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【2026年10月末時点】
Google検索の収入の伸びが鈍った
決算で語られた、AIモードの「収益化の低さ」とマーケターにとっての意味

佐藤 大貴佐藤 大貴 公開 2026.10.31更新 2026.10.31
【2026年10月末時点】Google検索の収入の伸びが鈍った。決算で語られた、AIモードの「収益化の低さ」とマーケターにとっての意味
この記事のポイント
  • Alphabetの2026年7〜9月期、Googleの検索などの広告収入は633億5,000万ドルで、前年より12%増えた。伸び率は、1〜3月期の19%、4〜6月期の17%から2四半期続けて下がり、金額は4〜6月期とほぼ同じだった
  • Googleは、伸びが鈍った理由に、為替(最も大きい要因)・一部の業種の広告の動き・AIモードの質問が増えたことを挙げた。AIモードは、収益化の度合いが低いと説明している。一方で、検索の質問の伸びは過去5年で最も高く、AIモードの質問は通常の検索の3倍の長さがある
  • 検索の需要は減っていない。日本のAIモードの答えには、2026年10月末時点で広告が入っていないので、いまはAIが自然に挙げる候補に入れるかで見え方が決まる。マーケターは、お客様の条件に答えるページを整え、訪問に加えてAIの答えの中での推薦を測り、広告がキーワードから会話の中身へ移る変化に備えることが大事になると、弊社は考える

こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。Googleの親会社Alphabetが2026年10月28日に出した7〜9月期の決算で、検索などの広告収入の伸びが、2四半期続けて鈍りました。Googleは、その理由のひとつに、AIモードの収益化の度合いが低いことを挙げています。翌日、Alphabetの株価は12.6%下がりました。

私が注目したのは、検索の利用は過去5年でいちばん伸びているのに、収入の伸びが鈍った点です。AIモードの広がりが、Googleの収入の面に表れはじめたと言えます。この記事では、決算の資料と説明会の発言、専門家の見方をもとに何が起きたのかを整理し、検索で集客や広告をしている企業にとって何を意味するのかを考えます。内容は2026年10月末時点のものです。

先に、ポイントを3つにまとめておきます。

  1. Alphabetの2026年7〜9月期、Googleの検索などの広告収入は633億5,000万ドルで、前年より12%増えた。伸び率は、1〜3月期の19%、4〜6月期の17%から2四半期続けて下がり、金額は4〜6月期とほぼ同じだった
  2. Googleは、伸びが鈍った理由に、為替(最も大きい要因)・一部の業種の広告の動き・AIモードの質問が増えたことを挙げた。AIモードは、収益化の度合いが低いと説明している。一方で、検索の質問の伸びは過去5年で最も高く、AIモードの質問は通常の検索の3倍の長さがある
  3. Googleは、AIモードとAIによる概要の中の広告を、海外に広げはじめた。AIの答えの中で、広告と、AIが自然に挙げる候補が並ぶ場面は増えていく。企業は、広告の準備とあわせて、AIの答えの中で自社が推薦されているかを見ることが大事になると、弊社は考える
目次
  1. 1検索などの広告収入は12%増。伸び率は2四半期続けて下がった
  2. 2Googleが挙げた理由のひとつが、AIモード
  3. 3検索の利用は、過去5年でいちばん伸びている
  4. 4専門家は「脅威は、質問の数より収入に表れた」と見る
  5. 5GoogleはAIの答えの中の広告を、海外に広げはじめた
  6. 6マーケターにとっての意味を、5つに分けて考える
  7. 7まとめ
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検索などの広告収入は12%増。伸び率は2四半期続けて下がった

Alphabetの決算資料によると、2026年7〜9月期の「Google検索とその他」の収入は633億5,000万ドルで、前年同期の565億6,700万ドルから12%増えました(Alphabet 2026年7〜9月期 決算資料)。

増えてはいるものの、伸び率は下がっています。前年からの伸びは、1〜3月期が19%、4〜6月期が17%、7〜9月期が12%でした。金額は、4〜6月期の632億7,000万ドルとほぼ同じです(Search Engine Journal)。

