- 2026年9月の深センのSEOカンファレンスでは、AIの答えを操作する手法への警戒と、AIが自社をどう説明しているかが大きなテーマだった
- Profoundの資料では、8月を境に、ChatGPTがまとめ記事を引用しにくくなり、企業の公式のページの引用が増えた
- 製品・料金・使い方のページを、名前をはっきり書いて整え、新しい状態に保つことが、これまで以上に大事になる
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。2026年9月、中国の深センで、SEOの国際カンファレンス「Shenzhen SEO Conference 2026」が開かれました。Googleの担当者や、欧米の著名なSEOの専門家が登壇し、AI検索も大きなテーマのひとつでした。
弊社は現地には参加していません。そこでこの記事では、公式のプログラムと、登壇者が自分で公開した資料・記事など、出どころを確かめられる情報だけをもとに、カンファレンスで何が語られたかをまとめます。講演の資料が公開されていないものは、題だけを紹介します。
先に、この記事の結論を3行で書きます。
- 講演の題から見える関心:AIの答えに出るための小手先の手法への警戒と、AIが自社をどう説明しているかへの関心が、大きなテーマだった
- 引用の変化のデータ:Profoundの講演では、2026年8月を境に、ChatGPTが「おすすめ〇選」のまとめ記事を引用しにくくなり、企業の公式のページを引用する割合が増えたことが示された。GoogleのAIによる概要でも、企業が自社を1位にした「おすすめ〇選」の引用が減っている
- 日本の会社にとっての意味:製品・料金・使い方のページを、会社とサービスの名前をはっきり書いて整え、新しい状態に保つことが、これまで以上に大事になる
目次
Shenzhen SEO Conference 2026とは
Shenzhen SEO Conference 2026は、2026年9月14日から18日まで、中国の深センで開かれたSEOの国際カンファレンスです。メインの講演は9月16日と17日で、英語と中国語の通訳がつきました(公式のプログラム)。登壇したCogney創業者のDoug Pierce氏によると、講演はすべて英語で、参加者の半分以上が中国以外から来ていました。話題はGoogleが中心で、欧米・韓国・日本の検索も扱われ、中国の検索がテーマのカンファレンスではなかったそうです(Cogney)。
AI検索に関わる、おもな講演は次のとおりです。
| 日付 | 登壇者 | 講演の題(日本語は弊社の訳) |
|---|---|---|
| 9月16日 | Gary Illyes氏(Google) | 慌てなくていい。検索は、いつも変わり続けている |
| 9月16日 | Lily Ray氏(Amsive) | SEOを壊さないでGEOをするには:GoogleはGEOのスパムをどう取り締まっているか |
| 9月16日 | Kun Tang氏(Jademond) | 中国のGEOを読み解く:DeepSeek・Doubao・Yuanbaoは何を引用しているか |
| 9月16日 | Si Quan Ong氏(Ahrefs) | AIで、Ahrefsのブログの更新を年144回、自動化した方法 |
| 9月17日 | Eli Schwartz氏(『Product-Led SEO』の著者) | AEOの3つの柱 |
| 9月17日 | Josh Blyskal氏(Profound) | 新しい引用の経済:ChatGPT・GoogleのAIモード・Claudeは、どう出典を選ぶか |
| 9月17日 | Jonathan Kiekbusch氏(SwishDM) | AIの認識をつくる:AIが自社について言うことを、どう変えるか |
| 9月17日 | Lars Lofgren氏 | 物語の操作:Google・Reddit・AIが悪用されるとき、どう対抗するか |
GEO・AEOは、AIの答えの中で自社が挙がるための取り組みのことで、日本でいうLLMO・AIO対策とほぼ同じ意味です。
講演の題から見える、3つの関心
講演の題を並べると、AI検索について、3つの関心が見えてきます。
- 小手先の手法への警戒:Lily Ray氏の「GEOのスパムの取り締まり」、Lars Lofgren氏の「AIが悪用されるとき」は、どちらも、AIの答えを不自然に操作しようとする動きと、その危うさを扱った題です
- AIが自社をどう説明しているか:Jonathan Kiekbusch氏の講演は、AIが自社について言うことを変える方法がテーマでした。AIの答えに出るかどうかに加えて、どう説明されているかが、対策の対象になっています
- AIは何を引用するのか:Josh Blyskal氏はChatGPTとGoogleのAIモード、Kun Tang氏は中国のAIについて、どんなページが引用されているかを、データで示す講演でした
Googleの担当者が基調講演に立ち、AI検索のスパムが講演のテーマになったことからも、AI検索への対応が、検索の業界全体の関心事になっていることがうかがえます。
Profoundの講演:8月を境に、ChatGPTの引用が変わった
AI検索の講演の中で、資料が公開されていて、データを確かめられるのが、AI検索の分析ツールを提供するProfoundのJosh Blyskal氏の講演です。同氏は、カンファレンスの4日後の9月21日に、講演のスライドを公開しています(Blyskal氏のスライド)。
分析の対象は、ChatGPTの画面に出た約326万件の引用です。2026年8月8日ごろの前後で比べたところ、引用されるページの種類が大きく変わっていました。

