- LLMO診断は、AIが答えの中で自社をどう扱っているかを調べ、何を直せば候補に入れるかを決めるための調査。防ぎたいのは、比べる段階で買い手の関心が競合に移ること
- 診断では、比べる段階の30問を3つのAIに入れ、何問中いくつ挙がるか・何番目か・どの競合に負けているか・AIが何を読んだかを見る
- 肝は読み解きと指針づくり。同じ「挙がらない」でも打ち手は違う。どこで・何を・どのぐらい直すかまで決めて、はじめて施策につながる
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。弊社は、ChatGPT・Gemini・GoogleのAIモードで、企業の名前がどう挙がるかを測る「AI検索診断」を、これまで50社以上に行ってきました。
先に、この記事の結論を3行で書きます。
- LLMO診断とは:買い手が候補を比べるときの質問をAIに聞き、自社がどう扱われているかを測る調査
- わかること:何問中いくつ挙がるか・何番目か・どの質問でどの競合に負けているか・なぜか
- 得られるもの:どこで・何を・どのぐらい直すかの指針
以下、実際の診断レポートをお見せしながら、順に説明します。
目次
LLMO診断とは
LLMOは、ChatGPTやGeminiのようなAIの答えの中で、自社が候補に挙がるための取り組みのことです。LLMO診断とは、AIが答えの中で自社をどう扱っているかを調べ、何を直せば候補に入れるかを決めるための調査です。
なぜ必要か:比べる段階で、関心が競合に移るのを防ぐため
買い手は、AIに「〇〇でおすすめは?」「〇〇と△△を比べて」と聞いて、候補を絞るようになりました。G2の調査では、法人向けソフトウェアの購買担当者のうち、Googleより先にAIで調べはじめる人が、1年で29%から51%に増えています(G2)。

図1は、買い手がAIに「従業員300人の会社に合う〇〇ツールで、おすすめは?」と聞いた場面のイメージです。AIの答えにA社・B社・C社だけが理由つきで並び、自社の名前が出てこなければ、買い手はそのままA社のサイトに向かいます。このやりとりは、アクセス解析にも残りません。だから、AIに実際に聞いて確かめる必要があります。
LLMO診断でわかる4つのこと
LLMO診断でわかるのは、次の4つです。
| わかること | 見る数字 |
|---|---|
| ① 比べる段階の質問で、何問中いくつ挙がるか | 出現率(軸ごと・AIごと) |
| ② 挙がったとき、何番目か | 順位の内訳 |
| ③ どの質問で、どの競合に負けているか | 競合と比べた回数、挙がらなかった質問 |
| ④ なぜそうなったか | AIが出典にしたページ |
ひとつずつ、弊社が診断した法人向けの研修サービスの例で見ていきます(社名・サービス名・競合の名前はモザイクにしています)。
前提:買い手が比べるときの質問を、30問つくる
測る前に、買い手が候補を比べるときに聞きそうな質問を30問つくり、選ばれる理由ごとに7つの軸に分けます。どの質問にも、サービスの名前は入れません。

この会社の7つの軸と、質問の例です。
| 軸 | 質問の例 |
|---|---|
| 主な用途(基本の質問) | 法人向けのeラーニングのおすすめは? |
| 価格 | 初期費用がかからないeラーニングは? |
| コンテンツの量 | 研修動画が見放題のeラーニングは? |
| 機能 | オリジナルの研修を簡単に作れるのは? |
| 研修のテーマ | 新入社員研修に使えるのは? |
| 企業の規模 | 中小企業向けのeラーニングは? |
| 乗り換え | 今のeラーニングから乗り換えるなら? |
レポートで「王道」と書いている軸は、製品の主な用途を聞く、いちばん基本の質問です。
① 何問中いくつ挙がるか:強い軸と弱い軸がわかる
30問を3つのAIに入れ、名前が挙がったかを1問ずつ記録して、軸ごとにまとめます。

この会社は、AIモードで30問中25問、Geminiで23問、ChatGPTで17問挙がりました。基本の質問と価格の質問では、どのAIでもほぼすべてで挙がっています。一方、ChatGPTでは、コンテンツの量・機能・研修のテーマ・企業の規模の4つの軸で、半分以下でした。強いのは基本と価格、弱いのは量・機能・テーマ・規模です。
② 何番目か:挙がっても選ばれにくい所がわかる