図1:Googleの検索などの広告収入の、前年からの伸び率

会社全体の売上は1,275億7,700万ドルで、前年より25%増えました。伸びを支えたのはクラウドで、Google Cloudの売上は307億900万ドルと、前年の約2倍になっています。

図2:Alphabetの事業ごとの売上の、前年からの伸び率

クラウドが大きく伸びたぶん、売上に占める検索の割合は、4〜6月期の52.8%から49.7%に下がりました(Mobile Dev Memo(Eric Seufert氏))。

図3:Alphabetの売上に占める、検索などの広告収入の割合

検索の収入は、2四半期続けてアナリストの予想を下回りました(The Next Web)。翌10月29日、Alphabetの株価は終値で12.6%下がり、時価総額は5,000億ドルあまり減っています(economy.ac)。

Googleが挙げた理由のひとつが、AIモード

決算の説明会で、最高ビジネス責任者のPhilipp Schindler氏は、伸びが鈍った理由をいくつか挙げました(Alphabet 2026年7〜9月期 決算説明会の書き起こし)。

  • 為替:4〜6月期と比べて伸びが鈍った、最も大きな要因
  • 小売:EUが少額の輸入品の免税をやめたことで、アジア太平洋の一部の広告主が影響を受けた
  • メディア・エンターテインメント:サッカーのワールドカップで広告が多かった4〜6月期から、落ち着いた
  • AIモード:AIモードの質問が大きく伸び、その収益化の度合いが低かった

AIモードについての発言は、次のとおりです。

実際の指示(音声入力のまま)the strong growth in AI Mode queries had an impact because of the lower monetization we were seeing in AI Mode(AIモードの質問が大きく伸びたことが影響した。AIモードの収益化の度合いが低かったためだ)

Googleが、AIモードが検索の収入に響いていると、決算の場で認めたかたちです。ただし、何と比べてどれだけ低いのか、収入をどれだけ押し下げたのかは、説明していません(Search Engine Journal)。最も大きな要因は為替だった、という点も押さえておく必要があります。

検索の利用は、過去5年でいちばん伸びている

一方で、Googleは、検索そのものは使われていると強調しています。CEOのSundar Pichai氏は、説明会で次のように話しました(決算説明会の書き起こし)。

  • 検索の質問の、前年からの伸び率は、過去5年で最も高い
  • AIモードの質問は、平均で通常の検索の3倍の長さがある
  • 世界のAIモードの検索の5回に1回は、音声・画像・文書を使っている
  • 画像を使った検索は、月500億回を超えた
図4:AIモードの検索のうち、音声・画像・文書を使った割合

Schindler氏は、AIモードの質問の多くは、これまでの検索から移ってきたものより、新しく生まれた分が多く、時間がたてば収益の機会になる、とも話しています。Pichai氏は、10年以上前のスマホへの移行と同じように、まずは検索の使い勝手を良くすることに集中する、と述べました(Search Engine Journal)。

利用は増えている。けれども、AIモードの質問は、まだ十分に収入につながっていない。今回の決算が示したのは、この組み合わせです。

専門家は「脅威は、質問の数より収入に表れた」と見る

広告の分析で知られるEric Seufert氏は、今回の決算について、チャットのAIの脅威は、検索の質問の数より、収入の面に表れた、と書いています(Mobile Dev Memo)。検索の利用は減っていない。伸びが鈍った最大の要因は為替だとしたうえで、長い目で見て大事なのは、AIモードの収益化だという見方です。

この差が埋まるかどうかは、まだわからないとも書いています。例として、Metaの短い動画「Reels」を挙げています。Reelsも、出はじめのころは、それまでの投稿より広告の収入が少なく、時間をかけて改善してきました。

アナリストの見方は分かれています。D.A. DavidsonのGil Luria氏は、投資家は今回の数字を見て「AIがついにGoogleに来た」と心配するだろうと話しました。一方、Rosenblatt SecuritiesのScott Devitt氏は「大きな転換点だとは思わない」としています(The Next Web)。Citizensは、AIのエージェントが検索に代わる入り口になりうるとして、Alphabetの株の評価を引き下げました(economy.ac)。

