- 2026年10月のグレン・ゲイブ氏の検証では、JavaScriptで表示する3つのページのうち、Geminiは3つ、Copilotは2つの中身を読めた。ChatGPT・Claude・Perplexityは1つも読めなかった
- 2026年6月の別の検証では、Geminiを含む米国の主な7つのAIが、URLを渡されたその場で、JavaScriptで書き込んだ番号を答えられなかった。Googleの検索にすでに入っているページかどうかで、結果が分かれている可能性がある(弊社の見立て)
- 大事な中身は、JavaScriptを切っても見えるHTMLに書いておく。JavaScriptを切ってページを見る、ページのソースに大事な文があるかを見る、の2つで確かめられる
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。AI検索対策では、記事の中身や比較サイトへの掲載が話題になりがちです。ただ、その前に、AIがページの中身をそもそも読めているかという問題があります。
海外SEO情報ブログの鈴木謙一さんが、10月20日に「AI検索はJavaScriptを読めるのか? GeminiとCopilotが好成績」という記事で、米国のSEOコンサルタント、グレン・ゲイブ氏の検証を紹介していました。海外の検証をいち早く、ていねいに日本語で伝えてくださる鈴木さんの記事には、私もいつも助けられています。
この記事では、鈴木さんが紹介していたゲイブ氏の検証と、6月に出た別の検証をあわせて読み、結果が分かれた理由と、自社のサイトでの確かめ方を整理します。
内容は2026年10月末時点のものです。AIの会社は、ページの読み方を公表しないまま変えることがあるので、新しい検証が出たら更新します。
先に、ポイントを3つにまとめておきます。
- 2026年10月のゲイブ氏の検証では、JavaScriptで表示する3つのページのうち、Geminiは3つ、Copilotは2つの中身を読めた。ChatGPT・Claude・Perplexityは1つも読めなかった
- 2026年6月の別の検証では、Geminiを含む米国の主な7つのAIが、URLを渡されたその場で、JavaScriptで書き込んだ番号を答えられなかった。Googleの検索にすでに入っているページかどうかで、結果が分かれている可能性がある(弊社の見立て)
- 大事な中身は、JavaScriptを切っても見えるHTMLに書いておく。JavaScriptを切ってページを見る、ページのソースに大事な文があるかを見る、の2つで確かめられる
目次
そもそも、JavaScriptで表示するページとは
Webページには、大きく分けて2つの作り方があります。
- サーバーでHTMLをつくって送るページ:ページを開いた時点で、本文がHTMLに入っている。WordPressで作った一般的なサイトや、あらかじめHTMLを書き出しておく静的なサイトがこちら
- ブラウザでJavaScriptを動かして中身を出すページ:最初に届くHTMLは、ほぼ空。ブラウザがJavaScriptを動かして、本文や料金表を後から書き込む。React・Vueなどで作ったサイトの一部が、こちらの作り方をしている
人がブラウザで見ると、どちらも同じように見えます。違いが出るのは、JavaScriptを動かさないプログラムがページを読みにくるときです。JavaScriptを動かさなければ、後者のページは中身のないHTMLに見えます。
GoogleはJavaScriptを動かしてページを読めることを公表しています(Google検索セントラル「JavaScript SEOの基本」)。問題になっているのは、AIの会社のクローラーや、チャットでURLを渡されたときにページを取りに行くプログラムがどうか、です。
434日ぶりの再検証で、GeminiとCopilotだけが読めた
ゲイブ氏は、2025年8月に、ChatGPT・Perplexity・Claudeが、JavaScriptで表示するページの中身を読めないことを確かめていました(GSQi、2025年8月11日)。2026年10月19日に、434日ぶりに、ほぼ同じ方法で確かめ直しています(試したAIは3つから5つに増えています)(GSQi)。
やり方は、JavaScriptで中身を出すページのURLをAIに渡し、ページを読めるか、本文の最初と最後の段落は何かを聞く、というものです。ページは3種類でした。
- ページ1:本文をすべてJavaScriptで表示する
- ページ2:ヘッダーとフッターはHTML、本文だけをJavaScriptで表示する
