新しい仕事を任され、これまで以上に「文章を書く」ことになり、漠然と不安を感じてはいないでしょうか。
また、実際に書いてみて、なかなかうまくいかない、と感じることはないでしょうか。
筆者は、ライティングや成果目標があるページ制作を中心に、10年以上、さまざまな媒体での制作に関わってきました。
そんななかで培ってきた、文章力を磨く練習方法をお伝えします。
・社内、社外ブログの管理を任された方
・メールマガジンやダイレクトメールを担当することになった方
・ページの成果をもっと上げたい方
上記のような方に、特におすすめです。
簡単に、今すぐにできるうえ、効果があると感じている手法を中心にご紹介していきます。
目次
技巧が優れた文章にしなくていい
まず、前提として覚えておきたい心得がこちら。
『技巧が優れた文章にしなくていい』ということです。
多くの人の目に触れる文章を書く際、必要以上に気負ってしまう方がいます。
数百人、数千人規模に配信するメールマガジンである。
PV換算で、ひと月に何千人、何万人ものユーザーが目にする。
ページへの導線が、かなりの費用をかけてプロモーションされる。
そう思うと、「美しく、優れた文章を書かなければ」と感じてしまうかもしれません。
ですが、セールスライティングの世界では、そのように文章的な技巧を凝らす必要はありません。
・伝わること
・わかりやすいこと
・間違いがないこと
まずは、これらを優先しましょう。
漢字、ひらがな、カタカナを意識的に使い分けるクセをつける
どの文字を漢字にするか、どの文字をひらがなにするか、という概念を「閉じひらき(閉じ=漢字にすること、ひらき=ひらがなにすること)」と呼びます。
閉じひらきを意識することに加えて随所にカタカナを入れることで、より読みやすい文章になります。
閉じひらきの使い分け方
一文に対して、だいたい「ひらがな7~8割:漢字2~3割」のバランスが読みやすい、とされています。また、連続で漢字が6文字並ぶと、誤読しやすくなるとも聞きます。
PCやスマホで文章を書くと、簡単に漢字変換できてしまうため、つい漢字を多用しがちです。ですが、常用外漢字や難読漢字、熟字訓などは、ひらがなのほうが読みやすいことが多いのです。
×:無闇矢鱈と漢字に為るのは、其れは君、遣り過ぎと謂う物だよ。
〇:むやみやたらと漢字にするのは、それは君、やりすぎというものだよ。
判断基準として、
「手書きの文章だったら、この漢字を書いていたか」
と、考えることをオススメします。
思い出すのが難しい漢字は、ひらがなにしておきましょう。
カタカナの使い方
閉じひらきを意識すると、ときには、ひらがなが並びすぎてしまうこともあります。
そうなると、幼稚な印象を与えてしまうばかりか、文字ごとに区切りが分かりにくくなり、読みにくさが生まれてしまいます。
それを防ぐために、カタカナも使ってみましょう。
外来語や横文字など、カタカナで示すことが適当である語に加えて、漢字でもひらがなでも読みにくくなりがちな語をカタカナにしてみましょう。
君 | キミ |
恰好良い | カッコいい |
(話の)落ち | オチ |
訳 | ワケ |
お勧め/お薦め | オススメ |
〇:むやみやたらと漢字にするのは、それは君、やりすぎというものだよ。
◎:むやみやたらと漢字にするのは、それはキミ、やりすぎというものだよ。
ジャーゴンを使わないようにする
「ジャーゴン」とは、一種の業界用語や、仲間内だけで通じるスラングのようなものです。
「ジャーゴンは使わない」と言われて、何のことかすぐに理解できたでしょうか?「ジャーゴン=業界用語」と知らなかったならば、意味がわからなかったはずです。
自分が知らない言葉が出てきたとき、ユーザーは「読みにくさ」を感じます。言葉の意味を調べながら読んでくれるような、熱心なファンは存在しません。場合によっては、そこで読むことを止め、離脱してしまうこともあり得ます。
業界用語や専門用語はユーザーに不要なストレスを与えるため、なるべく避けましょう。
「ジャーゴンは使わない」という一文のなかに、教訓と実例が両方とも含まれているので、ぜひこのフレーズを覚えておいてください。
慣れてしまった業界用語には、自分では気づきにくいものです。普段から自分の言葉遣いを「一般的な言葉に変換する」という練習を続けるといいでしょう。
3つの視点で読み直しと修正をする
今回、一番オススメしたい手法がこちら。
書いた文章は、必ず読み直しを行いましょう。必要であれば、修正も行います。最低でも1回、できれば3回読み直すと効果的です。
でき上がったブログやメールマガジンに対して実践してみましょう。
またこの手法は、いつでも、簡単に練習できます。
毎日のチャット会話でもいいですし、メールでもかまいません。書いた文章に対して「読み直す練習」を続けていけば、各段に文章力が上がります。
いきなり3回読み直すのが難しいなら、まずは1回だけでも読み直しをしてみてください。
1回目の読み直し:編集者の目線
ライターが、執筆することで「文章を増やす」ことが仕事なら、編集者は「文章を削る」ことが仕事である、ともいわれます。
この文章は必要か? 読みにくくないか? 表現が詩的すぎないか? もっと伝わりやすい書き方はないか?
1回目は、そのような「編集者の目線」で文章を読み直しましょう。
気になった点を修正したり、削ってみたりすることで、全体的にまとまった文章になります。
2回目の読み直し:校正・校閲の目線
校正・校閲とは、でき上がった文章に対して、事実検証を行ったり、言葉の使い方が間違っていないかを調べたりする工程のことです。
ですが今回は、ただ単純に「誤字脱字や間違った表現はないか」という目線をもつことを指しています。
誤字脱字は読む際の「ひっかかり」になり、ユーザーが記事を読む際に少なからず悪影響を与えます。
また単純に、文章中に間違いがあると、そのサービスや商品までもが信用できなくなってくるものです。
常に間違いをゼロにしつづけることは難しいですが、いくつも間違いがあって読みにくい、という状態を防ぐことは可能です。
そのために、校正・校閲の目線で読み直しをしてみましょう。
3回目の読み直し:読者の目線
その記事や文章を実際に読むであろうユーザーに読んでもらい、客観的な感想をもらうことがクオリティアップには効果的です。
ですが毎回、チームメンバーに依頼して見てもらうことも難しいでしょう。
そんなときは、「別の自分」に、すなわち、別の日の自分に読んでもらいましょう。
時間が経過すると、思い入れがなくなったり、冷静になったり、また別の考え方をもったりします。書いた本人でありながら、いずれ客観視できるようになるのです。
最低でも3時間、可能であれば24時間以上、時間を空けてから読み直してみましょう。そうすることで、第三者に読んでもらったときと同じように、書き手の目線を排した(忘れた)チェックができます。
最後に
・いきなり、うまく書くことを意識しない。
・日ごろから、漢字/カタカナ/ひらがなを使い分けるクセをつける。
・専門用語や業界用語を使わないで会話するクセをつける。
・文章は、できれば3回、最低でも1回は読み直す。
上記を実践すれば、すぐにでも文章は上達していきます。すべてを実践するのが難しいなら、どれか一つからでも始めてみましょう。
ページやメールの効果を上げるために、自分がスキルアップして、文章力を鍛えるのも良いでしょう。ですが、さらに専門的なスキルをもっている制作会社に依頼することも検討してみてはいかがでしょうか。
アースダイバー株式会社は、各分野に専門スキルを有したマーケター/ディレクター/ライターを抱えており、記事全体の戦略設計から記事の一部分制作まで幅広く対応しています。
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