- GoogleのAIによる概要の引用100件を調べたCXLの調査では、引用された文の55%がページの文章の最初の30%にあった。AIモードの引用されたURL 2,318件を調べたSALT.agencyの調査では、最初に光った文の多くが、ページを開いて最初に見える範囲より下にあった
- 2つの調査は、測り方(文章の何%の位置か、ページの上端から何ピクセルか)・調べたAI・件数が違い、結果は両立しうる。SALT.agencyは、見出しとそのすぐあとの最初の一文が光る傾向を報告し、CXLは答えを冒頭に置く書き方を勧めている
- Googleのサリバン氏は、AI向けに文章を細切れにしないでほしいと話している。弊社は、AIのための工夫に寄せすぎるより、人が読みやすい見出しと段落で書き、見出しの直後に答えを置けば十分と考える
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。ChatGPTがページを見つける仕組み、AIがページの中身を読めるかに続いて、今回は、AIがページの中のどこを切り取って引用しているのかを取り上げます。
AIの答えは、ページ全体を引用するとは限りません。ページの中の一部分を指して、引用することがあります。では、ページのどこが選ばれやすいのか。海外ではいくつか調査が出ていますが、結果は一見、食い違っています。この記事では、2つの調査と、Googleと専門家の議論を読み比べ、書き方で何を気にすればよいかを整理します。内容は2026年10月末時点のものです。
先に、ポイントを3つにまとめておきます。
- GoogleのAIによる概要の引用100件を調べたCXLの調査では、引用された文の55%がページの文章の最初の30%にあった。AIモードの引用されたURL 2,318件を調べたSALT.agencyの調査では、最初に光った文の多くが、ページを開いて最初に見える範囲より下にあった
- 2つの調査は、測り方(文章の何%の位置か、ページの上端から何ピクセルか)・調べたAI・件数が違い、結果は両立しうる。SALT.agencyは、見出しとそのすぐあとの最初の一文が光る傾向を報告し、CXLは答えを冒頭に置く書き方を勧めている
- Googleのサリバン氏は、AI向けに文章を細切れにしないでほしいと話している。弊社は、AIのための工夫に寄せすぎるより、人が読みやすい見出しと段落で書き、見出しの直後に答えを置けば十分と考える
目次
AIは、ページの中の一部分を指して引用することがある
Googleは、2020年10月、ページ全体の関連性に加えて、ページの中の特定の箇所(パッセージ)の関連性も理解し、検索結果の順位づけに使えるようになったと発表しました。世界に広げると、すべての言語で検索の7%がよくなるとしていました(Google「How AI is powering a more helpful Google」、2020年10月15日)。これは通常の検索結果の話で、AIの答えの引用元の選び方を、Googleはこの発表と結びつけて説明していません。
AIの答えでも、ページの中の一部分を指す引用が見られます。GoogleのAIモードの引用のリンクには、URLの末尾に「#:~:text=」で始まる指定(テキストフラグメント)が付くものがあります。対応するブラウザで開くと、指定された文の位置までページが送られ、その文が強調されます(MDN「テキストフラグメント」)。強調されるのは、Googleがリンク先として指した部分です。AIの答えの文が、そのまま載っているとは限りません。

「ページの上のほうが引用されやすい」という調査
マーケティングの教育サイトCXLは、GoogleのAIによる概要が引用した100件について、引用された文が、ページの文章のどのあたりにあったかを調べました(CXL、2026年3月6日、9月17日更新)。

- 最初の30%:55件
- 30〜60%:24件
- 最後の40%:21件
CXLは、ケヴィン・インディグ氏の分析も紹介しています。ChatGPTの引用1万8,012件のうち、44.2%が文書の最初の30%から来ていたというものです。
ただ、CXLは、引用された部分の見つけ方や、ページの選び方を公表していません。調査は100件と少なく、CXL自身も、見えたのは傾向で、位置が引用の決め手になるとまでは言えないとしています。
最初に見える範囲より下でも引用される、という調査
一方、英国のSEOの会社SALT.agencyは、AIモードが引用した2,318件のURLについて、最初に光った文字が、ページの上端から何ピクセルの位置にあったかを測りました(パソコンのChrome、1920×1080の画面)(SALT.agency、2025年12月30日)。調べたのは、旅行・ネット通販・SaaSの3つの分野です。

