- 中小企業で、会社か部門として生成AIの活用を進めているのは32.3%。大企業の59.1%の約半分で、38.7%は方針を決めていない
- 始めやすいのは、週の状況のまとめ・問い合わせへの返信の下書き・提案書の下書きなど、毎週くり返す仕事。Anthropicも中小企業向けの型にしている
- 送信・投稿・支払いは人が確かめてから行う。法人向けのプランで学習の設定を確かめ、つなぐ範囲を小さく始める
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。社員20〜30人ほどの会社の社長から、「ChatGPTやClaudeを契約してみたけれど、文章の手直しくらいにしか使えていない」というご相談をよくいただきます。
AIの使い道は、文章の手直しよりずっと広くなっています。2026年5月には、Claudeを開発するAnthropicが、中小企業向けの「Claude for Small Business」を発表しました。会計・営業・人事・顧客対応などの仕事を、Claudeに手伝わせるための型をまとめたものです。日本でも、freee・マネーフォワードが、AIと自社のサービスをつなぐ公式の仕組みを出しています。
この記事では、中小企業がClaudeで変えやすい仕事を10個選び、使う機能と注意点とあわせて紹介します。Anthropicが中小企業向けに用意した型と、弊社が自社で使っている方法をもとにしています。
先に、ポイントを3つにまとめておきます。
- 中小企業で、会社として生成AIの活用を進めているのは約3割。大企業の約6割と比べて遅れている。方針を決めていない会社も4割近い
- 始めやすいのは、週の状況のまとめ・問い合わせへの返信の下書き・提案書の下書きなど、毎週くり返す仕事。Anthropicも、こうした仕事を中小企業向けの型にしている
- 送信・投稿・支払いは、人が確かめてから行う。有料の法人向けプランを使い、学習の設定とつなぐ範囲を決めてから始める
もうひとつ、先にお伝えしておきたいことがあります。弊社では、コーポレートサイトの制作も、公開したあとの更新も、AIへの口頭の指示だけで完了させています。デザイン18画面と全ページの文言は、対話の時間約5時間でできました。どう進めたのかを、すぐに見たい方は、[記事の後半の事例](#case)からお読みください。
目次
中小企業のAI活用は、大企業より遅れている
東京商工リサーチが2026年3〜4月に6,327社に行った調査では、会社として、または部門で生成AIの活用を進めている企業は、大企業で59.1%、中小企業で32.3%でした。中小企業では、38.7%が「方針は決めていない」と答えています(東京商工リサーチ)。

