
ご質問ありがとうございます。口コミサイトに、事実と違う投稿や否定的な投稿があると、気になりますよね。
結論から言うと、口コミは、AIの答えに影響します。とくに、会社が公式の答えを出していない項目ほど、口コミがそのままAIの説明になりやすいと考えています。対応の基本は、公式の情報を数字で先に出すことです。そのうえで、法的に問題のある投稿には、内容に応じて異議を申し立てることもできます。
弊社が2026年10月に、あるコンサルティング会社(A社)の採用について、AIにどう説明されているかを調べた例をご紹介します(社名は伏せています)。
「A社に転職するメリットとデメリットは?」のように、社名を出して聞いた質問で、GoogleのAIモードとGeminiが示した出典は29件でした。そのうち、転職・採用メディアが62%、口コミ・Q&Aが31%で、A社の公式サイトは1件もありませんでした。

候補者が社名でAIに聞いたとき、AIは、会社のサイトより先に、転職メディアと口コミを読んで答えをまとめていたことになります。
では、AIはA社をどう説明していたのか。働き方と若手の裁量は、「残業が少ない」「若手でも裁量がある」と、A社が伝えたいとおりに説明されていました。
一方で、研修は「まだ発展途上」と説明されていました。A社には、実際には新卒向けに、期間を定めた研修の仕組みがあります。年収は「大手より低い」と説明されていましたが、A社は職位ごとの年収を公開していないため、候補者には確かめようがありません。

否定的な説明が出た研修と年収は、採用サイトに数字が文字で書かれていない項目とほぼ重なっていました。公式の答えがない項目では、口コミや転職メディアの情報が、そのままAIの説明のもとになったとみています。
否定的な口コミへの対応として、私がおすすめしているのは次の3つです。
都合の悪い点も、事実であれば認めて、理由や改善の取り組みを書いておくほうが信頼されます。口コミと公式の説明が食い違っているとき、候補者は、根拠のあるほうを確かめに行くはずです。
口コミは、基本的に会社がコントロールできるものではありません。書かれている内容の多くは、働いていた人が感じた社内の事情です。否定的な口コミが続くなら、まず社内で何が起きているかを確かめることが、いちばんの対策になると考えています。
そのうえで、投稿の内容によっては、会社から働きかけられることもあります。ケースバイケースですが、目安は次のとおりです。
| 投稿の内容 | 対応の目安 |
|---|---|
| 意見や感想(「成長できない」「雰囲気が合わない」など) | 削除は求めない。公式のFAQや採用サイトで、事実と数字を示して答える |
| 事実の誤り(制度の有無・在籍の条件など) | 口コミサイトの運営会社に、根拠を添えて訂正や削除を申し立てる |
| 法的に問題のある投稿(名誉毀損・個人が特定される内容など) | 運営会社に削除を申し立てる。必要に応じて弁護士に相談し、法的な手続きも検討する |
一方で、謝礼をつけて社員に口コミを書いてもらうのは、おすすめしません。商品やサービスでは、広告であることを隠した宣伝は、2023年10月から景品表示法で規制されています(消費者庁)。採用でも、同じ基準で考えておくと安心です。
口コミを減らすことより、AIが根拠に使える公式の情報を増やすことのほうが、AIの答えを変える近道だと考えています。
くわしい進め方は、採用ブランディングとAI検索の記事にまとめています。AIの答えの誤りを直す全般の手順は、AIに自社のことを間違って説明されているときのQ&Aでお答えしています。