- YouTubeの引用は、Google系のAIに大きく偏っている。AIによる概要では引用元の1位で、ChatGPTでは8位・2.5%。弊社の診断でも、YouTubeが出典に出たのは、ほぼGoogleのAIモードだけだった
- 引用されやすいのは、「おすすめ」「比較」「やり方」の質問や、医療・人材などの分野。弊社の診断では、条件で探す質問で動画が出典の約1割を占めた一方、社名で聞く質問では1件も出なかった
- 引用される動画は、再生数や登録者数とほぼ関係がない。5〜15分の動画が多く、Googleが再生位置つきで引用するときは、約7割が最初の5分を指していた
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。AI検索対策というと、自社サイトの記事や比較サイトへの掲載が話題になりがちです。ただ、AIの答えの出典を見ていると、YouTubeの動画が引用されている場面がよくあります。
この記事では、AIがどんなときにYouTubeを引用するのかを、海外の大規模な調査と、弊社のAI検索診断のデータから整理します。どのAIで、どんな質問で、どんな動画が引用されるかがわかると、YouTubeに力を入れるべき会社かどうかを判断できます。
先に、ポイントを3つにまとめておきます。
- YouTubeの引用は、Google系のAIに大きく偏っている。AhrefsによるとAIによる概要(AI Overviews)では引用元の1位で、ChatGPTでは8位・2.5%にとどまる。弊社の診断でも、YouTubeが出典に出たのは、ほぼGoogleのAIモードだけだった
- 引用されやすいのは、「おすすめ」「比較」「やり方」の質問や、医療・人材などの分野。弊社の診断では、条件で探す質問で動画が出典の約1割を占めた一方、社名で聞く質問では1件も出なかった
- 引用される動画は、再生数や登録者数とほぼ関係がない。5〜15分の動画が多い。Googleは再生位置まで指定して引用することがあり、その約7割は最初の5分を指していた
目次
AIごとに、YouTubeの引用の多さはまったく違う
SEOツールのAhrefsは、米国の約300万件の質問で、AIがどのサイトを引用しているかを毎月集計しています。2026年9月のデータでは、youtube.comの順位と、上位50サイトの引用に占める割合は、AIによって大きく違いました。

出典:Ahrefs(AIによる概要・AIモード・Perplexity・Gemini・ChatGPT・Copilot、2026年9月2日更新)
ほかの調査も、同じ傾向を示しています。
- B2Bソフトウェアの質問:Foundation Marketingが、購入直前のB2Bソフトウェアの質問5,000件を13週にわたって調べたところ、YouTubeへの引用の98.2%はGoogle系のAIからでした。YouTubeを引用した答えの割合は、Google系で36%、ChatGPTで2.1%です(Foundation Marketing、2026年10月23日)
- 使われ方の違い:BrightEdgeは、YouTubeが引用される質問の数は、AIによる概要がChatGPTの約30倍だとしています(BrightEdge、2026年3月20日)
この差の理由は公表されていません。YouTubeがGoogleのサービスであることが関係していると、弊社はみています。いまのところ、YouTubeに動画を出しても、ChatGPTの答えには効きにくいと考えたほうがよいでしょう。AIごとの引用元の違いは、AIモードの記事やAIによる概要の記事でも紹介しています。
弊社の診断でも、YouTubeはAIモードに集中していた
弊社のAI検索診断では、30問前後の質問をChatGPT・Gemini・GoogleのAIモードに聞き、答えと出典を記録しています。過去の診断から、YouTubeが出典に出た例を拾いました(社名は伏せ、業種で書いています)。