一方、中小企業には、大企業にない強みもあります。社長がその場で決められ、仕事の流れを1日で変えられることです。AIは、使い慣れた人ほど難しい仕事に使えるようになることが、Anthropicの分析でもわかっています(Anthropic「Learning curves」)。小さな会社ほど、早く始めて、毎日使うことが効いてきます。
Anthropicが用意した、中小企業向けの型
Claude for Small Businessは、2026年5月13日に発表されました。QuickBooks・PayPal・HubSpot・Canva・Docusign・Google Workspace・Microsoft 365などの道具とClaudeをつなぎ、財務・営業・人事・顧客対応などの仕事をClaudeに手伝わせる型をまとめたものです。Claudeとつなぐ道具の利用料のほかに、追加の費用はかかりません(Axios)。
9月15日の更新では、43のワークフローと27の連携が加わりました。5月の提供開始から90万回以上インストールされたとしています。たとえば、次のような型があります(Claude公式ブログ)。
| いつ | 型 | 中身 |
|---|---|---|
| 月曜の朝 | 週次のまとめ | 現金の残高・売上・商談・未払いの請求書・今週やることを1ページに |
| 営業時間外 | 問い合わせへの素早い対応 | 問い合わせを確かめ、返信の案をつくり、顧客の記録に残す |
| 週の半ば | 提案書の作成 | 音声のメモから、過去の案件をもとに価格つきの提案書をつくる |
| 週の後半 | 発信の準備 | 来週の投稿の案、週の売上のまとめ、口コミへの返信の下書き |
| 月末 | 月次の締め | 売上・カードの利用・給与を突き合わせ、締めの資料をつくる |
どの型も、標準では、人が承認してから送信・投稿・支払いが行われる設定です。給与のように重い作業は、最後の手前で止まり、人が実行します。
ただし、つなげる道具の多くは米国のものです。日本の会社なら、同じ考え方を、日本で使われている会計・業務の道具に当てはめることになります。
始める前に、覚えておきたい3つの機能
10の使い方は、Claudeの3つの機能の組み合わせでできています。先に、それぞれが何かを押さえておきます。画面の表記は変わることがあるので、見つからないときは近い名前を探してください。
| 機能 | 何ができるか | どこで使うか |
|---|---|---|
| プロジェクト | 資料と「いつもの頼み方」を入れておく場所。中のチャットは、毎回その資料と指示を読んでから答える | 左のメニューの「プロジェクト」から、新しいプロジェクトをつくる |
| コネクタ | Gmail・Googleカレンダー・Googleドライブ・会計ソフトなどとClaudeをつなぐ | チャットの入力欄の「+」→「コネクタ」でオンにする |
| ファイルの作成 | Word・Excel・PowerPoint・PDFをClaudeが直接つくる | 「設定」→「機能」で「ファイルの作成と編集」をオンにする |
プロジェクトは、毎週くり返す仕事ごとに1つつくるのがおすすめです。「週次のまとめ」「問い合わせの返信」「提案書」のように分けておくと、毎回の説明がいらなくなります(プロジェクト)。
ファイルの作成とGoogle Workspaceとの連携は、無料のプランから使えます。調べものを深く行う「リサーチ」は、有料のプランで使えます(ファイルの作成・Google Workspaceとの連携・リサーチ)。法人向けのTeamプランなどでは、コネクタを使う前に、管理者が組織の設定で有効にする必要があります。
以下では、架空のリフォーム会社「みどり住設」(社員20人)を例に、10の使い方を手順で紹介します。提案書・Excelの集計・SNSの投稿・下調べの4つは、弊社で実際にClaudeに頼んでつくったものを載せています。10は、弊社のサイトの制作と更新の実例です。ほかの図は、説明のための見本です。
中小企業におすすめのClaude活用術10選
10の使い方は、いつ使うかで5つに分かれます。最初は、毎週・毎日くり返す1と2から始めるのがおすすめです。

1. 月曜の朝に、先週の数字と今週やることを1枚にまとめる
何が楽になるか:月曜の朝に、メール・予定・売上の表を1つずつ開いて状況をつかむ時間が、まとめを読む数分になります。
用意するもの:Gmail・Googleカレンダーのアカウント、先週の売上の表(Excelかスプレッドシート)
手順
- チャットの入力欄の「+」→「コネクタ」で、Gmail・Googleカレンダー・Googleドライブをオンにします。初めて使うときは、Googleのサインインの画面が出るので、会社のアカウントで許可します
- 「週次のまとめ」という名前のプロジェクトをつくります
- プロジェクトの「指示」の欄に、まとめる項目と形を書きます(下の例)
- 毎週月曜の朝、そのプロジェクトの中で新しいチャットを開き、先週の売上の表を添えて「今週のまとめをつくって」と送ります
- まとめを読み、足りない項目があれば「〇〇も入れて」と頼みます。よく足す項目は、指示の欄に書き足します

うまくいくコツ:まとめる項目は4〜5個までにして、毎週同じ形にします。形が同じだと、先週と比べやすくなります。Anthropicの中小企業向けの「週次のまとめ」と同じ考え方です。
2. 夜や週末の問い合わせに、返信の下書きを用意しておく
何が楽になるか:朝いちばんの返信が、ゼロから書く作業から、下書きを直して送る作業になります。返信が早いほど、問い合わせは商談につながりやすくなります。
用意するもの:Gmailの接続(1.と同じ)、会社の基本情報・料金の目安・よくある質問、過去にうまくいった返信を3〜5通
手順
- 「問い合わせの返信」というプロジェクトをつくります
- プロジェクトの「ファイル」に、会社の基本情報・料金の目安・よくある質問・過去の返信をまとめた文書を入れます
- 「指示」の欄に、返信のルールを書きます。たとえば「敬語で、300字以内。料金と工期は断定しない。署名は〇〇」です
- 朝、プロジェクトの中で「昨夜から今朝までの問い合わせに、返信の下書きをGmailにつくって」と頼みます
- Gmailの下書きフォルダを開き、1通ずつ読んで直し、人が送ります

