- 流入が減ったら、まず「順位は同じで流入が減った」のか「順位が落ちた」のかを分ける。前者は記事の外側の打ち手、後者はコンバージョンに近いキーワードから見直す
- 文字数や項目を足すリライトは、昔のGoogleに合わせて広まったもの。答えが変わらない情報は、頻繁に直す必要はない
- AI時代のリライトは、検索意図を深く読み、いまの観点で捉え直し、自社の一次情報でピンポイントに答え直すこと。効果が出る記事を見極めて、そこに時間を使う
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。ご支援先から、「大事なキーワードの記事を5回ほどリライトしたのに、順位がまったく上がらない」という相談を受けることがよくあります。話を聞くと、直すたびに情報を足し続けていた、というケースがほとんどです。
AIによる概要が検索結果の上で答えを出すようになり、記事は手を入れなくても流入が減るようになりました。焦って記事を直したくなりますが、私は、文字数や項目を足していくリライトは、昔のGoogleに合わせて広まったやり方だと考えています。AIが一般論をいくらでも書けるようになったいま、リライトのやり方そのものを考え直す時期に来ています。
この記事では、流入が減った記事を前にして、何を確かめ、どう直すかを、弊社のやり方としてまとめます。2027年に向けた考え方として、2026年11月時点の情報で書いています。
目次
順位は同じでも、流入は減っていく
数年前まで、一度上位に入った記事は、手を入れなくても流入が続くのがふつうでした。いまは、順位が同じでも、流入が少しずつ減っていきます。
大きな理由が、AIによる概要です。Ahrefsが30万のキーワードで調べたところ、AIによる概要が出るキーワードでは、1位のページのクリック率が、AIによる概要がなかった場合の予測と比べて、約58%低くなっていました(Ahrefs、2026年2月)。2025年4月の前回の調査では34.5%だったので、影響は1年で大きくなっています。

日本でも、AIによる概要が出るキーワードは増えています。弊社のご支援先で、BtoB企業のオウンドメディアの3,159のキーワードを、2024年から毎年9月に測ったところ、AIによる概要が出た割合は、2024年の0%から、2026年には69.0%になりました(AIによる概要の記事)。

検索した人が画面の上で答えを読み、そこで調べものを終えるゼロクリックの検索が増えたため、同じ順位でも記事に来る人は減っています(ゼロクリック検索の記事)。
順位が落ちたのか、クリックが減ったのかを分ける
流入が減った記事を見つけたら、直しはじめる前に、何が起きたのかを確かめます。流入は、検索結果に出た回数(表示回数)と、そのうちクリックされた割合(クリック率)のかけ算です。サーチコンソールで、その記事のキーワードごとに、掲載順位・表示回数・クリック率を並べると、たいてい次の2つのどちらかに当てはまります。

| 起きていること | サーチコンソールの見え方 | 主な原因 | 打ち手 |
|---|---|---|---|
| 順位は同じで、クリックが減った | 掲載順位はほぼ同じ。クリック率が下がっている | AIによる概要など、検索結果の画面の変化 | 記事の外側の打ち手。題名の見直しは補助 |
| 順位が落ちた | 掲載順位が下がり、表示回数とクリックが減っている | ほかのページのほうが、検索意図に合っていると判断された | 記事を見直す |
原因が違えば、打ち手も違います。順位が変わっていない記事を何度書き直しても、流入は戻りません。反対に、順位が落ちている記事を外部の環境のせいにして放っておくと、取り戻せる流入を逃します。

