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医師のAIO対策(LLMO対策)とは?
患者が「この先生に診てほしい」と決めるまでの流れから考える

佐藤 大貴佐藤 大貴 公開 2026.10.27更新 2026.10.27
医師のAIO対策(LLMO対策)とは?患者が「この先生に診てほしい」と決めるまでの流れから考える
この記事のポイント
  • AIに聞くと、医師の候補は病院のサイトを見る前に、AIの答えの中で絞られる。先生の名前がなければ、医師を探す患者の候補に入らない
  • 医師のAIO対策で目指すのも、挙がる・正しく説明される・選ぶ理由が伝わる、の3つ。診断では医師を探す場面ごとに分けて測る
  • AIの出典の中心は、自院か他院かを問わず医療機関の公式サイト。医師の名前と治療と実績が同じページにあるとき、名前が挙がる。医師紹介と疾患のページで結びつける

こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。手術やカテーテル治療のように、医師の経験が問われる治療では、患者は病院よりも先に「この先生に診てほしい」と医師を探すことがあります。その医師探しにも、AIが使われはじめています。

この記事では、患者が医師を選んで受診するまでの流れが、AIに聞くことでどう変わったかを整理します。そのうえで、医師のAIO対策で目指すことを3つに分け、弊社が、ある不整脈の専門クリニックの医師について行った診断の結果を、その3つに沿って紹介します。AIが何を出典にして医師の名前を挙げているかを分析し、最後に、出典ごとに何をどう直せばいいかをまとめます。病院やクリニック全体のAIO対策は、病院・クリニックのAIO対策の記事で、同じ流れで解説しています。

先に、この記事の結論を3行で書きます。

  • AIに聞くと、医師の候補は病院のサイトを見る前に絞られる:AIの答えに先生の名前がなければ、医師を探す患者の候補に入らない
  • 医師のAIO対策で目指すのも、挙がる・正しく説明される・選ぶ理由が伝わる、の3つ:診断では、医師を探す場面ごとに分けて測る
  • AIの出典の中心は、自院か他院かを問わず医療機関の公式サイト:クリニックの公式サイトはGeminiで15回答中13回答、AIモードで11回答の出典に入り、ChatGPTではほかの病院の公式サイトが12回答で出典に入っていた。医師紹介と疾患のページで、先生の名前と治療と実績を結びつける
目次
  1. 1患者は、どうやって医師を選んできたか
  2. 2AIに聞くことで、医師探しの流れはどう変わったか
  3. 3医師のAIO対策で目指す、3つのこと
  4. 4弊社の診断の方法
  5. 5診断でわかったこと
  6. 6AIは、何を出典にして医師を挙げているか
  7. 7何を、どう直せばいいか
  8. 8まず、先生の名前がどこで挙がるかを測る
  9. 9医師のAIO対策について、よくある質問
先生の名前がAIに挙がるかを、医師のAI検索診断で確かめる →

患者は、どうやって医師を選んできたか

厚生労働省の受療行動調査(2020年)では、外来の患者がその病院を選んだ理由は、「医師による紹介」が39.2%、「交通の便がよい」が27.5%、「専門性が高い医療を提供している」が26.9%、「家族・友人・知人からのすすめ」が17.4%でした(厚生労働省)。

図1:病院を選ぶ理由の上位には、紹介・通いやすさと並んで専門性がある

この調査は、病院を選んだ理由をたずねたもので、医師を選んだ理由を直接たずねたものではありません。それでも、紹介や通いやすさに次いで、「専門性が高い医療を提供している」が26.9%を占めています。専門性の高い治療ほど、どこで、誰に診てもらうかを、患者が自分で調べて選ぶ余地があると、弊社は考えています。

医師を選ぶ手がかりとしては、病院のサイトの医師紹介、医師を紹介する本やサイト、かかりつけ医の紹介などがあります。

AIに聞くことで、医師探しの流れはどう変わったか

病気や治療のことを、AIに聞く人が増えています。OpenAIは2026年1月、ChatGPTで健康やウェルネスについて質問する人が、毎週2億3,000万人を超えていると発表しました(TechCrunch)。

