
ご質問ありがとうございます。料金が違う、もう提供していないプランを紹介される、対象の企業規模がずれている。AI検索対策のご相談の中でも、最近とくに増えているお悩みです。
結論から言うと、AIの説明は、どこかに書かれた記述から来ています。まずその出どころをたどり、出どころごとに直していきます。自社サイトなら社内で直す、比較サイト・解説記事なら修正を依頼する、どこにも書かれていなければ公式に書く。もうひとつ見落としやすいのが、自社サイトの中の記述のずれや、古い情報の残りです。
最初に、AIが答えをつくる仕組みを押さえておくと、どこを直せばいいかが見えてきます。

AIの答え方には、大きく2つの経路があります。ひとつは、学習した時点のWeb上の文章をもとに、検索しないで答える経路です。この場合、答えに出典は出ず、古い情報が混ざりやすくなります。もうひとつは、その場で検索してページを読み、その内容をまとめて答える経路です。この場合は出典が表示され、読んだページの書き方がそのまま答えに表れます。
どちらの経路でも、自社のことがWeb上でどう書かれているかが答えを左右します。Ahrefsが2025年5月に7.5万のブランドを調べた分析では、GoogleのAIによる概要での露出といちばん相関が強かったのは、Web上でのブランドの言及でした(Ahrefs)。相関の分析なので因果まではわかりませんが、自社サイトの外でどう書かれているかも無視できないことを示しています。AIが質問を広げて検索する仕組みはクエリ・ファンアウトの記事に、サイトの外での言及についてはサイテーションの記事にくわしく書いています。
弊社のご支援先の一例をお見せします。AI検索診断で、サービスの料金と導入の条件をAIに聞いたとき、それぞれのAIが出典に挙げたページを、種類ごとに数えました。

同じ質問でも、AIによって答えが分かれました。ChatGPTは、公式のFAQと価格ページを中心に出典に挙げ、条件を公式どおりに説明しました。一方、Geminiの出典には、そのサービスの公式ページが1件も出てきませんでした。出典に出ていたのは、同じ会社が運営する別サービスの比較ページと、比較記事です。その結果、現行と合っていないおそれのある導入の条件を、そのまま答えていました。
ここで大事なのは、AIの説明の出どころが、他社のサイトだけとは限らないことです。この例では、現行と合っていないおそれのある条件の発生源は、同じ会社の別サイトの記述とみられます。
診断では、AIの説明を出どころで4つに分けて、それぞれ打ち手を決めました。

公式サイトに書いてあることは、AIは正しく伝えていました。ここはそのまま維持して、数字には時点をつけます。
同じ会社の別サイトが出どころなら、社内で直します。直したうえで、その記述を引用した記事にも修正を依頼します。
比較サイト・解説記事・販売代理店のページに古い情報が載っている場合は、掲載しているサイトに修正を依頼します。依頼するときは、正しい情報が書かれた公式のページを根拠として添えます。比較サイトによっては、掲載されている側の会社向けの管理画面から、自社で情報を更新できることもあります。いまは引用されていなくても、古い情報は今後AIに読まれるおそれがあるので、見つけた段階で直してもらうのがおすすめです。
どこにも書かれていない内容をAIが推測で答えている場合は、依頼する先がありません。料金の考え方や対象の企業規模など、聞かれそうなことを公式に書いて、推測の余地を減らします。
実際の診断では、こうした判定と出どころの分析を、レポートにまとめてお渡ししています。

もうひとつ、よく起きるのが、自社サイトの中で記述がずれているケースです。料金ページは更新したのに、サービス紹介のページや古いお知らせに前の数字が残っている。プランの名前が変わったのに、FAQは古い名前のまま。こうしたずれがあると、AIが古いほうを引用するおそれがあります。
社外に修正を頼む前に、まず自社サイトの中を確かめてください。数字・プラン名・サービス名・対象の企業規模を書き出して、ページ同士でそろっているかを見ます。古いお知らせや終わったキャンペーンのページも、残すなら、いつ時点の情報かがわかるようにしておきます。
ユーザー数・導入社数・継続率のような数字を気にされる会社さんも多いと思います。そうした会社には、「数字で見る〇〇」のようなページを作り、最新の数字を時点つきでまとめておくことをおすすめしています。

ポイントは、数字ごとに「2026年9月末時点」のような時点と、何を数えた数字かの定義を書くことです。ほかのページでは、数字を書くときにこのページへリンクします。数字を更新する場所がひとつにまとまるので、ページ同士のずれも起きにくくなります。お客さんが確かめるときにも、AIが答えをつくるときにも、時点つきの数字が残ります。
AIが読むのは、自社サイトと比較サイトだけとは限りません。プレスリリースの配信サイトや、noteのようなブログも出典になります。弊社のご支援先でも、プレスリリースの配信サイトが、AIの出典の上位に入っていた例があります。
そこで、機能の追加や終了、料金の改定のような変更は、自社サイトを直すのとあわせて、プレスリリースでも出しておくのがおすすめです。弊社のこれまでの分析では、AIは変更や最新の状況にかかわる質問を受けると、新しい情報を探しに行く動きが目立ちました。Seer Interactiveの2026年7月の調査でも、AIに引用されたページの75%は、直近1年以内に更新されたものでした(Seer Interactive)。新しい日付で変更を出しておくと、古い記述より新しい記述が読まれやすくなると考えています。比較サイトに修正を依頼するときの根拠にも使えます。
直したあとは、最初と同じ質問をAIに聞いて、説明が変わったかを確かめます。検索して読む経路のAIなら、直したページが読まれれば、答えに表れることが多いです。ただ、ページが検索エンジンに読み込み直されるまで、時間がかかることもあります。学習済みの知識で答える経路は、次にAIのモデルが更新されるまで反映されにくく、いつ反映されるかはAIの提供元次第です。効果の測り方は、AI検索対策の効果とKPIのQ&Aでお話ししています。
自社がAIにどう説明されているかを確かめたい場合は、弊社のAI検索診断をご覧ください。AIの答えが公開情報と合っているかを判定し、その記述がどの情報源から来たかまでたどります。