- ページ3:WebGLを使った、動きの多い演出のサイト
| AI | ページ1 | ページ2 | ページ3 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 読めない | 読めない | 読めない |
| Claude | 読めない | 読めない | 読めない |
| Perplexity | 読めない | 読めない | 読めない |
| Gemini | 読めた | 読めた | 読めた |
| Copilot | 読めた | 読めた | 読めない |

読めなかったAIは、ナビゲーション・フッター・Cookieの同意の文言・エラーの文など、HTMLに最初から入っている部分だけを返していました。ゲイブ氏は、1年以上たっても、多くのAI検索はJavaScriptで表示する中身を読めないとまとめています。
GeminiとCopilotが読めた理由について、ゲイブ氏は、GoogleとBingの検索の仕組みを使っているためと見ています。鈴木さんは、GoogleのAIが、Googlebotの取得したページのJavaScriptを動かして組み立てる仕組み(WRS:Web Rendering Service)を、検索と共有していることを、Googleの動画をもとに補足しています。
鈴木さんは、限られたページでの検証なので、これだけですべてのAIや取得方法の能力を言い切ることはできないという注意も添えています。
別の検証では、Geminiも読めなかった
鈴木さんが注意を添えていたとおり、検証の条件が変わると、結果も変わります。6月には、別の方法での検証が出ています。Search Engine Worldのアンドレ・アルパー氏は、12のAIに、それぞれ専用のURLを渡して確かめました(Search Engine World、2026年6月9日、7月2日更新)。
- ページのHTMLには、にせの番号を書いておく
- 本当の番号は、JavaScriptが別の場所から取ってきて書き込む
- AIに「このページを要約して、番号を答えて」と頼む
- サーバーの記録(ログ)で、どのAIがページとJavaScriptを取りに来たかを確かめる
本当の番号を答えられるのは、JavaScriptを実際に動かしたAIだけです。

結果は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexity・Meta AI・Copilot・Grokの7つが、にせの番号を答えました。CopilotはJavaScriptのファイルを取りに来たものの、実行していませんでした。Grokは、JavaScriptを動かした形跡があったのに、答えにはHTMLの番号を使っていました。本当の番号を答えたのは、中国のDeepSeek・ERNIE・Qwen・Kimiと、欧州のMistralでした。
この検証では、Perplexityが「ページにアクセスできなかった」と答えたのに、ログにはアクセスが残っていました。AIの答えと、実際の動きが違うことがあります。
2つの検証で、Geminiの結果が違う理由
ゲイブ氏の検証ではGeminiが読め、アルパー氏の検証では読めませんでした。両者の公開している情報からは、次の違いがあります。
- ゲイブ氏:JavaScriptを使う複数のサイトで確かめた(サイト名は非公開)。AIの答えの中身で判断した
- アルパー氏:検証のためにつくった、どこからもリンクされていないURLで確かめた。サーバーのログでも確かめた
弊社の見立てでは、Googleの検索にすでに入っているページなら、Geminiは、Googleが検索のためにJavaScriptを動かして読んだ中身を使えると考えられます。反対に、検索に入っていない新しいページを、その場で取りに行くときは、HTMLだけを読んでいるのかもしれません。アルパー氏も、URLを渡されたその場での取得だけを検証し、裏で動くクローラーは調べていないと断っています。Googleは、質問のその場で、Google検索のインデックスの中身をモデルに渡す仕組み(グラウンディング)があることを公表しています(Google「Googleの一般的なクローラー」のGoogle-Extendedの説明)。ただ、インデックスに入っていないURLを渡されたときに、Geminiがどう取得するかは公表していません。また、2つの検証は、聞き方・時期・判定の方法も違うので、理由を1つに絞ることはできません。