順位が同じでクリックが減ったなら、記事の外側を見る
順位は変わらないのにクリック率が下がっている場合、記事そのものに問題があるとは限りません。検索結果の画面が変わり、記事を開く前に答えがわかるようになった、という外部の変化です。
題名や説明文を見直せば、クリック率は多少上がります。ただ、それで取り戻せるのは一部です。お客様は、検索の画面やAIの答えの中で、調べものの多くを済ませるようになりました。弊社は、この場合は記事の外側にある、次の3つを見ることを勧めています。
- AIの答えの中で、自社がどう扱われているか:お客様が聞く質問で、自社の名前が候補に挙がるか、強みが正しく説明されているか(AIの答えで名前が挙がるブランドの記事)
- 指名検索が増えているか:AIの答えや検索の画面で自社を知った人は、あとで社名で調べることがある(指名検索の記事)
- 読者と直接つながれているか:メールマガジンや資料のダウンロードなど、検索を通さないでつながる手段(Redditの決算の記事)
流入の数だけを見ていると、この変化は失敗に見えます。AIの答えの中で推薦され、指名検索が増えているなら、記事は成果につながっています。流入とあわせて、こうした数字も見るようにします。
順位が落ちたときは、コンバージョンに近いキーワードから取り戻す
順位が落ちている場合は、記事を直して取り戻す余地があります。ただし、すべての記事を直す時間はありません。どのキーワードの記事から直すかを、先に決めます。
「コンバージョンに近い」とは
コンバージョンは、問い合わせ・資料のダウンロード・購入など、サイトで最終的に達成したい行動のことです。同じテーマでも、検索するキーワードによって、検索した人がこの行動にどれだけ近いかが違います。
| 検索した人の段階 | 検索した人の状態 | キーワードの例 | コンバージョンとの距離 |
|---|---|---|---|
| 知る | 言葉や仕組みを知りたい | 「LLMOとは」「LLMO 意味」 | 遠い |
| 比べる | 解決のやり方や、頼む先の候補を比べたい | 「LLMO対策 費用」「LLMO 診断」「LLMO対策 会社」 | 近い |
| 決める | 頼む先を決めるために、確かめたい | 「社名 評判」「社名 料金」「社名 事例」 | いちばん近い |
「〇〇とは」を調べている人は、まだ課題の入り口にいます。「費用」「比較」「会社」「代行」などを入れて検索する人は、すでに解決のために動きはじめています。検索の数は少なくても、問い合わせにつながる割合は高くなります。
近いキーワードの記事から直す
優先するのは、コンバージョンに近いキーワードで読まれている記事です。どの記事がコンバージョンにつながっているかは、アクセス解析で、問い合わせや資料のダウンロードの前に読まれたページを見るとわかります。
AIによる概要の出方も、この順番を後押しします。「〇〇とは」のような言葉の意味を調べる検索は、AIによる概要が出やすく、順位を取り戻しても流入が戻りにくい傾向があります。サービスを比べる・選ぶ段階の検索は、いまもサイトに人が移ります(ゼロクリック検索の記事)。
何度直しても、上がらない記事もある
冒頭の「5回直しても上がらない」記事のように、情報を足し続けても、記事が検索意図からずれていれば順位は戻りません。必要なのは、このあと説明する、記事の根本的な見直しです。
ただ、根本から見直しても、順位を上げられない記事はあります。上位にもっと信頼の厚いサイトが並んでいる場合や、検索した人が求めているのが比較サイトやツールのような別の種類のページである場合です。リライトすれば順位が上がる時代は終わり、リライトでできることには限りがあります。
そこで、直す前に、効果が出る見込みがあるかを確かめます。
- コンバージョンに近いキーワードか
- 検索意図とのずれが、はっきり見つかるか
- その問いに答える、自社の一次情報があるか
3つがそろう記事に、時間をしっかり使います。そろわない記事は無理に直さないで、新しい記事を作ることや、記事の外側の打ち手に時間を回すほうが、成果につながると弊社は考えています。
リライトが広まったきっかけは、2011年のGoogleの変更
Googleは2011年11月、新しい情報を上に出しやすくする変更を行い、検索の約35%に影響すると発表しました(TechCrunch)。対象として挙げられたのは、最近の出来事、選挙や決算のように定期的に起きる出来事、家電や車のレビューのように情報がよく変わる話題です。
本来は、新しい情報が求められる検索で、新しい情報を上に出すための変更でした。ところがSEOの現場では、「記事を更新すれば評価される」と受け止められたように、私は感じています。答えが変わらない話題でも定期的に記事を直し、おすすめ10選を30選に、7,000字の記事を2万5,000字に増やしていく。こうしたやり方が、リライトとして定着しました。
Googleは、こうしたやり方では評価は上がらないと説明しています。役に立つコンテンツについての説明のページには、次のような問いが並んでいます(Google 検索セントラル。日付と記事の追加・削除の問いは2023年9月に加わったもの:Wordtracker)。
- Googleが好む文字数があると聞いて、決まった文字数に合わせて書いていないか(Googleは、文字数を求めていない)
- 中身がほとんど変わっていないのに、新しく見せるためにページの日付を変えていないか
- サイトを新しく見せるために、多くの記事を足したり消したりしていないか(それで評価が上がることはない)
GoogleのJohn Mueller氏も、2021年に、ページの日付を変えただけでは順位は変わらないだろうと話し、中身を大きく変えたときにだけ日付を更新するよう勧めています(Search Engine Journal)。文字数や項目を増やし続けても、読む人にとっては、長くて読みづらい記事になるだけです。
直す必要は、情報の種類で変わる
それでも、直したほうがよい記事はあります。分かれ目は、記事に書いてある情報の種類です。
- ストック型:時間がたっても答えが変わりにくい情報。言葉の意味、歴史、基本の考え方など
- フロー型:時間とともに変わっていく情報。ニュース、料金、制度、ツールの機能、調査の数字など