注意:Claudeは、Gmailでの送信もできますが、送る前に毎回確認を求めるのが標準の設定です(Google Workspaceとの連携)。最初は下書きまでに留め、送るのは人にします。
3. 商談のメモから、提案書と見積書の下書きをつくる
何が楽になるか:商談のあとに提案書の構成を考え、過去の資料から文章をコピーする時間が減ります。
用意するもの:過去の提案書2〜3件(PowerPointかWord)、価格表、商談のメモ(スマホのメモや、録音の文字起こしでも構いません)
手順
- 「設定」→「機能」で、「ファイルの作成と編集」をオンにします
- 「提案書」というプロジェクトをつくり、過去の提案書と価格表を入れます
- 「指示」の欄に、提案書の構成と、価格は必ず価格表の単価を使うことを書きます
- 商談のあと、メモを貼り付けて、下の例のように頼みます
- 返ってきたファイルをダウンロードし、まず構成を、次に金額を、価格表と1行ずつ見比べます
- 直したい点は「4枚目の工事の流れを、日数がわかる表にして」のように、場所を指定して頼みます
弊社でも、自社のAI検索診断の提案書を、この頼み方でClaudeにつくらせてみました。7枚のPowerPointが返ってきて、価格表にない単価は、勝手に埋めないで空けてありました。

注意:Claudeがつくったファイルは、確認と修正が必要なことがあると、Anthropic自身も案内しています(ファイルの作成)。特に金額と数量は、必ず人が確かめます。
4. 会議の記録から、次にやることと、お礼のメールをつくる
何が楽になるか:会議のあとに議事録を書き、担当と期限を決めてメールする作業が、確認するだけになります。
用意するもの:会議の文字起こし(Zoom・Google Meet・Teamsの文字起こし機能や、手書きのメモでも構いません)
手順
- 会議が終わったら、文字起こしのテキストをコピーするか、ファイルを書き出します
- Claudeのチャットに貼り付けるか、ファイルを添付して、下の例のように頼みます
- 表の「担当」と「期限」を、人が確かめて直します。会議で決まっていない担当を、Claudeが推測して書くことがあるためです
- 表を社内のチャットで共有し、お礼のメールは読んで直してから送ります

うまくいくコツ:「決まっていないこと」も書き出させると、次の会議で話すことが明らかになります。弊社でも、打ち合わせのあとのまとめは、この形でClaudeに任せています。
5. 請求書と入金を突き合わせ、月次の締めを手伝わせる
何が楽になるか:月末に、請求書の一覧と通帳の入金を1件ずつ見比べる作業を、Claudeに下調べさせられます。
用意するもの:freeeのアカウント(できれば、見るだけに近い権限のもの)、有料のClaudeのプラン
freeeは、会計・人事労務・請求書などの約270の操作をAIから行える公式の仕組みを、β版として出しています(freee)。freeeの案内にある、Claudeでの設定の手順は次のとおりです。
手順
- Claudeで「カスタマイズ」→「コネクタ」→「追加」を選び、「カスタムコネクタの追加」の画面を開きます
- タイトルに「freee」、URLに「https://mcp.freee.co.jp/mcp」と入れて、「追加」を押します
- 表示された「連携」のボタンを押し、freeeのログインの画面で「許可する」を押します
- 「freeeに接続されました。」と出たら、つながっています
- freeeの案内に沿って、最新の「Agent Skills」のファイルをダウンロードし、Claudeに入れます。入れないと、利用の枠を多く使うことがあるとされています
- 下の例のように、「登録や変更はしないで」と付けて頼みます