なお、AIがブラウザを実際に操作する機能(エージェントの機能など)は、JavaScriptを動かすので、ここでの話とは別です。
GoogleのAIによる概要とAIモードについては、Googleは、インデックスに登録され、スニペットつきで表示できることが条件で、それ以上の技術的な条件はないとしています(Google検索セントラル「AI機能とウェブサイト」)。検索の仕組みの上で動くので、弊社の見立てでは、JavaScriptの扱いも検索と同じと考えられます。
ChatGPT・Claudeのクローラーは、JavaScriptを取りに来ても動かしていなかった(2024年の調査)
AIの会社のクローラーの動きは、2024年12月にVercelが公開した調査でも確かめられています。ここでいうクローラーは、学習や検索のためにページを集めるもので、利用者の操作でその場でページを取りに行くプログラムとは別のものです(Vercel「The rise of the AI crawler」、2024年12月17日)。
- OpenAI(ChatGPT)とAnthropic(Claude)のクローラーは、JavaScriptのファイルを取りに来ることはある。取得の11.5%と23.8%がJavaScriptのファイルだった
- ただし、どちらもJavaScriptを実行していなかった。Meta・ByteDance・Perplexityのクローラーも、JavaScriptを実行していなかった
- GeminiはGoogleのクローラー(Googlebot)の仕組みを使い、JavaScriptを実行していた。Appleのクローラーも実行していた
Anthropicは、開発者向けのClaudeのAPIの「Web fetch」ツールについて、JavaScriptで表示するサイトに対応していないことを明記しています(Claude Platform Docs「Web fetch tool」)。
自社のサイトで確かめる方法
自社のサイトが読まれているかは、次の順で確かめられます。
- JavaScriptを切って、ページを見る:ChromeのデベロッパーツールなどでJavaScriptを無効にして、主なページを開く。本文・料金表・よくある質問が消えたら、AIにも見えていない可能性が高い
- ページのソースを見る:ブラウザで「ページのソースを表示」を開き、大事な一文を検索する。見つからなければ、その文は後からJavaScriptで書き込まれている。見つかっても、`<script>`の中のデータとしてだけ入っている場合は、本文としては読まれない可能性がある
- AIに聞いてみる:ChatGPT・ClaudeにURLを渡し、本文の最初と最後の段落を答えてもらう。ゲイブ氏の方法です。ただ、AIの答えは実際の動きと違うことがあるので、1と2の結果を優先する
- サーバーのログを見る:AIの会社のクローラーが、どのページを取りに来ているかを確かめる。クローラーの名前は偽れるので、各社が公開しているIPアドレスの範囲と照らし合わせる。社内に担当がいなければ、サイトの制作会社に頼む
- AIのクローラーに、ちゃんと中身が返っているかを見る:CDNやファイアウォールが、AIのクローラーにだけ確認画面やエラーを返している場合がある。ブラウザで見えていても安心できないので、制作会社に確かめてもらう
ゲイブ氏は2025年8月の記事で、JavaScriptを切ってページを見ることと、結果を開発の担当に共有することを勧めています。
読めていなかったときの直し方
直し方は、大事な中身を、最初に届くHTMLに入れることです。
- サーバーでHTMLをつくる形にする:ゲイブ氏(2025年8月の記事)も鈴木さんも、サーバー側でページを組み立てる形(SSR)を勧めています。アルパー氏・Vercel・Googleも、サーバー側でつくる形を勧めています。鈴木さんは、表示が速くなるので、AIに加えて見る人にとっても利点があると書いています
- 全部を作り直せないなら、大事なページから:サービスの説明・料金・よくある質問・会社の情報など、AIに聞かれやすいページから直す
- 動きや演出は、JavaScriptのまま残してよい:Vercelも、本文・タイトルなどの大事な中身をサーバーでつくり、それ以外の機能はJavaScriptで動かす形を勧めています
私も、弊社のコーポレートサイトを作り直したときは、記事・ページを、公開する前にすべてHTMLに書き出す形にしました(作り方はこちらの記事)。どのAIに読まれても、中身が同じように届く形です。WordPressのサイトを静的なサイトに移す選択肢は、WordPressの脆弱性の記事でも紹介しています。
