- 米国のゼロクリックは10年で約45%から68%に増え、直近の増加はAIによる概要の広がりによると見られている。AIによる概要が出ると、検索1位のクリック率は予測より約6割低い
- 言葉の意味を調べる検索ほどAIによる概要が出やすく、購入の検討に関わる検索はいまもサイトに人が移る
- 自社の数字は、サーチコンソールで10位以内なのにクリック率がとても低い検索を探し、実際の画面を見て確かめる
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。「ゼロクリック検索が増えている」というニュースを、よく見かけるようになりました。検索した人が、どのサイトにも移らないまま終わる検索のことです。この数年で増えた大きな理由は、Googleの検索結果のいちばん上に、AIが書いた答え(AIによる概要)が出るようになったことです。
この記事では、ゼロクリック検索とは何か、AIによる概要でゼロクリックがどう進んだかを、データで説明します。そのうえで、調査の数字の読み方と、自社のサーチコンソール(Google Search Console)でゼロクリックになっている検索を見つける方法を、弊社のサイトの実際のデータを使って紹介します。
先に、この記事の結論を3行で書きます。
- AIによる概要が、ゼロクリックを押し上げている:米国のゼロクリックは10年で約45%から68%に増え、直近の増加はAIによる概要の広がりによると見られている。AIによる概要が出る検索では、検索1位のページでもクリック率が予測より約6割低い
- 影響は、検索の種類で大きく違う:言葉の意味を調べる検索では半分近くでAIによる概要が出る。購入の検討に関わる検索は、いまもサイトに人が移る
- 自社の数字は、サーチコンソールで確かめられる:10位以内なのにクリック率がとても低い検索を探し、実際の検索結果の画面を見る
目次
ゼロクリック検索とは
ゼロクリック検索とは、検索した人が、検索結果の画面だけで用を済ませ、どのサイトにも移らないまま終わる検索のことです。天気・計算・お店の営業時間・言葉の意味のように、答えが短い検索で起きやすい現象です。
ゼロクリックは、AIの登場で始まった話ではありません。Googleは2012年のナレッジグラフから、検索結果の画面で答えを返す機能を少しずつ増やしてきました(検索の役割の変化についての記事)。ただ、その流れを大きく進めたのが、AIによる概要です。
なお、スマホなどが操作なしで攻撃を受ける「ゼロクリック攻撃」は、セキュリティの用語で、この記事のゼロクリック検索とは別のものです。
AIによる概要で、ゼロクリックはどう進んだか
10年で、約45%から68%に増えた
ゼロクリック検索の調査で知られるSparkToroによると、米国のGoogle検索のうち、どこもクリックされないまま終わった検索は、約10年前の約45%から、2019年に49%、2024年に60.45%、2026年1〜4月には68.01%に増えました(SparkToro)。

とくに、2024年からの約2年で、約7.6ポイント増えています。同社のRand Fishkin氏は、この増え方について、AIによる概要の大きな広がりが原因であることは、ほぼ確実だと書いています。一方、AIモードに入った検索は、同じ時期の検索全体の0.34%で、いまのところ主な原因とは言えないとしています(SparkToro。くわしくはAIモードの記事)。
AIによる概要が出ると、1位のページでもクリックが減る
AIによる概要は、検索結果のいちばん上に、質問への答えを文章で出します。その下のリンクがどれくらいクリックされなくなるかは、次の調査が示しています。
Ahrefsの調査では、AIによる概要が出る調べものの検索で、検索1位のページのクリック率は、日本で9.0%でした。AIによる概要がなかった場合の予測の24.1%より、62.7%低い値です。半年前の2025年12月には、低下は38.0%でした(Web担当者Forum(Ahrefsの調査))。

米国のPew Research Centerが、900人の実際の閲覧の記録を調べた結果も、同じ向きです。AIによる概要が出たとき、ふつうの検索結果のリンクがクリックされたのは8%で、出なかったときの15%の約半分でした。AIによる概要の中のリンクがクリックされたのは、1%にとどまります(Pew Research Center)。
画面の上で、答えがわかってしまう
実際の画面を見ると、理由がよくわかります。次の図は、Googleで「一般名詞」と検索したときの、画面の上からの並びです。Ahrefsが2026年10月に記録した検索結果をもとに整理しました。

いちばん上にAIによる概要の答えがあり、その下に「他の人はこちらも質問」が並びます。弊社の記事は、そのさらに下です。言葉の意味を知りたいだけの人は、AIによる概要を読んだ時点で、用が済むことが多いと考えられます。
言葉の意味を調べる検索ほど、AIによる概要が出る
AIによる概要が出る割合は、検索の種類によって大きく違います。Ahrefsが約1億4,600万件の検索結果を調べたところ、パソコンの検索結果で、言葉の意味を調べる検索では47.3%、調べもの全般では21.4%で出ていました。一方、比較・検討の検索では4.3%、購入の検索では2.1%、特定のサイトに行くための検索では0.9%でした(Ahrefs)。