- 増えた:製品やサービスのページは22.6%から30.4%に、技術文書・ヘルプのページは6.3%から11.6%に増えました
- 減った:「おすすめ〇選」のようなまとめ記事は18.0%から11.2%に、SNSや掲示板は7.5%から0.7%に減りました
- 出どころ:企業が自分で出している情報(自社サイトなど)の割合は、39.6%から51.5%に増え、第三者のメディアは26.2%から16.7%に減っています
Redditの割合も、8月13日の3.6%から、翌日には0.3%に下がり、その後も0.4%を超えていません。同じスライドには、ほかにも、企業にとって大事なデータがありました。
- ChatGPTが検索を行う答え1件あたりの検索の回数は、平均1.11回から1.78回に増えた
- よく引用されるページの半分は、公開から13週以内のもの
- GoogleのAIモードについては、「その店のステーキは〜」のように指す言葉で書いた文と、「〇〇(店名)のステーキは〜」と名前をはっきり書いた文を並べ、AIが読むのは名前を書いた文だという例を示している
同氏は、この変化を、ChatGPTの出典の選び方が変わりはじめた兆しと見ています。ただし、これはProfoundが自社のツールで集めたデータで、分析の方法も、すべては公開されていません。また、8月の2週間ほどの変化なので、この傾向が続くかは、引き続き見ていく必要があります。ツールのデータの読み方は、LLMOツールの数字は、どこまで正しい?で解説しています。
Lily Ray氏の講演と、そのあとに公開したデータ
Lily Ray氏の講演「SEOを壊さないでGEOをするには」は、スライドが公開されていないため、ここでは中身を紹介できません。ただし、同氏はカンファレンスのあと、10月4日に、講演のテーマとつながるデータを記事で公開しています(Lily Ray氏の記事)。
それによると、GoogleのAIによる概要が、企業が自分で書いた「おすすめ〇選」の記事を引用する割合は、6月から9月で約38%減りました。

さらに、AIによる概要がその記事を引用したときに、記事を書いた企業自身が推薦から外れた割合は、6月の69%から、9月には83%に上がりました。自社を1位に書いた「おすすめ〇選」でも、AIはその企業を推薦しないことが多く、記事の中の競合が推薦される場合が7割あったといいます。同氏は、2026年にGoogleのスパム対策のアップデートが4回あった(2025年は1回)ことも挙げ、自作自演の手法への取り締まりが強まっていると見ています。
Profoundのデータと、同じ方向を向いている点が大事です。ChatGPTでも、GoogleのAIによる概要でも、まとめ記事を使ってAIの答えに出ようとする手法は、効きにくくなってきています。
Google自身も、7月に更新したAI検索向けのガイドで、「生成AIの検索への最適化は、検索の体験への最適化であり、引き続きSEOである」と書き、「ウェブ上で不自然な『言及』を集めても、思っているほど役に立たない」としています(Google 検索セントラル)。
Ahrefsの講演:記事の更新を、AIで自動化
AhrefsのSi Quan Ong氏の講演は、自社のブログの更新を、AIで自動化した話でした。講演の資料は公開されていませんが、同じ仕組みは、同氏が6月にAhrefsのブログで説明しています(Ahrefs)。
Ahrefsでは、14のデータをもとにした記事を、これまでは3か月ごとに更新していました。いまは、AIのエージェントが毎月データを集め直し、表やグラフを更新した下書きをつくります。ただし、エージェントが自分で公開することはなく、人が中身を確かめてから公開しています。これで、月に20時間以上の作業が減ったそうです。
Profoundのデータでは、よく引用されるページの半分が、公開から13週以内のものでした。数字を載せたページを、新しい状態に保ち続ける仕組みは、AI検索の面でも意味があります。
日本の会社にとっての意味
カンファレンスで確かめられた内容をふまえて、日本のBtoBの会社がやっておきたいことを、3つにまとめます。
| やること | 根拠 |
|---|---|
| 製品・料金・使い方・事例のページを、会社とサービスの名前をはっきり書いて整える | ChatGPTで、企業の公式のページの引用が増えた |
| 自社を1位にする「おすすめ〇選」や、不自然な言及集めはやめる | ChatGPTでもAIによる概要でも、まとめ記事の引用が減った。Googleも効果を否定している |
| 数字を載せたページは、決まった間隔で更新する | よく引用されるページの半分は、公開から13週以内のもの |
あわせて、AIの答えの中で自社がどう扱われているかを、定期的に測ることもおすすめします。社名を入れない質問で、何番目に・どの競合と並んで挙がるか、社名を入れた質問で、AIの説明が事実と合っているかを確かめます。やり方はLLMO診断とは?で説明しています。
弊社では、今後も海外のカンファレンスの内容を、確かめられる資料をもとに、日本の会社にとっての意味を添えてお伝えしていきます。
参考:Shenzhen SEO Conference 2026 プログラム/Josh Blyskal氏「The New Citation Economy」(2026年9月21日)/Lily Ray氏(2026年10月4日)/Ahrefs(Si Quan Ong氏、2026年6月25日)/Google「AI 機能の最適化ガイド」(2026年7月10日更新)/Cogney(Doug Pierce氏、2026年10月19日)