注意:Claudeが触れられるのは、ログインしている人のfreeeの権限の範囲だけです。freeeも、AIツールで学習に使わない設定になっているかを確かめるよう案内しています。マネーフォワードも、2026年3月26日にクラウド会計とつなぐ公式の仕組みの提供を始めています。設定は、マネーフォワードの案内を確かめてください(マネーフォワード)。
6. 売上や顧客の表を渡して、集計とグラフをつくらせる
何が楽になるか:Excelの関数やピボットテーブルを組まなくても、集計表とグラフが手に入ります。
用意するもの:売上や顧客の一覧(会計ソフトや販売管理のソフトから、CSVかExcelで書き出したもの)
手順
- 「ファイルの作成と編集」をオンにします(3.と同じ)
- 会計ソフトなどから、売上の一覧をCSVで書き出します
- チャットにファイルを添付し、何ごとに集計したいかを書いて頼みます
- 返ってきたExcelをダウンロードし、合計の金額が元のデータと合っているかを確かめます
- 「工事の種類ごとの割合も見たい」など、見たい切り口を足して頼みます
弊社では、自社サイトのサーチコンソールの週ごとの数字を渡して、月ごとの集計を頼んでみました。月によって週の数が違うので、「1週あたり」の列も足すよう頼むと、比べやすい表とグラフになりました。

注意:元のデータに誤りや重複があると、集計もずれます。「同じお客様が別の名前で入っていないかも確かめて」と頼むと、気づける場合があります。
7. 社長の文体で、SNS・ブログ・メルマガの下書きをつくる
何が楽になるか:書くことは決まっているのに、文章にする時間がとれない、という悩みが減ります。
用意するもの:過去の投稿や記事を5〜10本、投稿したいことのメモと写真
手順
- 「発信」というプロジェクトをつくり、過去の投稿や記事をまとめた文書を入れます
- 「指示」の欄に、文体のルールを書きます。語尾・1回の長さ・絵文字の数・書かないこと(価格、お客様の実名など)です
- 投稿したいことを箇条書きのメモで渡し、「3案つくって」と頼みます
- いちばん近い案を選び、「もう少し短く」「専門の言葉を減らして」のように直してもらいます
- 商品の仕様・日付・数字を人が確かめてから投稿します
弊社でも、今日公開した記事の告知を、過去の記事の文体でつくらせてみました。3案とも、そのまま使えそうな長さと言い回しで返ってきました。

注意:AIは、商品の仕様や日付を、もっともらしく書き間違えることがあります。Anthropicの紹介でも、あるチーズ店が、創業者の文章の癖を覚えさせて販促の文章をつくっていましたが、公開するかどうかを決めるのは人です。
8. 社内の手順書をまとめて、新人の質問に答えさせる
何が楽になるか:新人が「この場合はどうすれば?」と聞く相手が、社長や先輩からClaudeに移ります。
用意するもの:業務の手順書・社内の決まり・よくある質問(Word・PDF・Googleドキュメントなど)
手順
- 「社内の質問窓口」というプロジェクトをつくります
- 手順書などの資料を入れます。ファイル名に「_2026年4月版」のように更新した時期を入れておきます
- 「指示」の欄に、「資料にないことは、推測で答えず『資料にありません。〇〇さんに確かめてください』と答える。答えには、参照した資料の名前を書く」と書きます
- 法人向けのプランなら、プロジェクトをメンバーに共有します
- 手順が変わったら、資料を差し替えます。月に1回、見直す日を決めておくと安心です

注意:資料が古いと、古い答えが返ってきます。答えに参照した資料の名前を書かせておくと、古い資料に気づきやすくなります。
9. 業界・競合・補助金の下調べをさせる
何が楽になるか:検索して、ページを開いて、メモをとる作業を、Claudeにまとめて任せられます。
用意するもの:有料のClaudeのプラン
手順
- 設定で「ウェブ検索」がオンになっているかを確かめます
- チャットの入力欄の左下の「+」から「リサーチ」を選びます
- 何を、どの範囲で、どの形で知りたいかを書いて頼みます。地域・会社の規模・期間・表の列まで書くと、ほしい答えに近づきます
- 返ってきた答えの出典のリンクを開き、大事な数字が書かれているかを確かめます
- 補助金や制度は、必ず公式の公募要領やページで、条件と締め切りを確かめます
弊社で実際に頼んでみた結果が、下の図です。受付が終わった制度も、終わったことがわかる形で載っていました。中身は2026年10月28日時点のもので、申請の前には、必ず公式の案内で確かめてください。