AIによる概要が出やすいのは、おもに「〇〇とは」のような、調べものの入口の検索です。そのぶん、こうした検索ほどゼロクリックになりやすいと考えられます。AIによる概要の仕組みや、出る検索・出ない検索のくわしい話は、AIによる概要の記事で解説しています。
ゼロクリックの数字は、どう測られているか
ゼロクリックの割合は、Googleが公表している数字ではありません。調査会社が、利用者の閲覧の記録(パネルのデータ)を集めて、検索のあとにサイトへ移ったかどうかを数えています。よく引用される2つの調査を並べると、次のとおりです。
| 調べた会社 | 数字 | 対象 | 測り方 |
|---|---|---|---|
| SparkToro | 米国のGoogle検索の68.01%がゼロクリック(2026年1〜4月) | 米国 | Similarwebのパソコンとスマホのブラウザのデータ。Googleのスマホのアプリは含まない |
| ヴァリューズ | Google検索からサイトに移った割合は41.1%(2025年) | 日本 | 同社が持つ、パソコンとスマホのブラウザの記録 |
数字を読むときに、気をつけたい点が3つあります。
- 調査ごとに、データの出どころが違う:SparkToroは、2024年の数字はDatos、2026年の数字はSimilarwebのデータで測っています。同社のFishkin氏自身も、利用者も機器も同じではないので、厳密な比較ではないと書いています
- 含まれない検索がある:SparkToroの数字は、Googleのスマホのアプリでの検索を含みません。同氏は、アプリを含めれば、ゼロクリックの割合は実際にはもっと高いだろうと見ています
- 国によって違う:米国と日本では、調べた会社も方法も違います。日本の数字の推移は、10月のAI検索ニュースの記事で紹介しています
Google自身は、2025年8月に、検索からサイトへのクリックの総量は、前年とおおむね変わっていないと説明しています(Google)。ただし、もとのデータは公開していません。調査会社の数字も、Googleの説明も、どちらも検索全体の話です。
購入の検討に関わる検索は、いまもサイトに人が移る
ゼロクリックの割合は、検索の種類によって大きく変わります。ヴァリューズの調査では、Google検索からサイトに移った割合は、検索全体で41.1%でした。一方、「おすすめ」「比較」「レビュー」など、商品やサービスの購入の検討に関わる検索では62.3%で、全体より20ポイント以上高くなっていました(Web担当者Forum)。

AIによる概要が出やすい検索(図4)と、サイトに人が移る検索は、ちょうど反対の関係にあります。答えが一言で済む検索ほど、画面の中で用が済み、比較やレビューのように自分で読んで決めたい検索では、いまもサイトに人が来ます。
BtoBの会社にとっては、ここが大事な点です。「〇〇とは」の記事への流入が減っても、比較・料金・事例のページへの流入が保たれているなら、商談への影響は数字ほど大きくないかもしれません。反対に、検討の段階の検索でもクリックが減っているなら、早めに手を打つ必要があります。自社でどちらが起きているかは、サーチコンソールで確かめられます。
自社のサーチコンソールで、ゼロクリックの検索を見つける方法
サーチコンソールは、Googleが無料で提供している、自社のサイトの検索での表示回数・クリック数・掲載順位を確かめられるツールです。AIによる概要やAIモードに自社のページが出た分も、「検索パフォーマンス」の「ウェブ」の数字に含まれています(Google 検索セントラル)。
ゼロクリックになっている検索は、次の手順で見つけられます。
- 検索パフォーマンスを開き、期間を3か月にする:「合計表示回数」「平均CTR」「平均掲載順位」も表に出し、「クエリ」の表を表示回数の多い順に並べます
- 掲載順位が10位以内の検索に絞る:順位が低くてクリックされないのは、ゼロクリックとは別の問題です。弊社のサイトでも、「seo 文字数」は3か月で1,101回表示されてクリックは0回でしたが、平均の順位が36位で、ほとんどクリックされない位置にあります
- 同じくらいの順位なのに、クリック率がとても低い検索を探す:順位が近い検索どうしで、クリック率を比べます
- その検索を、自分で実際に検索してみる:AIによる概要や「他の人はこちらも質問」が上に出て、画面だけで答えがわかるなら、ゼロクリックになっている可能性が高いと考えられます
弊社のサイトのデータで試すと、次のようになりました。まず、表示が40回以上あった検索を、平均の順位とクリック率で並べたのが図6です。左の網かけの10位以内で、下のほうにある点が、ゼロクリックの候補です。