これまでの医師の探し方と、AIに聞く場合の流れを、弊社は次のように整理しています。

図2:AIに聞くと、医師の候補は病院のサイトを見る前に絞られる

AIに「心房細動のアブレーションの実績が豊富な医師は?」と聞くと、AIは医師の名前を挙げ、それぞれの理由まで説明します。患者は、その医師だけを確かめて受診先を決めることができます。医師の候補の絞り込みが、病院のサイトを見る前に、AIの答えの中で起きるようになります。

病院を探すときと違うのは、質問の中に、病名や治療法がはっきり入っていることです。そのため、医師のAIO対策では、治療法や場面ごとに、名前が挙がるかを分けて見ることが大切になります。

医師のAIO対策で目指す、3つのこと

弊社は、医師のAIO対策で目指すことも、病院やクリニックと同じ3つに分けて考えています。

  1. 医師を探す質問で名前が挙がる:医師名を出さないで聞く質問(推薦されるべき質問)で、先生の名前が候補に入ること。地元の質問に加えて、治療法から探す質問や、遠方から探す質問でも挙がることを目指します
  2. 正しく説明される:医師名を入れて確かめる質問で、専門・経歴・担っている治療が、事実どおりに説明されること
  3. 選ぶ理由が伝わる:ほかの医師と並べて紹介されたときに、その医師を選ぶ理由が書かれること。そのためには、AIが根拠にできる実績と説明が要ります

AIの答えに名前が出た回数だけを数えても、この3つのどこに課題があるかはわかりません。弊社の診断では、医師を探す場面ごとに分けて測ります。

弊社の診断の方法

弊社が、ある不整脈の専門クリニックの医師について行った診断を例に、方法を紹介します(2026年10月)。

質問は、患者が医師を探す場面に沿って、15問を設計しました。治療法から探す4問、名医を探す5問、地元で探す3問、遠方から探す2問、再発後のセカンドオピニオンの1問で、どれも医師の名前や病院の名前を入れないで聞く質問です。

図3:医師を探す場面ごとに質問を分け、名前が挙がるかを測る

この15問を、ChatGPT・Gemini・GoogleのAIモードの実際の画面に、ログインしない状態で、1問ごとに新しい画面を開いて入れ、45回答の全文と出典を記録しました。そのうえで、回答ごとに「医師の名前で挙がった」「クリニックの名前だけ挙がった」「挙がらない」「具体名を出さなかった」に分け、次のことを見ました。

  • 目標1:どの場面の質問で、先生の名前が挙がるか。AIごとにどう違うか
  • 目標3:AIが何を根拠に、先生や、ほかの医師の名前を挙げているか。そのために、答えに表示された出典310件を分類しました

この診断では、医師を探す質問だけで測ったため、目標2の「正しく説明されるか」は対象にしていません。医師名で聞く質問を加えて確かめることもできます。

診断でわかったこと

目標1:地元の質問では名前が挙がるが、治療法の質問ではほとんど挙がらない

この先生の名前は、45回答中17回答で挙がり、同じ質問で名前が挙がった医師の中で最も多い結果でした。ただ、場面ごとに見ると、大きな差がありました。

図4:地元の質問では名前が挙がるが、治療法の質問ではほとんど挙がらない

地元で探す質問では9回答中6回答、名医を探す質問では15回答中8回答で名前が挙がりました。一方、治療法から探す質問では12回答中1回答、再発後のセカンドオピニオンの質問では3回答中0回答でした。治療法の質問では、GeminiとAIモードの多くが医師の名前を挙げないで一般論だけを返し、ChatGPTはクリニックの名前だけを挙げていました。

AIごとに見ると、Geminiは8回答、AIモードは6回答で先生の名前を挙げました。ChatGPTは、クリニックの名前は12回答で挙げたのに、先生の名前を添えたのは3回答だけでした。

図5:ChatGPTは、クリニックの名前は挙げても、医師の名前は挙げないことが多い

目標3:名前が挙がるときは、名前と実績が同じページにあった

では、なぜ場面やAIによって、先生の名前が挙がったり挙がらなかったりするのか。名前が挙がった17回答のうち15回答で、同じ回答の出典に、先生の名前を含むページがありました。多くは、クリニックの公式サイトの手術実績や医師紹介のページで、院長の名前と治療の成績が一緒に書かれていました。