注意:リサーチは、通常のチャットより利用の枠を多く使うことがあります(リサーチ)。毎日の小さな質問は通常のチャットで、深く調べたいときだけリサーチを使います。
10. ホームページの制作も更新も、AIへの口頭の指示だけで完了させる(弊社の事例)
最後は、弊社の事例を少しくわしく紹介します。弊社は2026年に、コーポレートサイトをClaudeと作り直しました。デザイン18画面と全ページの文言を、対話した時間の合計約5時間でつくり、公開までの作業もその日のうちに終えています。公開したあとの更新も、管理画面を開かず、Claudeへの口頭の指示だけで完了させています。
何が楽になるか:サイトのリニューアルを、何週間もかけて工程ごとに確かめながら進める必要がなくなります。公開したあとも、「この一文を直したい」「お知らせを1本出したい」のたびに、制作会社に連絡して見積もりと日程を待つ必要もなくなります。
8週間の計画をやめ、5時間の対話でつくった
リニューアルは、もともと8週間の計画でした。方針・原稿・ワイヤーフレーム(ページの骨組み)・デザイン・実装の順に、工程ごとに確認して進める、よくある進め方です。
ところが、骨組みをつくらせようとしたところで、Claudeなら文言も色も余白も入った完成形をいきなりつくれることに気づきました。完成形を見て「ここが違う」と言えば、その場で直ります。そこで計画をやめ、完成形をつくっては見て直す進め方に切り替えました。

時間の使い方は、かなり偏っていました。約5時間のうち6割は、トップページで「この会社は何を言うのか」を詰める議論です。そこが決まってからは早く、下層の17画面は1時間半でそろいました。

指示は、ほとんどがスマホの音声入力です。会社として何を言いたいか、どんなお客様に向けたサイトかといった大枠は、私から先に話しています。そのうえで、完成形を細かく指定するより、見て引っかかったことをそのまま言うほうがうまくいきました。最初のトップページの案を見て言ったのは、「これはコーポレートサイトのトップページになっていないのでは」という趣旨の一言だけです。サービスの説明が前に出すぎていたのを、Claudeは会社を紹介するページの型に組み直し、方向の違う3つの案を並べて返してきました。
約5時間で出した指示は約90回、3分に1回は何かを決めていた計算です。AIで作業が速くなるぶん、人が判断する回数は増えます。
公開の作業も、エンジニアに頼まないで済んだ
実装は開発会社にお願いするつもりでしたが、そこもClaudeとの対話で済ませました。Claudeがサイトのコードを書き、GitHub(ファイルを置いて変更の履歴を残す場所)に置いて、Cloudflare Pages(サイトを配信する仕組み)で公開する形です。記事・ニュース・資料・お問い合わせまで、公開の時点で43ページありました。
私がしたのは、GitHubとCloudflareのアカウントの操作と、ドメインの設定の書き換えくらいです。どの画面のどこを押すかは、Claudeがひとつずつ案内してくれました。
公開したあとも、口頭で方針を伝え、確かめてから更新している
公開したあとの更新は、Claudeにファイルの編集やコマンドの実行を任せられる「Claude Code」に話しかけて行っています。2026年10月24日から28日までの5日間で、サイトへの変更は251回ありました。
「口頭の指示だけ」と書きましたが、AIに丸投げしているのとは違います。私が話しているのは、作業の手順よりも、方針と知識と点検です。何を誰に伝えるか、業界やお客様について知っていること、出してはいけないこと、そしてできあがったものを読んだうえでの直しを、話して伝えています。手を動かす作業を、Claudeに任せている形です。