GoogleはAIの答えの中の広告を、海外に広げはじめた

収益化の度合いが低い分を埋めるために、Googleは、AIの答えの中の広告を広げています。Schindler氏は説明会で、AIによる概要とAIモードの中の質の高い広告を、より多くの利用者と質問に広げていると話しました。AIモードの広告は、初めて米国の外にも出します(決算説明会の書き起こし)。

  • AIモードの広告を、オーストラリア・カナダ・インド・シンガポールなど10か国に広げている。ブラジル・メキシコ・英国も、2026年10〜12月期に予定している(Search Engine Journal)
  • 米国では、AIモードで続けて質問したときの答えにも、広告を出しはじめた
  • 米国のAIモードの商品の一覧では、広告の商品と、広告でない商品のクリック率が、すでに同じくらいになっている

日本は、2026年10月末時点で、AIモードの広告も、AIによる概要の中の広告も始まっていません。経緯と、日本の広告主が始まる前にできることは、AIモードの広告の記事にまとめています。

マーケターにとっての意味を、5つに分けて考える

Googleの検索の収入は、企業が出す広告から生まれています。その伸びが鈍り、Googleが収入の取り方を変えようとしていることは、検索で集客や広告をしているマーケターにも直接関係します。決算で示された事実から、弊社は次の5つを読み取っています。どれも、検索が終わるという話ではありません。検索の中で、お客様が答えにたどりつく道すじが変わりつつある、という話です。

検索の需要は減っていない。SEOをやめる理由にはならない

まず押さえたいのは、検索の質問そのものは、過去5年でいちばん伸びていることです。お客様は、調べものをやめてもいませんし、Googleを使わなくなってもいません。変わったのは、調べ方と、答えの受け取り方です。

AIモードやAIによる概要が答えを作るときも、その根拠になるのは検索で見つかるページです。AIの答えに入る広告ができても、答えの中身は、ウェブ上の情報から作られます。検索で見つけてもらえるページを持つことの価値は、変わりません。「AIの時代だからSEOは終わり」と考えて手を止めると、AIの答えの材料からも外れてしまいます(SEOはもう終わりかのQ&A)。

日本のAIの答えには、まだ広告が入っていない。いまは推薦だけで決まる

AIモードの収益化の度合いが低い理由を、Googleは説明していません。弊社は、AIの答えの中に出る広告が、まだ一部の国でしか始まっていないことが関係しているとみています。

日本はその「まだ」の側です。2026年10月末時点で、日本のAIモードとAIによる概要の答えの中には、広告が出ません(AIモードの広告の記事)。いま日本のお客様がAIモードで「〇〇でおすすめの会社は?」と聞いたとき、答えの中に並ぶ候補は、AIが自然に選んだものだけです。

これは、広告費をかけないで、答えの中の候補に入れる時期だということです。広告が入れば、同じ一覧の中で、広告の枠と自然な推薦が並びます。米国のAIモードの商品の一覧では、すでに広告の商品と、広告でない商品のクリック率が同じくらいになっています。広告が始まる前に、自然な推薦の候補に入っておくことの意味は大きいと考えます。

自然な推薦に入るかどうかは、AIが読んだページの中身で決まります。弊社のAI検索診断の事例でも、自社の公式ページが答えの出典に入った回答では100%で名前が挙がり、入らなかった回答では53%でした(事業のAI検索診断)。

図5:自社の公式ページが出典に入ったかどうかで、名前が挙がった割合

質問が長くなるほど、条件に答えるページが選ばれる

AIモードの質問は、通常の検索の3倍の長さがあり、5回に1回は音声・画像・文書を使っています。「勤怠管理 おすすめ」のような短い言葉より、「従業員300人で、給与計算とつなげたい会社に合う勤怠管理は?」のように、自社の状況を書いた質問が増えていると考えられます。

短い言葉の検索なら、キーワードに合うページが上に並びます。長い質問では、AIが、その条件に合う情報が書かれたページを根拠にして答えます。マーケターがページを作るときの問いも、「どのキーワードで上位に出るか」から「どんな条件のお客様に、何を答えるページか」に移っていくと考えます。

