- AIによる概要は、2023年の実験から約2年で、200以上の国と地域・月20億人が使う機能になった。日本では2024年8月に始まった
- 日本のご支援先のデータでは、同じ3,159キーワードで0%(2024年)→58.6%(2025年)→69.0%(2026年)。検索数が多い言葉・質問の形の検索ほど出やすい
- AIによる概要が出る検索は、AIで用が済みやすい検索のひとつ。SEOを土台に、AIだけでは答えきれない検索に向けたページも持っておきたい
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。AIが広がって、ウェブマーケティングは取るべき戦略も、実行のやり方も変わりました。アースダイバーは、その新しい前提で戦略を考え、実行する仕組みまでつくる会社です(ご相談はこちら)。
Googleで検索すると、検索結果のいちばん上に、AIがまとめた答えが出ることが増えました。これが「AIによる概要」(英語ではAI Overviews)です。
この記事では、AIによる概要とは何かを押さえたうえで、いつ始まり、どれくらいの期間で、どう広がってきたのかを、データで振り返ります。最後に、企業として何をすべきかを、弊社の見解としてまとめます。
先に結論を言うと、AIによる概要は、検索の「外」にある新しい仕組みと言うより、Google検索の一部として広がってきた機能だというのが、弊社の見方です。そのうえで、AIによる概要が出る検索と出にくい検索で、狙い方を分けて考えることが大事だと考えています。
目次
AIによる概要とは
AIによる概要は、Googleの検索結果の上のほうに、AIが作った答えの要約を出す機能です。答えの中や横には、もとになったページへのリンクが表示されます。

たとえば「AI Overviewとは」と検索すると、図のように、検索結果のいちばん上に「AIによる概要」という見出しのついた答えが出ます。文章の横にあるのが、答えのもとになったページ(引用元)へのリンクです。
Googleは、AIによる概要に表示されるための特別な最適化や追加の要件はなく、ページがインデックスされ、検索結果に抜粋つきで表示できる状態であればよい、と説明しています(Google 検索セントラル)。AIによる概要は、Google検索のランキング・品質の仕組みを土台にしているからです(Google 検索セントラル)。
似た名前の機能に「AIモード」があります。違いは次のとおりです。
| AIによる概要 | AIモード | |
|---|---|---|
| 出る場所 | ふだんの検索結果の上のほう | 検索とは別の画面 |
| 使い方 | 検索すると、AIの答えの要約が出る | AIと会話しながら調べる |
いつ始まり、どう広がってきたか
AIによる概要は、2年あまりで、実験から月20億人が使う機能になりました。

始まりは2023年5月です。Googleは、検索にAIの答えを出す実験「SGE」を始めました(Keywords Everywhere)。
1年後の2024年5月、米国で「AI Overviews」として正式に始まります(Google)。日本では同じ年の8月、「AIによる概要」として始まりました(国立国会図書館 カレントアウェアネス)。米国から約3か月遅れです。
そこからの広がりは速く、2024年10月には100以上の国に広がり、利用者は月10億人になりました(Keywords Everywhere)。2025年5月には200以上の国と地域、40以上の言語で使えるようになりました(Google)。2025年7月には、利用者が月20億人に達したとGoogleが発表しています(TechCrunch)。
2026年に入ると、サイトを運営する側に向けた動きが増えました。8月には、Search Consoleで、AIによる概要とAIモードに自社のページが表示された回数を見られるようになり、日本を含む全世界のサイトで使えるようになっています(Google)。10月には、答えの中のリンクを増やし、上のほうに出しやすくすると発表しました(アレグロマーケティング)。
どれくらいの検索で出るようになったか
では、実際にどれくらいの検索で、AIによる概要が出ているのか。Googleは公式の数字を出していないので、各社が自分たちで選んだキーワードで測っています。キーワードの選び方も時期もばらばらで、2024年の時点では、調査によって2%から21%まで数字が分かれていました(Otterly.AI)。
そこで、同じやり方で続けて測っているデータを2つ見てみます。

ひとつは、米国のBrightEdgeが、決まったキーワードを毎日測って出している毎月の平均です。AIによる概要が出た割合は、2025年2月の約31%から、8月には約47%に増え、2026年2月には約48%になっていました(BrightEdge)。
もうひとつは日本のデータです。弊社のご支援先で、BtoB企業のオウンドメディアが検索結果に表示されていたキーワードのうち、3年続けて測れた3,159のキーワードを、SEOツールのデータで追いました。AIによる概要が出た割合は、日本で始まった直後の2024年9月には0%、2025年9月には58.6%、2026年9月には69.0%でした。日本でも、2年で約7割のキーワードに出るようになっています。ただ、伸びは2年目に入って緩やかになってきました。
どんな検索で出て、どんな検索で出にくいか
では、どんな検索でAIによる概要が出やすいのか。Googleはどの検索で出すかを公開していないので、ここで書くのは、いまのデータからわかっている傾向です。
まず、検索数です。同じご支援先のデータ(2026年、約7,000キーワード)を、キーワードの月間検索数ごとに分けると、違いがはっきり出ました。

月に10回以下しか検索されないキーワードでは50.8%でしたが、検索数が多くなるほど割合は上がり、月に500回以上検索されるキーワードでは、9割前後で出ていました。多くの人が調べる言葉ほど、検索結果のいちばん上はAIによる概要になっている、ということです。
次に、検索の種類です。Ahrefsが2025年9月に、パソコンの約1億4,600万件の検索結果を調べたところ、次のような傾向がありました(Ahrefs)。