この記事も、公開までに、構成・図・事例の選び方などの直しを、私から何度も指示しています。公開してよいかを最後に決めるのも、私です。

品質を守るために、3つの決まりを置いています。
- ルールを書いた指示書を、Claudeが毎回読む。使わない言葉、ひらがなで書く言葉、取引先の名前を出さないこと、図の作り方などを、1つのファイルにまとめています
- 公開の前に、自動で確かめる。リンク切れや、仮の文言が残っていないかを、毎回プログラムで点検します
- 大きな変更は、確認用のURLで見てから公開する。スマホで見て、「公開で」と言うまで本番には出しません
始めるまでの手順
- いまのサイトを、ファイルで管理できる形に移すか、作り直すかを決めます。WordPressなどの管理画面で更新しているサイトは、制作会社やIT担当に、移せるかを相談します
- ファイルの置き場(GitHubなど)と、自動で公開する仕組み(Cloudflare Pagesなど)をつなぎます
- Claude Codeから、そのファイルの置き場を扱えるようにします
- 「どの指示なら、どのファイルを直すか」「使わない言葉」「公開の前に確かめること」を書いた指示書を置きます
- 最初の数週間は、すべての変更を確認用のURLで見てから公開します。慣れてきたら、小さな文言の修正は、そのまま公開する決まりにします
注意:社内の何人もが自分で記事を公開している会社や、公開までの承認の流れが管理画面の機能と結びついている会社には、向かないこともあります。くわしくは、次の2本の記事に書いています(コーポレートサイトをAIと作り直したら、5時間でできた話・WordPressも管理画面も、いらなくなった。AIに話しかけるだけで、サイトを更新・公開している話)。
始める前に決めておきたい、3つのこと
1. 有料の法人向けプランを使い、学習の設定を確かめる
Anthropicは、TeamプランとEnterpriseプランでは、標準で事業のデータを学習に使わないとしています(Claude公式ブログ)。個人向けのプランで学習の利用を許可していると、連携した道具から取り込んだ内容が、学習に使われることがあります(Google Workspaceとの連携)。仕事で使うなら、法人向けのプランか、少なくとも学習の設定を確かめてから使います。
2. 送信・投稿・支払いは、人が確かめてから
Anthropicの中小企業向けの型も、標準では人の承認を待つ設定です。お客様へのメール・SNSの投稿・支払いは、Claudeに下書きまで任せ、最後は人が実行する形から始めます。慣れてきたら、社内向けの作業から任せる範囲を広げます。
3. つなぐ範囲を、小さく始める
Claudeが触れられる範囲は、つないだアカウントの権限で決まります。最初は、見るだけの権限や、使う道具を1つに絞って試します。ファイルやサイトに仕込まれた指示で、AIが意図しない操作をすることもあるため、Anthropicも、作業中の動きを見守るよう案内しています(ファイルの作成)。
よくある質問
Q. ChatGPTと、どちらを使えばいいですか?
どちらでも、ここで紹介した使い方の多くはできます。すでに社員が使い慣れているほうから始めるのがよいと考えています。freeeの公式の案内では、Claudeでの設定方法が例に挙がっています。
Q. Claude for Small Businessは、日本の会社でも使えますか?
有料のプランであれば使えるとされています(Claude公式ブログ)。ただし、つなげる道具の多くは米国のもので、日本の会計ソフトなどには、それぞれの会社が出している仕組みを使うことになります。
Q. 社員に使ってもらうには、何から始めればいいですか?
10個すべてを一度に始める必要はありません。毎週くり返していて、時間がかかっている仕事を1つ選び、2〜3週間続けてみるのがおすすめです。うまくいった頼み方は、社内で共有します。使い慣れた人ほどAIをうまく使えるようになるので、まずは毎日使う人を増やすことが大切です。
参考:東京商工リサーチ「生成AIの活用」に関する調査(2026年)/Axios「Anthropic wants small businesses to use Claude」(2026年5月13日)/Claude公式ブログ「Claude for Small Business launches new workflows, integrations, and training programs」(2026年9月15日)/Claudeヘルプセンター「ファイルの作成と編集」/Claudeヘルプセンター「Google Workspaceとの連携」/Claudeヘルプセンター「リサーチ」/freee 公式MCP/マネーフォワード クラウド会計 お知らせ(2026年3月26日)/Anthropic「Learning curves」(2026年3月24日)