| 業種 | 質問の数 | AIモードでYouTubeが出典に出た質問 | 動画の中身 |
|---|---|---|---|
| 20代向けの就職支援 | 30 | 5問(17%) | ー |
| 法人向けのeラーニング | 30 | 3問(10%) | ー |
| 循環器の専門クリニック | 30 | 7問(23%) | 院長の解説動画など |
| 同クリニックの院長の名前で聞く診断 | 15 | 5問(33%) | 第三者の医師紹介の動画 |
| 整形外科の専門病院の院長の名前で聞く診断 | 15 | 3問(20%) | ー |
| システム開発・セキュリティのIT企業 | 30 | 5問(17%) | 技術の解説 |
ChatGPTでYouTubeが出典に出たのは、システム開発・セキュリティのIT企業の4問だけでした。20代向けの就職支援では、ChatGPTが出典を示した14問のうち、YouTubeは0問です。Geminiでは、出典にYouTubeが出た例はありませんでした。
一方で、SaaSの比較、建材、請求書の受け取りのSaaSの診断では、上位の出典にYouTubeは出てきませんでした。出典は、比較サイトと各社の公式サイトがほとんどでした。
YouTubeが引用されるかどうかは、業種によってはっきり分かれます。医療・人材・ITの解説のように、人が話して説明する内容の分野では出やすいようです。製品を表で比べる分野では、出にくいとみています。
なお、弊社の診断では、ChatGPTとGeminiの出典を記録していない回もあります。AIごとの比較は、AIモードの数字が中心です。
どんな質問で、YouTubeが引用されるか
「おすすめ」「比較」「やり方」の質問
- おすすめ・価格:Foundation Marketingの調査では、「おすすめ」を聞くB2Bの質問で、Google系の答えの46.5%がYouTubeを引用していました。価格を聞く質問では19.1%です
- 比較・やり方:BrightEdgeによると、比較・レビューの質問では、AIによる概要がChatGPTの2.5倍YouTubeを引用しています。ChatGPTがYouTubeを引用する場面の60%は、やり方を聞く質問でした
- 健康:ドイツ語の健康の質問5万件あまりを調べたSE Rankingの調査では、AIによる概要の引用元の1位がYouTubeでした(4.43%)。よく引用された上位25本の動画のうち、24本が医療系のチャンネルです(Search Engine Journal、2026年1月15日)
社名で聞く質問では、出なかった
弊社の診断で、ある中堅のコンサルティング会社の採用について調べた回では、はっきりした差が出ました。

「未経験から転職しやすいコンサル会社は?」のような、条件で探す質問8問では、AIが示した出典149件のうち16件(約11%)がYouTubeの動画でした。転職や業界を解説するチャンネルの動画です。一方で、「〇〇社に転職するメリットは?」のように社名で聞く質問では、出典29件に動画は1件もなく、転職メディアと口コミサイトだけでした。
この回の結果からは、YouTubeが効くのは、まだ会社を決めていない人が条件で探している段階だとみています。社名で調べる段階では、口コミや転職メディアのほうが読まれていました。
どんな動画が、引用されるか
再生数や登録者数は、ほぼ関係がない
Foundation Marketingの調査で、よく引用された上位150本の動画を見ると、次の特徴がありました。
- 5〜15分の動画が72%
- 42%は、登録者1万人未満のチャンネル
- 引用の多さと、再生数・登録者数の順位相関は、それぞれ−0.08と−0.07で、ほぼ関係がない
AIの引用を調べるOtterlyAIの調査でも、引用された動画のうち、ショート動画は5.7%、長尺の動画は94%でした(残りの0.3%は再生リスト・チャンネル・ライブ配信)(OtterlyAI、2026年3月2日)。

登録者の少ないチャンネルでも、質問にきちんと答える動画なら引用されます。中小企業にとっては、取り組みやすい点です。
Googleは、動画の「何分何秒」まで指定して引用する
GoogleのAIは、動画の再生位置まで指定して引用することがあります。
- 再生位置つきの割合:Foundation Marketingの調査では、Google系のAIの動画の引用の48.4%に、再生位置が付いていました。そのうち約71%は、最初の5分の中を指していました
- AIによる違い:Spyglassesの調査では、再生位置を付けて引用していたのはAIによる概要だけで(引用の44%)、ChatGPT・Gemini・Perplexityは0%でした。この調査に、AIモードは入っていません。ほかのAIが再生位置を特定できないとまでは言えない、と調査した人たちは断っています(Spyglasses Research、2026年7月13日)