| 分野 | 引用された文の位置(中央値) | 最初に見える範囲(800px)にあった割合 |
|---|---|---|
| 旅行 | 1,200px | 約3分の1 |
| ネット通販 | 2,100px | 約4分の1 |
| SaaS | 2,500px | 約10分の1 |
6万ピクセルに達する深さの文が光った例もありました。SALT.agencyは、光った文の深さと、AIモードの引用のあいだに関係は見られなかったとし、ページの型やテンプレートも影響していなかったとまとめています。ただ、調べたのは引用された文の位置だけで、引用されなかった文との比較や、統計の検定は示されていません。SALT.agency自身も、ページの作りの一面と、ひとつのAIしか調べていないと断っています。
2つの調査は、食い違っているのか
2つの調査は、結論が逆に見えます。ただ、条件がかなり違います。
| CXL | SALT.agency | |
|---|---|---|
| 調べたAI | AIによる概要 | AIモード |
| 件数 | 引用100件 | 引用されたURL 2,318件 |
| 分野・ページの選び方 | 公表なし | 旅行・ネット通販・SaaS |
| 位置の測り方 | 文章の長さの何%の位置か | ページの上端から、最初に光った文字まで何ピクセルか |
| 引用されなかった部分との比較 | なし | なし |
ピクセルで測ると、ページの上の大きな画像や目次の分だけ、本文の文は下にずれます。SALT.agencyも、ページの作りによって位置は大きく変わると書いています。ピクセルで2,500pxの深さでも、長いページなら、文章の最初の30%に入ることがあります。SALT.agencyの結果は、最初に見える範囲に入っていなくても引用されることを示していて、CXLの結果と両立しえます。

考え方としては、文章の何%かで測るCXLのやり方が「文章の最初のほうか」を見るのに向いています。ただ、CXLは位置の数え方を公表していません。弊社は、どちらの結果も、まだ決め手になるものではないと考えています。
そのうえで、2つの調査から、書き方について近い示唆が読み取れます。
- 見出しのすぐあとの最初の文:SALT.agencyは、AIモードが、説明的な見出しと、その直後の最初の一文を光らせる傾向があったと報告しています
- 答えを先に書く:CXLは、答えを冒頭に置き、そのあとに補足を書く形を勧めています
位置そのものより、見出しの直後に答えがあるかに気を配るほうが、2つの調査のどちらとも矛盾しません。
AI向けに、文章を細切れにするべきか
AIに引用されやすいように、文章を短いかたまりに区切って書くべきだ、という主張があります。これには、Googleと専門家のあいだで意見が分かれています。
- Googleの見方:Googleのダニー・サリバン氏は、2026年1月、ジョン・ミューラー氏とのポッドキャスト「Search Off the Record」で、AI向けに文章を細切れにするのはやめてほしいと話しました。Ars Technicaは、Googleはそうした書き方を順位の手がかりに使っていない、とサリバン氏が説明したと伝えています(Ars Technica、TagTeam経由、2026年1月10日)
- 専門家の反論:米国のSEOの会社iPullRankのマイク・キング氏は、AIの検索は、ページを段落などのかたまりに分けて、質問に近いかたまりを探す仕組みで動いていると指摘しました。そのうえで、人のための構成と、AIに探しやすい構成は両立するとして、Googleの発言に反論しました(iPullRank、2026年1月15日)。ただ、示したデータは、自社の道具でひとつの段落を試した例です
- Googleの公式の案内:Googleが公開している、マーケティング担当者向けのAI検索のガイド(発行日の記載なし)では、長い文章は段落と見出しで区切り、読む人が迷わないようにすることを勧めています。目的は、読む人のためとしています(Google「2026 SEO in AI Search Guide for Marketers」)
両者は、人のための構成とAIに探しやすい構成が両立する、という点では近い立場です。ただ、キング氏は記事の題名でGoogleの発言を「誤った情報」と呼び、検索で拾われやすいように、かたまりの区切り方を工夫することを、対策のひとつとして認めています。どこまで工夫するかで、両者の意見は分かれたままです。弊社は、AIのための技術的な工夫に寄せすぎるより、人が読みやすい構成を先に考える立場です。
弊社の見解
1. 見出しのあとに、まず答えを書く
見出しの直後の最初の一文で、その見出しの問いに答える書き方は、読む人にとってわかりやすい形です。SALT.agencyの調査で見られた傾向とも、CXLの勧めとも、Googleの案内とも食い違いません。AIのための書き方というより、読みやすい記事を書けば自然にそうなる、と考えています。
2. 結論を最初に置くかは、読む人にとってどうかで決める
結論を最初に置くと引用されやすい、と言い切れる根拠は、いまのところありません。調査でも分かれています。それでも、調べものに答える記事なら、最初の数行で要点がつかめるほうが読みやすいので、結果として結論が最初のほうに来ることが多くなります。
私も、この記事を含め、弊社の記事の冒頭に「ポイントを3つ」まとめるようにしています。AIに引用されるためというより、忙しい読者が要点を先につかめるほうがよいと考えているからです。反対に、体験談や物語のように、順を追って読んでもらうほうがよい記事もあります。AIのための工夫に寄せすぎるより、読む人にとってそうあったほうがよい記事が、そうなっていればよいと考えます。
3. AIのためだけに、文章を細切れにしない
ひとつの段落にひとつの話題、という普通の書き方で十分です。短い文の羅列にすると、人には読みにくくなります。Googleも、AIのためだけの細切れの書き方を勧めていません。
4. ページの上に、大きな画像や長い前置きを置きすぎない
SALT.agencyの調査では、位置と引用の関係は見られなかったとされています。ただ、読む人が答えにたどり着くまでの距離は短いほうがよいと考えます。
5. 引用されることより、推薦されるかを見る
ここまで、ページのどこが引用されるかを見てきました。ただ、弊社は、引用されればなんでもよいとは考えていません。大事なのは、AIの答えの中で、自社が比較やおすすめの候補として挙がり、強みが正しく伝わっているか、推薦されているかです。出典の一覧にリンクが並んでいても、答えの本文で競合だけがすすめられていれば、意味は小さくなります。

