
ご質問ありがとうございます。「E-E-A-Tのために、記事に監修者をつけたほうがいいですか」というご相談は、本当によくいただきます。
結論から言うと、監修者の名前を載せるだけで、Googleの順位が上がることはありません。ただ、健康やお金のように、間違えると読者に害が出るテーマでは、専門家に実際に中身を確かめてもらうことには意味があります。名前を載せることより、専門家が中身にどう関わっているかが大事だと考えています。
Googleで検索の窓口を務めるDanny Sullivan氏は、2024年1月に、著者の署名はGoogleのためにつけるものでも、順位を上げるものでもない、と説明しています。読者のためにつけるもので、Googleが書き手の資格を確かめるような仕組みもない、という立場です(Search Engine Roundtable)。
翌月には、こうも書いています。
だれでも、だれかを専門家だと名乗らせることはできます。それには何の意味もありません。よいのは、専門家が、人に好まれるコンテンツを書くことです。anyone could self declare someone to be an expert, and that means nothing … What would be a good thing is having an expert write content that people like— Danny Sullivan氏(Google)、2024年2月
データで見ても同じです。Cyrus Shepard氏が、順位が大きく伸びたサイトと落ちたサイト、合わせて50のサイトを比べた調査では、著者の情報があるかどうかと順位の伸びには、統計的に意味のある関係が見られませんでした。相関が見られたのは、一次情報(実体験)が書いてあるかどうかでした(Zyppy)。

さらに2026年10月、Googleは、AIで作った顔写真・架空の名前・偽の資格などで書き手のプロフィールを作り、専門家が書いたように見せることは欺瞞で、ページを信頼できないものにする、と説明に書き加えました(Google 検索セントラル)。名前だけを借りるような監修は、むしろ危ういと考えたほうがいいです。
一方で、Googleは、人の健康・お金・安全に大きく関わるテーマを「YMYL」と呼び、そうしたテーマでは信頼できるコンテンツをより重く見ると説明しています(Google 検索セントラル)。子どもの発熱、薬、住宅ローン、税金のような記事は、読者も「これは誰が確かめたのか」を気にします。
こうしたテーマでは、専門家に監修してもらう意味は十分にあります。ただ、それは順位のためというより、記事の中身を正しくするためと、読者が安心して読めるようにするためです。

意味がある監修は、たとえば次のようなものです。
反対に、記事の中身には関わっていないのに、名前と写真だけを載せている監修は、読者にとっても意味がありません。
もうひとつ大事なのは、どの記事にも監修者が要るとは限らない、という点です。
たとえば「実際に使ってみた感想」や「転職してみてどうだったか」のような記事で、読者が聞きたいのは、専門家の一般論より、実際に体験した人の話です。こうした記事に専門家の監修をつけても、読者が求めているものには近づきません。それより、書き手が実際に何をして、どう感じたのかを、具体的に書くほうが大事です。
E-E-A-Tのどこが重く求められるかは、テーマによって変わります。くわしくはE-E-A-Tの記事にまとめています。
監修者をつけるかどうかは、「Googleのため」で決めるより、そのテーマで、読者が誰の確認を求めているかで決めるのがいいと思います。