AIによる概要は、動画の中で質問への答えが話されている場面を、再生位置として示している可能性があります(弊社の見方)。最初の数分で結論を話す動画のほうが、引用されやすいと考えられます。ただ、Googleは、動画の書き起こしを引用の判断にどう使っているかを公表していません。
生成AIは、YouTubeの動画をどう読んでいるのか
AIが動画をどう読んでいるかは、AIの会社によって公開されている情報の量が違います。わかっていることを整理します。
Googleは、動画そのものを読める
Googleの生成AI「Gemini」は、動画を直接読み込めます。開発者向けの説明では、YouTubeの公開動画のURLを渡すと(プレビューの機能)、映像を1秒に1コマ、音声もあわせて読み込みます。標準の読み込み方では、1秒ごとに時刻を付けて扱うと書かれています(Gemini API「Video understanding」、2026年10月13日更新)。5〜10分を超える長い動画向けには、まず書き起こしを確かめ、必要な場面の映像だけを読み込む方式も用意されています(一部のモデルのみ)。
一般の利用者向けにも、動画の中身を読んで答える機能があります。
- Geminiのアプリ:YouTubeの公開情報を使って、動画を探したり、動画の中身を要約したりできる(Geminiアプリのヘルプ)
- YouTubeの「質問する」ボタン:2025年10月から順次、ログインした利用者が対象の動画について質問すると、話の内容・画面・字幕をもとに答え、該当する再生位置を示すこともある(主にスマホのアプリ)(Geekflare)
ただし、検索のAIによる概要やAIモードが、引用するときに動画をこの仕組みで読んでいるかは、Googleは公表していません。
引用された場面は、チャプターと一致しないことが多い
Spyglassesの調査では、AIによる概要が示した再生位置のうち、説明文に書かれたチャプターの位置と5秒以内で一致したのは8.4%だけでした。調査した人たちは、Googleが、チャプターより、動画の話の中身や、重要な場面(キーモーメント)の自動検出から再生位置を決めている可能性があるとしています。ただ、書き起こしを読んでいるかは確かめられていない、とも断っています。
この8.4%は、チャプターのない動画も含めた割合です。チャプターのある動画は、再生位置つきで引用される割合がやや高かった(49%と42%)ものの、動画の長さをそろえると、差ははっきりしなかったとしています。

ChatGPTは、学習に使ったと報じられているが、引用は少ない
ChatGPTを開発するOpenAIは、YouTubeの動画を100万時間以上書き起こして、GPT-4の学習に使ったと、2024年にNew York Timesが報じています(Quartz、2024年4月)。動画の中身は、学習を通してAIの知識の一部になっている可能性があります。それでも、ChatGPTが答えの出典としてYouTubeを示すことは、いまのところ多くありません(図1)。
ここまでの内容を、動画の要素ごとにまとめます。
- 話している中身:Geminiは音声と書き起こしを読める。引用の再生位置は、話の中身に合っている可能性がある。弊社の見方:いちばん大事。質問への答えを、はっきり口で話す
- タイトル・説明文:説明文が長い動画ほど、引用が多い傾向がある(OtterlyAIの調査で相関0.31。タイトルの調査はない)。弊社の見方:質問と答えを、文字でも書く
- チャプター:引用の再生位置と一致したのは8.4%(チャプターのない動画も含む)。引用への効果は、はっきりしない。弊社の見方:見る人のためにはつけるが、決め手にはならない
- 映像:Geminiは1秒に1コマで映像を読める。弊社の見方:図や画面の操作を見せる内容は、映像でも伝わる
- 再生数・登録者数:引用の多さとほぼ関係がない(Foundation Marketingの順位相関は−0.08・−0.07、OtterlyAIの相関は−0.03)。弊社の見方:登録者が少ないチャンネルも、中身で引用される
YouTubeで名前が出る会社ほど、AIでも名前が挙がる
Ahrefsは、7万5,000のブランドを対象に、どんな要因がAIの答えでの露出と関係しているかを調べました(Ahrefs、2025年12月12日)。いちばん強く関係していたのは、YouTubeでの言及でした。動画のタイトル・書き起こし・説明文に、ブランドの名前が出てくる回数です。