出やすかったのは、「〜とは」「〜のやり方」のような質問の形の検索(57.9%)、7語以上の長い検索(46.4%)、健康のような専門的な情報が求められる検索(44.1%)です。一方で、出にくかったのは、特定のサイトを探す検索(0.9%)、買う・申し込む検索(2.1%)、最新のニュースを調べる検索(6.3%)、近くの店を探す検索(7.9%)でした。
ただし、この傾向も動いています。Semrushが米国で追った、「〇〇 料金」「〇〇と△△の違い」「おすすめの〇〇」のような決まった400のキーワードでは、AIによる概要が出た割合が、2025年9月の45.75%から、2026年8月には88%になっていました(PPC Land)。これまで出にくかった、商品・サービスを比べる検索にも広がりつつあります。
サイトへのクリックは、どう変わったか
AIによる概要が出ると、答えだけで用が済み、サイトへのクリックが減ることがあります。Ahrefsの2026年6月の調査では、AIによる概要が出る検索で、検索1位のページのクリック率は、出なかった場合の予測より、日本で62.7%低くなっていました(Ahrefs)。
また、AIによる概要が引用するページも変わってきています。Ahrefsの2026年3月の調査では、AIによる概要に引用されたページのうち、元の質問で上位10件に入っていたのは38%で、1年前の76%から大きく下がりました(Ahrefs)。AIは、元の質問から関連する検索をいくつも作って調べるので(クエリ・ファンアウトの記事)、元の質問で上位にいるページだけが引用されるとは限らなくなっています。
弊社の見解:出る検索と出にくい検索で、狙い方を分ける
ここまで見てきたとおり、AIによる概要は、Google検索の一部として、多くの人が調べる言葉や、質問の形の検索から広がってきました。そうした検索では、クリックが減り、引用されるページも元の質問の上位10件に限らなくなっています。
弊社は、AIによる概要が出る検索を、AIの答えで用が済みやすい検索と捉えています。言葉の意味や一般的なやり方は、AIがまとめれば足りてしまうことが多いからです。そのうえで、出る検索と出にくい検索で、狙い方を分けて考えるのがよいと考えています。
| 検索 | 例 | 狙い方 |
|---|---|---|
| 出る検索 | 「〜とは」「〜のやり方」のような質問、多くの人が調べる言葉 | AIの答えに引用されることを目指し、成果はクリック以外もあわせて見る |
| 出にくい検索 | 会社名・サービス名、申し込み、自社の料金・事例 | サイトに来て確かめる人に向けたページを持っておく |
- まず、自社のキーワードを「出る」「出ない」に分けて見る。今回のご支援先の分析と同じように、SEOツールやSearch Consoleで、自社が表示されているキーワードのどこにAIによる概要が出ているかを確かめます。どのくらいの検索が、AIの答えで済む側に移っているかがわかります
- 出る検索では、AIの答えに引用されることを目指す。AIによる概要は検索の一部なので、SEOが土台です。そのうえで、元の質問の周りの具体的な質問にも答えるページを用意して、引用される機会を増やします(SEOはもう終わりかのQ&A)
- 出る検索の成果は、クリックだけで見ない。AIによる概要の中で名前を見た人が、あとから社名で検索したり、問い合わせたりすることがあります。Search ConsoleのAIでの表示回数や、指名検索・問い合わせを、あわせて見ていきます(AI検索対策の効果とKPIのQ&A)
- 出にくい検索に向けたページも持っておく。会社名やサービス名で探す検索、申し込みにつながる検索、自社の料金・事例・導入の流れなど自社にしかない情報を知りたい検索、経験や具体的な比較の数字を知りたい検索は、AIの答えだけでは済みにくく、サイトに来て確かめる人が残りやすい検索です
実際、弊社のご支援先でも、AI経由で直接来た問い合わせだけで、全体の10%を超えるプロダクトが出てきました。クリックが減る検索がある一方で、AIの答えの中で名前を見てもらう機会は増えています。
なお、AIによる概要に引用されたからといって、それがそのまま流入や問い合わせになるとは限りません。引用されることにどれだけ価値があるのかは、別の記事であらためてくわしく考える予定です。
よくある質問
Q. AIによる概要と、AIモードは何が違いますか?
AIによる概要は、ふだんの検索結果の上のほうに出る、AIの答えの要約です。AIモードは、AIと会話しながら調べられる、検索とは別の画面です。
Q. AIによる概要に出るために、特別な対策は必要ですか?
Googleは、特別な最適化や追加の要件はないと説明しています。ページがインデックスされ、検索結果に抜粋つきで表示できる状態であることが前提です。そのうえで、お客さまの質問に答えるページを用意することが大事です。
Q. AIによる概要に、自社のサイトを出さないようにできますか?
できます。2026年6月に発表され、8月末に日本を含む全世界に広がった設定で、AIによる概要やAIモードに自社のサイトを使わせないようにできます。ただ、出さなければ、AIの答えの中で名前を見てもらう機会もなくなります。どちらを選ぶかは、自社の事業によって考えたいところです(2026年のAI検索ニュースまとめ)。
自社のページが、AIによる概要やほかのAIの答えにどう出ているかは、実際に確かめてみないとわかりません。
参考:Google 検索セントラル「AI機能とウェブサイト」/Google 検索セントラル「生成AI検索の最適化ガイド」/Google(2024年5月)/国立国会図書館 カレントアウェアネス/Google(2025年5月)/TechCrunch(2025年7月)/Semrush/PPC Land/Ahrefs(検索の種類ごとの表示)/Ahrefs(クリック率)/Ahrefs(引用と上位10件)/Keywords Everywhere