ストック型の記事は、半年後も答えが変わりません。原則として、頻繁に直す必要はないはずです。フロー型の情報を含む記事は、情報が古くなれば、読む人に誤った答えを渡すことになります。こちらは、新しい情報に直す意味がはっきりあります。
答えが変わらない記事も、前提が変われば直す
ストック型の記事でも、直したほうがよい場合があります。言葉の意味は変わらなくても、世の中の前提が変わり、同じ話題の捉え方が変わったときです。
たとえば「指名検索とは」という記事です。指名検索という言葉の意味は、10年前から変わっていません。社名やサービス名で検索されることです。
ところが、AIで情報を集める人が増えて、指名検索の捉え方は大きく変わりました。AIの答えの中で会社の名前を知った人が、あとで社名で調べる。サイトへの流入が減っても、指名検索が増えていれば、AIの答えの中で自社が推薦されている手がかりになります。言葉の意味は同じでも、伝えるべきことは違ってきます(指名検索の記事)。

記事を見直すときは、文字数を足す前に、次の3点を確かめます。
- 最新の情報が入っているか(フロー型の情報)
- いまの前提で考え直すと、論点や結論が変わらないか
- 検索した人がいま知りたいことに、答えているか
変わるところがあれば直し、変わらないなら無理に直しません。
効果が薄くなったリライトのやり方
反対に、昔から続くリライトのやり方の中には、効果が薄くなったものもあります。

サジェストを片っ端から入れる
検索窓に出てくる関連の言葉(サジェスト)を集め、すべてを見出しに入れていくやり方は、以前はよく使われていました。サジェストの中には、記事の検索意図とずれた言葉も多く含まれます。何でも入れると、何に答える記事かがわかりにくくなります。
競合のページに寄せる
上位の競合のページは、検索意図を知る参考になります。ただ、競合と同じ項目をそろえることを目指すと、自社ならではの中身がなくなっていきます。上位の記事がどれも似た作りの言葉で、同じ形の記事をもうひとつ並べても、選ばれる理由がありません。
日付だけ変える・文字数を足す
先に書いたとおり、Googleは、日付だけの更新や、文字数の多さを評価しないと説明しています。
記事を直すときの5つの手順
実際に記事を直すときの手順を、5つに分けて説明します。中心になるのは、3つ目の一次情報です。