ただし、これは相関で、YouTubeで言及されたからAIに挙がる、という因果は示していません。Ahrefs自身も、相関は因果ではないと書いています。有名な会社ほど、YouTubeでもAIでも名前が出る、という面もあるはずです。
自社のチャンネルに限らず、第三者の動画で名前を出してもらうことも、ここでいう言及に入ります。第三者に言及されることの価値は、サイテーションの記事にもまとめています。
注意点
- 調査の多くは、ツールを売る会社によるもの:Ahrefs・BrightEdge・Foundation Marketing・OtterlyAI・Spyglassesは、どれもAI検索の計測ツールやサービスを売っています
- 割合の分母がそろっていない:「上位50サイトの引用に占める割合」「引用全体に占める割合」「YouTubeを含む答えの割合」が混ざっています。同じAIによる概要でも、Ahrefsの別の調査では、引用されたページ全体に占めるYouTubeは5.6%でした(Ahrefs、2026年3月2日)
- 時期で大きく変わる:AIの引用元は、週ごと・月ごとに変わります。ChatGPTでのYouTubeの順位も、1か月で7つ上がっています
- 日本語の調査がない:海外の調査は、ほとんどが英語の質問です。日本語の質問での数字は、弊社の診断のような小さなデータしかありません
弊社の見解:YouTubeに力を入れるべき会社
ここまでの事実をふまえた、弊社の見解です。
1. まず、自社の分野の質問で、YouTubeが出ているかを確かめる
YouTubeが引用されるかどうかは、業種と質問の種類で大きく変わります。弊社の診断でも、医療や人材では出ていて、SaaSの比較や建材では出ていませんでした。動画をつくる前に、自社の分野の質問をGoogleのAIモードやAIによる概要で聞き、出典にYouTubeが出ているかを見るのが先です。
2. 出ている分野なら、質問に答える動画をつくる
YouTubeが出典に出ている分野なら、動画は効く可能性が高いと考えます。海外の調査からは、次のような動画が引用されやすいと読めます。
- 「〇〇のおすすめは?」「〇〇と△△の違いは?」のような、買い手の質問に答える動画
- 5〜15分の長さで、最初の5分で結論を話す
- 説明文とチャプターに、質問と答えを文字で書く
- 医療やITのように、専門家が顔を出して解説する
3. 自社のチャンネルより、第三者の動画に出ることも考える
弊社の診断で引用されていたのは、院長本人の動画のほか、第三者の番組や、業界を解説するチャンネルの動画でした。業界のチャンネルへの出演や、レビューの依頼も、選択肢になります。お金を払って出る場合は、広告であることを明示します。
4. ChatGPTの対策は、別に考える
いまのところ、YouTubeはChatGPTの答えには効きにくいと考えます。ChatGPTでの露出を上げたいなら、Web上での言及や、自社サイトの事実の情報のほうが大事です。どのAIで露出を上げたいかで、打ち手を分けます。
よくある質問
Q. ショート動画は、AIに引用されますか?
OtterlyAIの調査では、引用された動画のうちショート動画は5.7%でした。引用を狙うなら、5〜15分ほどの長尺の動画のほうが向いています。
Q. チャンネルの登録者が少なくても、引用されますか?
されます。Foundation Marketingの調査では、よく引用された上位150本の42%が、登録者1万人未満のチャンネルでした。再生数や登録者数と、引用の多さには、ほぼ関係がありませんでした。
Q. BtoBの会社でも、YouTubeは効きますか?
分野によります。B2Bソフトウェアの調査では、プロジェクト管理のツールの質問でYouTubeを引用した答えが63.2%、ABM(特定の企業を狙うマーケティング)のツールでは13.2%と、大きな差がありました。弊社の診断でも、SaaSの比較では出典にYouTubeが出ませんでした。まず自社の分野で確かめることをおすすめします。
参考:Ahrefs「The 50 Most-Cited Websites in AI Overviews」(2026年9月2日更新)/Ahrefs「The 50 Most-Cited Websites in ChatGPT」(2026年9月2日更新)/Foundation Marketing「YouTube AI Citations: What 17,780 Cited Videos Have in Common」(2026年10月23日)/BrightEdge「How Google AI Overviews and ChatGPT Use YouTube Differently」(2026年3月20日)/OtterlyAI「YouTube AI Citation Study 2026」(2026年3月2日)/Spyglasses Research「YouTube moment citations」(2026年7月13日)/Ahrefs「Top Brand Visibility Factors in ChatGPT, AI Mode, and AI Overviews」(2025年12月12日)/Search Engine Journal「Google Health AI Overviews Cite YouTube More Than Any Hospital Site」(2026年1月15日)