具体的には、次のような情報を、自社のサイトに文字で書いておくことが大事になります。

  • どんな規模・業種・状況の会社に向いているか、向いていないか
  • 料金の考え方と、条件によって何が変わるか
  • 導入までの流れと期間、ほかのツールとのつなぎ方
  • 実際の事例と数字

画像で探す人が増えていることを考えると、商品の写真や図にも、何の画像かがわかる説明を添えておくとよいと考えます。

訪問は減っても、推薦は残る。測るものを足す

AIの答えで用が済めば、サイトへの訪問は減ります。Redditの決算では、検索からの訪問が大きく減り、CEOが「AIモードは訪問を生まない」と話しました(Redditの決算の記事)。Googleが今回、ウェブサイトへの訪問について何も話していないことも、あわせて見ておく必要があります。

訪問だけを成果の指標にしていると、AIの答えの中で推薦されていても、それが数字に表れません。弊社は、次の3つを測るものに足すことをおすすめしています。

  • お客様が聞く質問で、AIの答えに自社の名前が挙がる割合と、説明が正しいか
  • 社名での検索の数(AIで名前を知った人は、あとで社名で調べる)
  • 問い合わせのときの「何で知ったか」に、AIと答える人の数

広告は、キーワードで買うものから、会話の中で出るものへ

Googleは、AIの答えの中の広告を、海外で広げはじめました。米国では、AIモードで続けて質問したときの答えにも広告を出しています。これまでの検索、ショッピング、P-MAXの広告は、設定を変えなくても、AIモードの広告に出る対象になります(Search Engine Journal)。

広告を出す手がかりは、決めたキーワードから、お客様とAIの会話の中身に移っていく可能性があります。広告主が、どの言葉で出るかを細かく選ぶ余地は、小さくなるかもしれません。代わりに、広告の行き先のページや、商品の情報の正確さが、広告の成果を左右するようになると考えます。

日本で始まる時期は、まだ発表されていません。それでも、いまの広告の数字を記録しておくこと、部分一致やAI Maxなど広告に出られる設定を確かめておくこと、商品の情報を整えておくことは、始まる前にできます。

まとめ

Alphabetの2026年7〜9月期の決算で、Googleの検索などの広告収入は前年より12%増えたものの、伸び率は2四半期続けて下がりました。Googleは、最も大きな要因は為替だとしたうえで、AIモードの質問が増え、その収益化の度合いが低いことも理由に挙げています。検索の利用は過去5年で最も伸びていて、専門家は、AIの影響は質問の数より収入の面に表れたと見ています。

マーケターにとって大事なのは、検索の需要は減っていない一方で、答えの受け取り方が変わっていることです。日本のAIの答えには、まだ広告が入っていません。広告が始まる前のいまは、AIが自然に挙げる候補に入れるかどうかが、そのまま見え方を決めます。お客様の条件に答えるページを整え、訪問に加えてAIの答えの中での推薦も測りながら、広告の変化に備えていくことをおすすめします。

参考:Alphabet「Q3 2026 Earnings Release」(2026年10月28日)、Alphabet「Q3 2026 Earnings Call Transcript」(2026年10月28日)、Search Engine Journal「Google Says Lower AI Mode Monetization Weighed On Search Growth」(2026年10月28日)、Mobile Dev Memo「Alphabet Q3 2026 earnings: AI Mode's monetization penalty」(2026年10月29日)、The Next Web「Alphabet shares fall 12% after Google says AI Mode searches earn less」(2026年10月29日)

佐藤 大貴 WRITTEN BY佐藤 大貴アースダイバー株式会社 代表取締役DeNAで男性向けライフスタイルメディアのグロースを牽引し、ローンチから約1年半で月間3,000万PV規模に。ポートではコンテンツマーケティング責任者として幅広い領域のメディアを管掌し、上場とM&Aを経験。2019年に創業し、AI時代のマーケティング戦略とその実行を手がける。プロフィールを見る →LinkedIn
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