AIは、裏付けのページがなくても、知っているブランドの名前を挙げることがあります(トロント大学の研究の記事)。引用される一文に、料金・実績・対応範囲など、選ぶ理由になる事実が入っているかも、あわせて見ておきたいところです。
自社のページで確かめる方法
- AIの答えのリンクを開く:自社が引用されているAIモードの答えから、リンクを開く。リンクのURLに「#:~:text=」が付いているか、強調された文がページのどこにあるか、見出しのすぐあとかを見る
- 主なページの見出しを読む:見出しだけを上から読んで、その直後の一文が、見出しの問いに答えているかを見る
- 冒頭で結論を言えているかを見る:ページの最初の数段落だけで、そのページの答えがわかるかを確かめる
BingのWebマスターツールには、Microsoft Copilotなどで、自社のどのページが何回引用されたかを見るレポートがあります(Bing Webmaster Blog、2026年2月10日)。ページの中のどの文かまでは出ないので、Googleの引用の位置は、AIモードのリンクを開いて確かめます。
よくある質問
Q. よくある質問(FAQ)の形にすると、引用されやすくなりますか?
CXLの調査では、ページの下のほうから引用された例の中に、よくある質問の部分がいくつかありました。一方、SALT.agencyの調査では、よくある質問からの引用は1.08%で、その多くは同じサイトでした。よくある質問の形が特に有利という根拠は、いまのところ見当たりません。質問と答えがはっきりしている、という点が効いているのかもしれません。
Q. 長い記事は、不利になりますか?
CXLの調査では、引用の多くが最初の30%に集まっていました。長い記事でも、大事な答えが最初のほうにあれば、不利とは言えないと考えます。反対に、答えが記事の最後にしかない場合は、最初のほうにも要約を置いておくのが安全です。
参考:CXL「Where Google AI Overviews Cite From: A 100-Page Study」(2026年3月6日、9月17日更新)/MDN「Text fragments」/Bing Webmaster Blog「Introducing AI Performance in Bing Webmaster Tools」(2026年2月10日)/SALT.agency「Research: Does Structuring Your Content Improve the Chances of AI Mode Surfacing?」(2025年12月30日)/Google「How AI is powering a more helpful Google」(2020年10月15日)/Ars Technica「Google: Don't make "bite-sized" content for LLMs if you care about search rank」(2026年1月10日、TagTeam経由)/Mike King「Moving from a Google-shaped Web to an Agent-shaped Web」(iPullRank、2026年1月15日)/Google「Navigating the Future of Search」(マーケティング担当者向けのガイド)


