
ご質問ありがとうございます。AI検索対策の解説を読むと、「構造化データを入れましょう」「FAQの構造化データが効く」と書かれていることがよくありますね。
結論から言うと、AIに引用されるためだけに、構造化データを急いで入れる必要はないと考えています。入れて悪いものではありませんが、AI検索対策の中では優先度は低めです。先にやるべきは、お客さまの質問に、ページの中身で直接答えることです。
構造化データは、「このページはよくある質問です」「この商品の価格はいくらです」といった情報を、検索エンジンが読み取りやすい決まった形で、ページの裏側に書いておくものです。
かつては、FAQの構造化データを入れると、検索結果に質問と答えがそのまま表示されることがありました。その名残もあって、「AIも構造化データを読んで引用する」と言われてきました。ただ、FAQの表示は2023年8月から、よく知られた政府や医療機関のサイトなどに限られています(Google)。
Googleは、2026年5月に公開した生成AI検索の最適化のガイドで、生成AI検索に構造化データは必須でない、特別なschema.orgのマークアップも必要ない、としています(Google 検索セントラル)。
GoogleのAIによる概要やAIモードは、Google検索のランキングの仕組みをもとに答えを作っています。構造化データを入れたから特別にAIに選ばれる、という仕組みは、Googleの説明からは読み取れません。
2026年10月に出たトロント大学のMahe Chen氏・Nick Koudas氏の研究は、この点を大きなデータで確かめています(arXiv)。ChatGPT・Gemini・Perplexityの答え約16万件を調べたものです。
サイトをまたいで比べると、FAQがあるページは、引用が18.1%多く見えました。ところが、同じサイトの中のページどうしで比べると、FAQの差はマイナス3.4%で、有意な差はありませんでした。構造化データも同じでした。

なぜこうなるのか。研究によると、FAQのような工夫は、もともと別の理由でよく引用されるサイトほど取り入れていました。よく引用されるサイトの上位4分の1では、ページの43%にFAQがありましたが、下位4分の1では23%でした。

そのため、サイトをまたいで比べると、FAQそのものが効いているように見えてしまう、ということです。研究で引用とはっきり関係していたのは、質問とページの中身が合っているかでした。くわしくはトロント大学の研究の記事にまとめています。
とはいえ、構造化データが無駄になるとは思っていません。商品の価格・在庫、イベントの日時、会社の情報などを正確に伝えたり、検索結果の表示を整えたりする目的では、引き続き役に立ちます。
なので、こう考えるのがいいと思います。
よくある質問のページそのものは、確かめに来たお客さまにもAIにも役に立ちます。大事なのは、裏側のマークアップより、表に書いてある答えの中身です。