挙がった質問について、答えの中で何番目だったかを数えます。この会社は、AIモードでは25問中11問で先頭付近でしたが、ChatGPTでは17問中3問だけでした。ChatGPTでは、挙がらない質問が多いうえに、挙がっても2番手以降になりやすい状態でした。
③ どの質問で、どの競合に負けているか:関心が移る場面がわかる

3つのAIで名前が挙がった回数を、競合と並べます。この会社は65回で、合計では首位でした。2位の競合は41回です。
ただ、合計で勝っていても、質問ごとに見ると負けている所があります。

図6は、競合ごとに、挙がった回数・AIが挙げた強み・自社が先頭を譲った質問を並べた表です。動画の量の質問では動画に強い競合が、機能の質問では教材づくりに強い競合が、企業の規模の質問では大企業向けの競合が、それぞれ先に挙がっていました。

いちばん重いのは、3つのAIのどれでも名前が挙がらなかった質問です。この会社では3問ありました。「研修の動画が豊富なeラーニングは?」「受講管理やレポート機能が充実したものは?」「大企業の全社研修に対応できるものは?」です。どの質問でも、AIは競合を主役に挙げていました。どれも、この会社が実際には備えている強みです。買い手がこう聞いた瞬間に、関心は競合に移ります。
④ なぜそうなったか:AIが読んだページがわかる

AIが示した出典を、ページの種類ごとに数えます。この会社では、GoogleのAIモードの30問のうち、競合の公式サイトが出典に入ったのが22問、比較・レビューのサイトが18問、自社のサイトは4問でした。
それでも名前が挙がっていたのは、主要な比較サイトの多くに載っていたことが大きいと考えられます。挙がらなかった3問については、動画の本数・管理の機能・大企業での導入を、言葉と数字で示すページが、自社にも比較サイトにもありませんでした。
診断の結果から、何を決めるか
4つがわかっても、それだけでは何をすればいいかは決まりません。結果を読み解いて、直す計画に落とすところまでが診断です。
状態に合わせて、打ち手を選ぶ
同じ「挙がらない」でも、状態によって打ち手が違います。

この会社の3問は、「自社のページも比較サイトも、その強みを書いていない」状態でした。打ち手は、強みを数字で示すページをつくり、比較サイトの掲載も直すことです。
質問ごとに、直す順番を決める

すべてを一度には直せません。商談に近い質問で挙がっていない所から手をつけます。この会社の3問は、どれも商談に近い質問なので、最優先に入ります。
どこで・何を・どのぐらい直すかを、計画にする
最後に、どこで(どの質問・どのAI)、何を(どのページを、どう直すか)、どのぐらい(何本を、いつまでに)を決めます。

この会社では、2つのサービスをあわせて診断しました。直したい・つくりたいページは、2つのサービスで約60本(24本と37本)見つかり、そのうち14本を最優先にしました。

1〜2か月目に、最優先のページと比較サイトの掲載の更新を進め、残りを半年かけて整えます。3か月目と6か月目に同じ30問で測り直し、効いた打ち手を見極めながら次に進みます。
その測り方では、実態がわからない
自分で測る場合も、他社に頼む場合も、次の4つの測り方では、比べる段階での実態はわかりません。
「〇〇とは?」で聞いても、社名は出てこない

知識を聞く質問では、AIはほとんど検索しません(cloro)。弊社が診断したある会社でも、推薦や比較の質問では40〜50%挙がったのに、知識を聞く質問では、ほぼ0%でした。
自社の名前を入れて聞いても、候補に入るかはわからない
「〇〇社の評判は?」と聞けば、AIは〇〇社について答えます。説明が正しいかを確かめるのには役立ちますが、買い手は、まだ会社の名前を知らない段階で候補を聞いています。
1つのAIで1回だけ聞いても、たまたまの結果かもしれない
先の例でも、AIによって30問中17問から25問まで差がありました。答えは週ごとにも大きく動きます(次の章の図15)。
「引用されたか」だけを見ても、選ばれているかはわからない

ある市場の大手2社では、自社サイトが引用された割合は同じでも、1番目に挙がった回数は約3倍違いました。引用されたかどうかと、選ばれたかどうかは別の数字です。
なお、サイトの構造化データやllms.txtを点検する型の診断もあります。点検で見つかる不備もありますが、llms.txtの有無とAIに引用される回数には、はっきりした関係が見られなかったという調査もあります(Search Engine Journal)。弊社では、まず聞いて測り、挙がらない質問に関わるページを点検する順番をおすすめしています。
長く測り続けると見えてくること
弊社が2025年7月から毎週測っている、あるBtoB SaaS企業の例です(社名・製品の分野は伏せています)。

