勤で財務の責任者を雇えない小さな会社が、契約で必要な分だけ外部の専門家に頼む「フラクショナル」の形が広がっていると報じられています。マスターカードは、小規模事業者向けに財務の助言をするAIを、金融機関などを通じて2026年中に出す計画です(Fortune)。AIの分野でも、人材会社のTenth Revolution Groupは、AI担当の役員を常勤で置く代わりに、必要な期間だけ契約する「フラクショナルCAIO(Chief AI Officer)」を案内しています(Tenth Revolution Group)。日本のAI顧問は、この流れに近い形だと弊社は見ています。
AI顧問の4つのタイプと、料金の目安
AI顧問は、何をしてくれるかで、大きく4つのタイプに分けられます。料金は、各社が公開している料金の解説(Uravation、WEEL)をもとに、弊社で目安を整理しました。
| タイプ | 主にしてくれること | 料金の目安 | 向いている会社 |
|---|---|---|---|
| 相談・助言型 | チャットや月1回の面談で、質問に答え、進め方を助言する | 月5万〜10万円ほど | 社内に、手を動かせる担当者がいる会社 |
| 研修型 | 社員に、AIの使い方を教える | 内容ごとに見積り | 社員全体の使い方をそろえたい会社 |
| 導入・伴走型 | ツール選び・計画づくり・定例での推進を担う | 月10万〜30万円ほど | 全社で計画的に進めたい会社 |
| 構築・代行型 | 仕組みやシステムを作る、作業を代わりに行う | 内容ごとに見積り | 作りたいものが決まっている会社 |
全社の戦略づくりまで担うものでは、月30万〜80万円ほどのものもあります。4つのタイプは、どれだけ一緒に手を動かすかと、契約のあとに何が残るかの2つで分けると、違いがわかりやすくなります。

どのタイプにも、向いている会社と向いていない会社があります。社内に詳しい人がいて、相談相手が欲しいだけなら、相談・助言型で十分です。作りたいシステムがはっきりしているなら、構築・代行型が早いでしょう。
AI顧問を選ぶときに確かめたい4つのこと
どのタイプを選ぶ場合も、契約の前に次の4つを確かめておくと、思っていたものと違ったということが減ります。
1. 担当する人が、どんな仕事でAIを使っているか
AIでできることは、毎月のように変わっています。担当する人が、どんな仕事でどうAIを使っているかを聞き、実際に作ったものや使っている画面を見せてもらうと、自社との相性がわかります。
2. 毎月、何が残るか
残るものは、タイプによって違います。社内に手を動かせる人がいるなら、助言だけで十分なこともあります。契約が終わったあとに社内で何を続けたいかを決めてから、それに合うタイプを選ぶのがおすすめです。
3. 何から始めるかを、最初に決める時間があるか
先ほどの調査のとおり、「何に使うか」で止まる会社は多くあります。最初に業務を聞き取り、効果の大きいものから順番を決める時間があるかを確かめましょう。
4. 情報の扱いの決まりまで、一緒に作るか
先ほどの調査では、懸念の1位が「情報の正確性」、4位が「情報漏洩のリスク」でした。AIの答えを誰が確かめるか、どの情報をAIに入れないかの決まりまで、一緒に作ってくれるかを見ておくと安心です。
弊社がつくった、中小企業向けの、ありえないAI顧問
最後に、弊社が始めたAI顧問を紹介します。
弊社はこの数か月で、コーポレートサイトをはじめ、4つのサイトをAIと作りました。コーポレートサイトは、デザイン18画面と全ページの文言まで、AIとの対話約5時間で作っています(作り方の記事)。4つのサイトを合わせると、制作会社に頼めば1,000万円以上かかってもおかしくない規模です。それが、AIの利用料の数万円でできました(金額は、制作費の相場をもとにした弊社の試算です)。
その差の大きさに、私自身がいちばん驚いています。そして、この変化がいちばん効くのは、広告費をたくさん使えない中小企業だと考えました。弊社が毎日使っているやり方を、丸ごと渡せないか。そう考えて作ったのが、このAI顧問です。
4つのタイプのうち、「一緒に作って、手順書つきで渡す」形を選んだ
先ほどの4つのタイプでいえば、弊社のAI顧問は、導入・伴走型と構築・代行型の間にあります。毎月の定例で、仕組みを御社の担当者と一緒に作り、使い方を手順書にまとめてお渡しします。6か月が終わるころには、5つほどの仕組みと手順書が社内に残る形です。

- 代表の佐藤が、直接担当します
- 1か月目は、ヒアリングで何から変えるかの優先順位を決めます。AIに入れてよい情報の決まりも、ここで作ります
- 2か月目から、毎月ひとつ、仕組みを一緒に作り、手順書つきでお渡しします
- 月1回・60分の定例と、チャットでの相談に、代表が直接お答えします
- 料金は月15万円(税別)・6か月です。年間の売上が3億円以下の会社を対象にしています
- 仕組みを作り込む作業や、記事・サイトの制作の代行は、別にお見積りします
代表が直接担当するため、先着3社でお受けしています。
お渡ししている仕組みの例
たとえば、発信の仕組みです。弊社では、記事をもとにX・note・LinkedInの1週間分の投稿をAIに下書きさせ、数字や引用元を確かめたうえで予約しています。指示は、話しかけるだけです。
集客のほかの業務にも、同じやり方で取り組めます。請求書から表を作る、過去の資料から提案書の下書きを作る、会議の録音から議事録を作る、問い合わせへの返信を下書きする。どれも、毎月くり返す作業をAIに任せていく例です。
くわしい内容と料金は、AI顧問のページにまとめています。
よくある質問
Q. AI顧問とAIコンサルは、何が違いますか?
はっきりした線引きはありません。名前より、毎月何をしてくれて、何が残るかで比べるのがおすすめです。
Q. 社内にAIに詳しい人がいなくても、頼めますか?
頼めます。むしろ、詳しい人がいない会社ほど、社外に相談相手を持つ意味は大きいと考えています。ただし、AIを使う担当の方は、社内でおひとり決めておくと進みが早くなります。
Q. 顧問料のほかに、かかる費用はありますか?
ClaudeやChatGPTなど、AIのツールの利用料がかかります。多くの場合、会社として直接契約します。仕組みを作る作業を任せる場合は、その費用が別にかかるサービスもあります。
まとめ
生成AIの活用率は、大企業の46.5%に対し、小規模企業では28.0%です。課題になっているのは、ツールより、人とノウハウ、そして「何に使うか」です。AI顧問は、そこを社外から補うサービスで、相談・助言型、研修型、導入・伴走型、構築・代行型の4つのタイプがあります。
選ぶときは、担当する人がどんな仕事でAIを使っているか、毎月何が残るかを確かめるのがおすすめです。弊社のAI顧問は、弊社が毎日使っている仕組みを御社に合わせて一緒に作り、手順書つきでお渡しする形にしました。気になる方は、お気軽にご相談ください。
参考:総務省『令和8年版 情報通信白書』生成AIの活用方針等/U.S. Chamber of Commerce「Empowering Small Business」2025年版/Fortune「How AI is about to transform the C-suite for small businesses」(2026年3月11日)/Tenth Revolution Group「Why every business leader needs a fractional Chief AI Officer」(2025年11月19日)/帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」(2026年5月14日)/東京商工リサーチ「生成AIに関するアンケート」調査(2025年)/Uravation「AI顧問の料金相場|月5万〜80万円の費用比較と選び方」(2026年10月1日更新)/WEEL「生成AIコンサルティングの費用はどれくらい?」(2026年1月6日)