弊社の見解
1. 検索で読まれていても、AIに読まれているとは限らない
Googleの検索で上位に出ているページでも、ChatGPT・Claudeには中身が見えていないことがあります。検索の順位だけを見ていると、この問題には気づけません。AI検索診断で、自社のページが出典に一度も出てこないときは、ページの作り方も疑ってみる必要があります。
2. Geminiだけで確かめて、安心しない
ゲイブ氏の検証のように、Geminiでは読めても、ほかのAIでは読めないことがあります。アルパー氏の検証の結果から、新しく公開したページは、Geminiでも読めない可能性があると見ています。確かめるときは、ChatGPT・Claudeでも見ておくのが安全です。
3. 大事な事実は、HTMLの上のほうに書く
アルパー氏は、大事な事実をHTMLの上のほうに置くことも勧めています。料金・対応地域・実績の数字など、AIに答えてほしい事実は、ページを開いた時点で文字として入っている状態にしておくのが確実です。
4. 検証は、これからも変わる
AIの会社は、ページの読み方を公表しないまま変えることがあります。ゲイブ氏も、今後も検証を続けるとしています。弊社も、新しい検証が出たら、この記事を更新します。
ページが読めることは、出発点です。弊社が大事にしているのは、その先で、AIの答えの中で自社が比較やおすすめの候補として挙がり、強みが正しく伝わっているか、推薦されているかです。引用されるだけで終わらず、選ばれる理由が伝わっているかまで、AI検索診断で確かめています。
よくある質問
Q. WordPressのサイトなら、心配いりませんか?
WordPressは、一般的な作り方なら、サーバーでHTMLをつくって送ります。ただ、画面だけを別の仕組みで作る構成(ヘッドレス)は、この限りではありません。また、テーマやプラグインによっては、表・「もっと見る」・下まで読むと続きが出る一覧などを、後からJavaScriptで読み込むことがあります。主なページは、JavaScriptを切って確かめておくのが安全です。
Q. GoogleのAIによる概要やAIモードには、影響がありますか?
Googleは、インデックスに登録され、スニペットつきで表示できれば、AIの機能に出るための追加の条件はないとしています。GoogleはJavaScriptを動かしてページを読めるので、ChatGPTなどより影響は小さいと考えます。ただ、Googleでも、クリックやスクロールをして初めて出る中身や、読み込みを止められたファイルの中身は、読まれないことがあります(Google検索セントラル「JavaScript SEOの基本」)。影響が大きいのは、ChatGPT・Claude・Perplexityです。
Q. AIの会社のプログラムを、robots.txtで止めていないかも確かめるべきですか?
はい。2025年8月のゲイブ氏の検証のサイトは、robots.txtなどでAIのプログラムを止めていませんでした。それでも読めなかったのが、今回の要点です。止めている場合は、そもそも読まれません。robots.txtと、CDN・サーバーの設定の両方を確かめてください。
参考:鈴木謙一「AI検索はJavaScriptを読めるのか? GeminiとCopilotが好成績」(海外SEO情報ブログ、2026年10月20日)/Glenn Gabe「434 Days Later – Are AI Search Platforms Like ChatGPT and Claude Still Unable To Render JavaScript In October 2026?」(GSQi、2026年10月19日)/Glenn Gabe「AI Search and JavaScript Rendering」(GSQi、2025年8月11日)/Andre Alpar「Do AI Assistants Actually Render Your JavaScript when Grounding? We Put It to the Test.」(Search Engine World、2026年6月9日)/Vercel「The rise of the AI crawler」(2024年12月17日)/Claude Platform Docs「Web fetch tool」/Google検索セントラル「AI機能とウェブサイト」/Google「Googleの一般的なクローラー」/Google検索セントラル「JavaScript SEOの基本」


