
ご質問ありがとうございます。AI検索対策は、始める前にも始めたあとにも「効果はどう測るんですか」と聞かれることが多いテーマです。
結論から言うと、弊社は4つの数字を見ています。ひとつ目は、自社の名前が挙がってほしい質問で、AIの答えに名前が出る割合(出現率)とその順位。2つ目は、AI経由でサイトに来た人からの問い合わせ。そして間接的な効果として、3つ目に社名での検索(指名検索)の増え方、4つ目にサイト全体の問い合わせの増え方を見ます。
ただ、正直に言うと、まだきれいに測れる段階にはありません。どこまで測れて、どこが難しいのかも含めてお話しします。
まず、弊社がAI検索対策をどう捉えているかです。
いまは、悩みが浮かんだらAIに相談して、AIが挙げた候補の中から気になった会社を名前で検索し、公式サイトで確かめる、という流れが、弊社のお客さんの間でも増えています。AI検索対策は、このうち「AIに候補として挙げてもらう」段階の対策だと考えています。

AIからサイトに来る人は、まだ多くありません。2026年1〜3月、世界のWebサイトへの流入のうち、生成AIからの流入は0.7%でした(EMARKETER(Sensor Towerの調査))。ただ、流入が少ないからといって、成果が小さいとは限りません。AIから来る人は問い合わせにつながりやすく、AIで名前を知った人が、あとから社名で検索して問い合わせることもあります。この2つを合わせると、問い合わせへの影響は、流入の数から想像するより大きくなっています。
そのため、AIの答えとAI経由の訪問で直接測れる数字と、そのあとに間接的に表れる数字を分けて見ています。
ひとつ目は、出現率と順位です。自社の名前が挙がってほしい質問を決めて、AIに同じ質問を定期的に聞き、自社の名前が出る割合と、何番目に挙がるかを記録します。GoogleのAIによる概要とAIモードについては、Search Consoleで自社のページが表示された回数も見られるようになりました。2026年8月31日から全世界のサイトに広がりました。ただし、表示回数が少ないサイトでは出ないことがあり、クリック数もまだわかりません(Google)。
気をつけたいのは、AIの答えが聞くたびに変わることです。SparkToroの調査では、ひとつの質問をAIごとに60〜100回聞いても、同じ顔ぶれのブランドが返ってくるのは1%未満で、順番まで同じになるのは0.1%未満でした。同じ調査では、何度も聞いて名前が出る割合のほうが、順位より安定していたとされています(Search Engine Journal)。
そのため、弊社は出現率を中心に見て、順位は、名前が出たときの平均を参考にしています。1回の結果で一喜一憂するより、同じ質問を何度も聞いた割合で判断するほうが確かです。
2つ目は、AI経由の問い合わせです。2026年5月から、Googleアナリティクス(GA4)でAIアシスタントからの訪問を分けて見られるようになりました(Google アナリティクス ヘルプ)。ここから来た人の問い合わせを数えます。
AIから来る人は、数は少なくても、問い合わせにつながりやすい傾向があります。弊社がご支援しているクライアントでも、AIからの流入はわずかなのに、AI経由で直接来た問い合わせだけで、全体の10%を超えるプロダクトが出てきました。AIで名前を知ってから社名で検索して問い合わせた方など、間接的な分も含めると、この例では2〜3割に及ぶのではないかと見ています。もう見逃せない数字です。
海外でも同じ傾向が報告されています。Ahrefsは、2025年6月時点の直近30日で、自社サイトへのAI検索からの訪問は全体の0.5%でしたが、新規登録の12.1%を占めていたと報告しています。ただし1社のデータで、AIからの訪問が増えてもこの差が続くかはわからないとも書かれています(Ahrefs)。
この数字は、実際より少なめに出ます。どこから来たかの情報を渡さないAIもあり、そうした訪問は「直接の訪問」として数えられてきました(PPC Land)。お問い合わせフォームに「弊社を何で知りましたか」という項目を入れておくと、AIで知ったという方を拾いやすくなります。
3つ目は、指名検索です。AIで名前を知った人の一部は、あとから社名で検索します。日本の調査では、AIによる概要ですすめられた会社や商品を、あとから検索することが「よくある」「ときどきある」と答えた人が、合わせて46.1%いました(2025年12月、752人。ナイル調べ/Web担当者Forum)。Search Consoleでは、2025年11月から、条件を満たすサイトで検索キーワードを「指名」と「指名以外」に分けて見られるようになりました(Google)。
4つ目は、サイト全体の問い合わせです。指名検索や直接の訪問から来た問い合わせも含めて、全体として増えているかを見ます。
どちらも、AI検索対策だけで増える数字ではありません。広告・展示会・紹介でも増えます。それでも、出現率が上がった時期と、指名検索や問い合わせが増えた時期を並べて見ると、効いているかどうかの手がかりになります。

指名検索の見方と増やし方は指名検索の記事に、検討の段階ごとの指標は検索の役割の変化についての記事にくわしく書いています。
この測りにくさは、海外の専門家も認めています。AmsiveでSEO・AI検索を率いるLily Ray氏は、2026年1月の文章で、AIでの見え方を追うツールについてこう書いています(Lily Ray)。
方向を知るには役に立つが、根本的な限界がある。AIの答えは毎回変わり、人ごとに変わることも増えている。While these tools are useful for directional insights, they remain fundamentally limited… LLM responses are both non-deterministic and increasingly personalized.— Lily Ray(Amsive VP)、2026年1月
同じ文章でLily Ray氏は、実際にAIでどんな質問がされているかを全体として追うことは、いまはできないとも書いています。そのうえで、成果を測る指標も、コンバージョンや売上を中心にしたものに変えていく必要があると書いています。X(旧Twitter)でも2025年11月に、AIの答えを追うツールのデータは「方向を見るために使うもの」と投稿しています(PPC Land)。
弊社の考え方も同じです。出現率は方向を見るための数字として使い、最後は問い合わせで判断します。
難しいところは、まだいろいろあります。
それでも、測らないまま対策を続けると、何が効いたのかがわからなくなります。まずは、自社の名前が挙がってほしい質問を20〜30個決めて、いまの出現率と順位を基準値として測っておくことをおすすめします。そのうえで、同じ質問で定期的に測り直し、指名検索と問い合わせの動きと並べて見ていきます。
弊社のAI検索診断では、ChatGPTやGeminiなどのAIに同じ質問を聞き、名前が出た割合・順位・参照されたページをまとめています。