検索した人の状況を、具体的に思い浮かべる
誰が、どんな状況で、何に困って、その言葉を入れたのか。答えを読んだあとに、何をしたいのか。ここがずれていると、どれだけ書き足しても順位は戻りません。
たとえば「SEO リライト」と検索する人の多くは、会社のメディアの担当者で、記事の流入が減って困っている人だと考えられます。知りたいのは、リライトという言葉の意味より、何から、どう直せばよいかです。
検索意図をつかむ手がかりは、主に4つあります。
- サーチコンソールで、その記事に実際に来ている言葉:狙った言葉と違う言葉で読まれていることがよくあります
- いまの検索結果の上位に、どんな種類のページが並んでいるか:解説・比較・ツール・事例のどれが求められているかがわかります
- 検索結果の「他の人はこちらも質問」:検索した人が、続けて何を知りたいかがわかります
- 営業や問い合わせで、実際に聞かれる質問:検索の画面には出てこない、お客様の言葉です
書いたときから、何が変わったかを確かめる
AIの広がり、制度や市場の変化、自社の考えの変化など、記事を書いたあとに起きたことを洗い出します。そのうえで、記事の結論が変わらないかを考えます。
結論が変わるなら、言い回しの修正では足りません。見出しの組み立てから作り直します。
自社の一次情報で答える
一次情報とは、自社が実際に見聞きし、確かめた情報のことです。
- 自社のデータ(実際に測った数字)
- 事例(うまくいったことも、いかなかったことも)
- 実際のやり方の手順と、そうした理由
- 判断の基準(何を見て、どう決めたか)
- お客様から聞いた言葉
- 独自に調べた結果
こうした情報は、商談や問い合わせの記録、提案書や社内の資料、ツールのデータ、そして担当者の頭の中にあります。担当者に30分ほど話を聞くだけでも、記事に使える一次情報はたくさん出てきます。
書くときは、何の数字か、いつの情報か、誰が調べたかがわかるようにします。一般論はAIがいくらでも書けますが、一次情報はその会社にしか書けません。検索でもAIの答えの中でも、自社が選ばれる理由になり、AIが答えに使うときも、自社の名前と結びついて伝わりやすくなります(AIで名前が挙がるブランドの記事)。
答えを冒頭に置き、関係の薄い段落を消す
周辺の話題に広げるより、検索した人が知りたいことに、正面から答えます。
- 冒頭で、問いへの答えを先に言う
- 見出しだけを読んでも、答えがわかるようにする
- 周辺の話題は、別の記事にして、リンクでつなぐ
- 古くなった段落、重なっている段落、検索意図とずれた段落は、消す
段落を削って、答えを見つけやすくするのもリライトです。
数字や料金を確かめ、直した日と内容を書く
数字・料金・制度・ツールの機能など、フロー型の情報が古くなっていないかを確かめます。ページの日付は、中身を大きく変えたときにだけ更新します。いつ、何を直したかを記事に書いておくと、読む人にも内容の新しさが伝わります。
まとめ
AIによる概要が広がり、記事は順位が同じでも流入が減るようになりました。流入が減ったら、まず、順位が落ちたのか、順位は同じでクリックが減ったのかを分けます。クリックが減っただけなら、AIの答えの中での扱われ方や指名検索など、記事の外側を見ます。順位が落ちたなら、コンバージョンに近いキーワードの記事から見直します。
文字数や項目を足すリライトは、昔のGoogleに合わせて広まったものだと、私は考えています。答えが変わらない記事は、前提が変わったときに直し、検索した人の問いに、自社の一次情報で答え直す。リライトでできることには限りがあるので、効果が出る見込みのある記事を選んで、そこに時間を使います。
参考:Ahrefs「Update: AI Overviews Reduce Clicks by 58%」(2026年2月4日)、TechCrunch「Google's New Algorithm Update Impacts 35% Of Searches」(2011年11月3日)、Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」、Wordtracker「Google releases September 2023 helpful content system update」(2023年9月17日)、Search Engine Journal「Google's John Mueller: Changing Dates on Pages Won't Improve Rankings」(2021年4月7日)