この中から、同じくらいの順位の検索を組にして比べたのが図7です。対象は、サイトを作り直す前に公開していた、商標についての古いブログ記事です。

「チャッカマン 正式名称」と「商標登録 され ている言葉 一覧」は、どちらも平均の順位が8位前後です。ところが、クリック率は0.48%と4.20%で、9倍近い差がありました。「チャッカマン 正式名称」と「一般名詞」は、どちらも3か月で2,000回以上表示されていながら、クリック率は0.5%未満です。「一般名詞」と「普通名称化 した 商標一覧」も、同じくらいの順位で、0.20%と2.67%です。
クリック率の低い2つの検索は、Ahrefsが10月に記録した検索結果の画面で、いちばん上にAIによる概要が、その下に「他の人はこちらも質問」が出ていました(「一般名詞」の画面は図3)。正式名称や言葉の意味は、画面の中で答えがわかる検索です。一方、「一覧」の検索は、たくさんの例を見たい検索なので、ページを開く人がいると考えられます。
ただし、これは1本の記事の、2組の検索で見えたことです。Ahrefsの記録は10月の画面で、3か月の間ずっと同じ画面だったとは限りません。「一覧」の2つの検索は、Ahrefsに画面の記録がなく、AIによる概要が出ていたかは確かめられていません。自社で試すときも、数字と実際の画面の両方を見て判断してください。
なお、サーチコンソールには、AIによる概要やAIモードに自社のページが出た回数を分けて見られるレポートもあります。2026年6月に一部のサイトで始まり、9月はじめには、世界のすべてのサイトに広がったと報じられています。ただし、見られるのは表示回数・ページ・国・機器・日付で、クリック数と検索の言葉は含まれません(Search Engine Roundtable)。どのページがAIの答えの中に出ているかを知るために、あわせて見ておくと役に立ちます。
ゼロクリックの検索は、あきらめていいのか
ゼロクリックの検索がわかったら、検索ごとに、目指すことを分けて考えます。
| 検索の種類 | 例 | 目指すこと |
|---|---|---|
| 答えが一言で済む検索 | 「〇〇とは」「〇〇 正式名称」 | クリックより、AIの答えや画面の中で、自社の名前と説明が正しく出ること |
| 自分で読んで決めたい検索 | 「〇〇 比較」「〇〇 料金」「〇〇 事例」 | クリックされ、問い合わせにつながるページを用意すること |
答えが一言で済む検索で表示されることには、クリックされなくても意味があります。自社の名前を見た人が、あとで社名で検索して来る可能性があるからです。その効果は、流入数には出にくいので、社名を含む検索(指名検索)の数の推移や、AIの答えの中で自社がどう扱われているかを、あわせて見ます。何を、どの数字で測るかは、AI検索対策の効果とKPIのQ&Aにまとめています。
弊社の例のように、事業と関係のない検索で表示回数が多いだけのページは、ゼロクリックが増えても、気にする必要はあまりありません。大事なのは、自社のお客様が検討の段階でする検索で、何が起きているかです。
ゼロクリック検索について、よくある質問
ゼロクリック検索とゼロクリック攻撃は、同じものですか?
違うものです。ゼロクリック検索は、検索した人がどのサイトにも移らないまま終わる検索のことで、マーケティングの用語です。ゼロクリック攻撃は、スマホなどが利用者の操作なしで攻撃を受けることを指す、セキュリティの用語です。
日本のゼロクリックの割合は、どれくらいですか?
調べた会社と方法によって違います。ヴァリューズの調査では、2025年にGoogle検索からサイトに移った割合は41.1%でした。同社の別の集計では、ゼロクリックの割合は2026年7月に68.1%になったと報じられています(10月のAI検索ニュースの記事)。どちらも検索全体の平均なので、自社の検索での割合は、サーチコンソールで確かめるのがおすすめです。
サーチコンソールで、AIによる概要からのクリックだけを分けて見られますか?
2026年10月の時点では、分けて見られません。AIによる概要やAIモードからのクリックは、「ウェブ」の数字に含まれています。すべてのサイトに広がったAIの機能のレポートでも、見られるのは表示回数で、クリック数は含まれていません。
参考:SparkToro(Rand Fishkin氏、2026年6月)/Web担当者Forum(Ahrefsの調査、2026年7月)/Pew Research Center(2025年7月)/Ahrefs(2025年11月)/Web担当者Forum(ヴァリューズの調査、2026年7月)/Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」/Google(Liz Reid氏)/Search Engine Roundtable(2026年9月)


