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2026.10.25Q&A ─ 代表が答える

Q.AI検索でゼロクリックが増えていると聞きました。SEOはもう終わりですか。AI検索対策に切り替えるべきですか。

佐藤 大貴回答:佐藤 大貴(代表取締役)
SEOはもう終わり? AI検索対策に切り替えるべき?
A.代表 佐藤 大貴の回答

ご質問ありがとうございます。10月に日本経済新聞が、AI検索の広がりでゼロクリックが増え、サイトの集客が揺らいでいると報じました(日本経済新聞「AI検索普及、ゼロクリック率68%に上昇 揺らぐサイト集客」)。この記事が社内で話題になり、「SEOはもう終わりでは」という声が出ている、というご相談を、ここ1週間で何件もいただいています。

結論から言うと、SEOは終わっていません。GoogleのAIによる概要やAIモードも、ChatGPTやGeminiも、多くの場面で検索結果をもとに答えをつくっています。SEOは、AI検索対策の土台です。AI検索対策に「切り替える」より、SEOの狙いどころと測り方を、AI検索に合わせて広げていく、というのが弊社の考えです。

ゼロクリックが増えているのは事実

まず、記事が伝えていることは事実です。記事を紹介した解説によると、ヴァリューズが約250万人の行動ログを分析したところ、検索してもどのサイトもクリックしない「ゼロクリック」の割合は、2025年9月の63.5%から、2026年7月には68.1%に増えました(HashOut)。検索結果のAIの答えだけで用が済む人が増えています。検索結果の上位にいても、クリックは減っています。Ahrefsの2026年6月の調査では、AIによる概要が出る検索で、1位のページのクリック率は、出なかった場合の予測より、日本で62.7%低くなっていました(Ahrefs)。

図1:検索してもクリックしない人が増え、1位のページでもクリックは大きく減った

ただ、クリックが減ることと、検索が使われなくなることは別の話です。世界のWebサイトへの流入を見ると、検索からの流入は17.1%で、生成AIからの0.7%を大きく上回っています(EMARKETER(Sensor Towerの調査))。人は検索をやめていません。検索結果の画面で、AIの答えを読んで済ませる場面が増えている、ということです。

Googleの公式ガイドは「それもSEO」と言っている

では、AIの答えに選ばれるには、SEOと別のことが必要なのか。この点は、Google自身が答えを出しています。Googleは2026年5月に、生成AIの検索機能に向けた最適化のガイドを公開しました(Google 検索セントラル)。要点をまとめると、次のとおりです。

図2:Googleの公式ガイドの結論は「生成AI検索の最適化も、SEO」

ポイントを順に紹介します。

まず、「SEOは生成AIの検索でも意味があるか」という問いに、ガイドは「In short, yes!(ひと言でいえば、ある)」と答えています。生成AIの検索に向けた最適化は、検索体験の最適化であり、SEOのままだ、という立場です。

次に、仕組みです。AIによる概要やAIモードは、Google検索の中心にあるランキングと品質の仕組みを土台にしています。答えをつくるときは、検索のインデックスから、関連があって新しいページを、ランキングの仕組みで取ってきます。さらにAIは、元の質問から関連する検索をいくつも同時に作って、情報を集めます。これをクエリ・ファンアウトと呼んでいます。

そのうえで、ガイドは「やらなくていいこと」をはっきり挙げています。

  • llms.txtのようなAI向けのファイルや、特別なマークアップを用意すること
  • AIに読ませるために、文章を細かく切り分けること
  • AIのためだけに、書き方を変えること
  • 不自然に「言及」を集めること
  • 構造化データにこだわりすぎること

反対に、やるべきこととして挙げているのは、ふだんのSEOの基本です。自分の知識や経験をもとにオリジナルの内容を書くこと。訪れた人が満足するかを基準にすること。ページが検索エンジンに読まれ、インデックスされる状態にしておくこと。Search Consoleの生成AIのレポートで、見え方を確かめること。そして、Googleの社内の指標を使える、と言う第三者のツールには注意するよう書いています。llms.txtについては、llms.txtのQ&Aでくわしくお話ししています。

ChatGPTやGeminiも、検索結果を読んで答えている

これはGoogleだけの話でもありません。ChatGPTやGeminiも、「おすすめは?」「どれがいい?」のような質問では、検索して調べてから答えることが多くあります。

図3:AIは、質問を検索に分けて、上位のページを読んで答える

たとえば、米国のSeer InteractiveがGeminiに「簿記担当者にいちばんいい給与計算ソフトは?」と聞いたところ、裏側では「Gusto、ADP、QuickBooks Payrollを簿記担当者向けに比較」といった検索が16本作られていました(Seer Interactive)。AIが答えのもとにするのは、こうして広げた検索で上位に出てきたページです。

実際、ChatGPTの検索での引用は、検索エンジンの上位のページとかなり重なっています。Seer Interactiveが約100問で調べたところ、ChatGPTの引用の87%がBingの上位20件と一致していました(Seer Interactive)。

図4:ChatGPTの引用は、検索エンジンの上位のページと重なる

検索結果で上位にいることは、いまもAIに読まれるための入口です。仕組みはクエリ・ファンアウトの記事にまとめています。AIの答えに挙がる会社の条件と、何から手をつけるかは、弊社のホワイトペーパー「AIに選ばれる会社の条件」でも、診断のデータをもとに整理しています。無料でダウンロードできるので、社内で説明するときの材料にもお使いください。

ただし、すべての答えで検索が起きるとは限りません。ログイン不要の無料版のChatGPTでは、検索した答えは14.4%だったという調査もあります(Relevant Audience(Ahrefsの調査の紹介))。検索しない答えは、AIが学習した知識から出てきます。その知識をつくるのも、Web上に書かれた文章です。どちらの場合も、Web上でどう書かれているかが答えを左右します。

変わるのは、SEOの狙いどころと測り方

ただ、SEOのやり方まで同じままでいいとは限りません。変わるところは2つあります。

ひとつは、狙う検索です。AIによる概要に引用されたページのうち、元の質問で上位10件に入っていたのは、2026年3月の時点で38%でした。1年前は76%です(Ahrefs)。ユーザーが打った言葉で1位を取ることより、AIが広げた具体的な検索で上位にいることが効くようになっています。お客さんが比べたいこと、確かめたいことに、ひとつずつ答えるページを持つことが大事です。

もうひとつは、測り方です。クリックが減っても、AIの答えや検索結果で社名を見た人が、あとから社名で検索して、サイトに来ることがあります。流入数だけで成果を見ていると、この動きが見えなくなります。表示回数・AIの答えでの出現率・指名検索・問い合わせを分けて見ていくのがおすすめです。測り方はAI検索対策の効果とKPIのQ&Aでお話ししています。

「SEOは終わった」と考えて、検索に関わる取り組みを止めてしまうと、AIに読まれるページも育たなくなります。SEOを続けながら、その先にAIの答えがあることを前提に、狙う検索と見る数字を見直していく。それが、いまのAI検索対策だと考えています。

自社がAIの答えにどう出ているか、どのページが読まれているかは、弊社のAI検索診断で確かめられます。

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