1週で33ポイント下がった週がある一方、8か月で約2倍に上がりました。どの施策が効いたかまでは切り分けられていませんが、1回の計測では、上がっているのか、たまたま高い週なのかは区別できません。

候補を聞く質問では9割以上の週で挙がる一方、課題から入る質問では、ほとんど挙がらないものもありました。候補を聞く質問だけを測っていると、この弱さを見落とします。

主力の分野で強くても、隣の分野ではほとんど挙がりませんでした。0%だった分野は、直近10週のうち9週で1問も挙がっていません。分野ごとに、根拠になるページを確かめる必要があります。

自社のサイトが読まれた答えでは、名前が挙がりやすい傾向がありました(得意な質問ほど自社のサイトが読まれやすいので、因果までは言えません)。ただ、読まれても挙がらないページもあります。「〇〇とは」「〇〇の方法5選」で終わる記事より、製品で何ができるか・どんな会社に合うかまで書いた記事のほうが、名前が挙がっていました(9本の比較)。
診断のあとにやること:主な対策
最後に、診断の結果をもとに、どんな対策を打つことが多いかを簡単にまとめます。どれを先にやるかは、診断で見えた状態によって決まります。
| 診断で見えたこと | 主な対策 |
|---|---|
| 強みに関わる質問で挙がらない | その質問に答えるページをつくる。強みを言葉と数字で書き、どんな会社に合うか・他社と何が違うかまで示す |
| 比較サイト経由でしか挙がらない・古い情報で紹介される | 比較サイトや外部の掲載を、最新の中身にそろえる |
| 自社のページは読まれるのに挙がらない | 「〇〇とは」で終わる一般論の記事を、推薦の理由になる記事に書き直す |
| ChatGPTだけ弱い | 第三者のサイトでの言及や、社名で検索される回数を増やす |
それぞれのくわしいやり方は、別の記事にまとめています。
- 効く施策と効かない施策の全体像:AIO対策(LLMO対策)とは?
- AIに引用されるページの特徴:トロント大学の16万件の研究を読み解いた記事
- 外部での言及の増やし方:サイテーションとは?
- 社名で検索される回数の増やし方:指名検索とは?
自分で試すなら、ここに気をつける
- 社名を入れない、比べる段階の質問をつくる。「〇〇のおすすめは?」を中心に、「〇〇で困っている。どうすればいい?」のような課題から入る質問も入れます
- ChatGPT・Gemini・GoogleのAIモードの3つで聞く
- ログインしない状態か、メモリー機能を切った状態で聞く
- 同じ質問を、日を変えて何度か聞く
- 挙がったか・何番目か・一緒に挙がった競合・出典を記録する
質問の数は、20〜30問を目安にしています。くわしいやり方は、AI時代のカスタマージャーニーの記事で説明しています。
弊社のAI検索診断でやること
自分で試すと、いまの位置はある程度わかります。一方で、AIごとの差を押さえること、競合と並べること、すべての出典を分類して理由を探すこと、そこから直す順番の指針をつくることは、手作業では難しくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 質問 | 30問(業種・事業に合わせて個別に設計) |
| 対象のAI | ChatGPT・Gemini・GoogleのAIモード |
| 記録すること | 90回答すべての、挙がったか・何番目か・競合・出典 |
| 分析 | 軸ごとの強み・弱み、競合との比較、出典の分析、SEOとの突き合わせ |
| お渡しするもの | レポート・計測データ・直すページと順番の指針・ご報告のミーティング |
| 定点計測(ご希望に応じて) | 同じ質問で毎週・毎月測り、変化を追う |
1回の診断では、90回答をまとめて、AIごと・軸ごとの傾向を見ます。1問ごとの出る・出ないで判断しないのは、答えがぶれるからです。施策の効果を確かめるときは、定点計測と組み合わせます。これまでに50社以上、延べ4,500回答以上を計測してきました。
お申し込みは、AI検索診断のページから受け付けています。
参考:G2「The Answer Economy」/cloro「ChatGPT Grounding Study」(2026年8月)/Search Engine Journal(SE Rankingの調査)