一方、疾患の解説ページは、治療法の質問でも出典に入っていたのに、そこには医師の名前と実績が書かれていなかったため、先生の名前は出ませんでした。AIが何を出典にしているかを、次でくわしく見ます。

AIは、何を出典にして医師を挙げているか

自院か他院かを問わず、出典の中心は医療機関の公式サイト

3つのAIの答えに表示された出典を、サイトの種類ごとに分けると、どのAIでも、最も多く出典になっていたのは医療機関の公式サイトでした。先生のクリニックの公式サイトは、Geminiで15回答中13回答、AIモードで11回答、ChatGPTで9回答の出典に入っていました。ChatGPTでは、ほかの病院の公式サイトも12回答で出典に入っていました。

図6:どのAIも、医療機関の公式サイトを最も多く出典にしていた

出典310件のうち、先生のクリニックの公式サイトは59件(19%)で、Geminiでは37%を占めていました。米国の医療専門誌Medical Economicsに載った調査でも、患者のような質問約1,200問へのChatGPTの答えで、医師を勧めるときの出典として最も多かったのは、病院や大学の医師紹介のページ(27.5%)で、学会・専門医の名簿(22.1%)が続き、口コミサイトは3.8%でした(Medical Economics、2026年5月に調査)。

図7:米国でも、AIが医師を勧めるときの出典は病院の医師紹介と学会の名簿が多い

米国のChatGPTだけの調査なので、そのまま日本に当てはまるとは限りません。それでも、日本の診断と米国の調査のどちらでも、医療機関の公式サイトが、AIが医師を挙げるときの主な根拠になっていました。

名前が挙がるかは、公式サイトのどのページに何が書いてあるかで決まる

公式サイトが出典に入っても、先生の名前が挙がるとはかぎりません。ChatGPTは、15回答中9回答で、クリニックの名前だけを挙げ、先生の名前は挙げていませんでした。

ChatGPTが「名医」の質問で先に挙げていたのは、大学病院や大きな病院の医師でした。その出典は、ほかの病院の公式サイトにある医師個人のページで、専門や症例数が書かれていました。たとえば、1万例を超える症例数や、数千例の治療症例のように、医師の名前と実績の数字が同じページにある医師が、ChatGPTやGoogle系のAIで繰り返し挙がっていました。

自院か他院かを問わず、医師の名前と、担う治療と、実績の数字が、公式サイトの同じページに書かれているとき、AIはその医師の名前を挙げていました。

Google系のAIは、第三者の情報も出典にする

GoogleのAIモードは、公式サイトのほかに、動画(YouTube)・病院の口コミと検索のサイト・名医を紹介するサイト・病院ランキングの記事・名医を紹介する記事を、それぞれ3〜5回答で出典にしていました。AIモードが先生を紹介するときの表現は、こうした記事の言葉から来ているとみられます。

学会の専門医名簿と名医を紹介するサイトは、3つのAIのどれでも4〜7回答で出典に入っていました。

何を、どう直せばいいか

診断の結果と出典の分析から、医師の名前で選ばれるために効きやすいことを、自院の公式サイトと外部のサイトに分けて整理すると、次のようになります。

図8:医師紹介は名医の質問に、疾患のページは治療法の質問に効くと見込む

自院の公式サイト:名前と治療と実績を、同じページで結びつける

AIの出典の中心は公式サイトなので、対策の中心も公式サイトになります。

  • 医師紹介:専門・資格・所属学会・担ってきた治療・症例数・経歴を、画像に加えてテキストでも書きます。数字には「〇年〇月時点」のように時点を付けます(目標1・3)
  • 疾患・悩みごとのページ:病名や治療法の解説ページで、その治療を担当する医師の名前と実績を書きます。再発後の再治療や、薬を減らしたいなどの悩みも、ページの対象にします(目標1)
  • 遠方から受診する人への案内:受診の流れ、分院がある場合の役割、その医師の診察を受ける方法を、ひとつのページにまとめます(目標1)

外部のサイト:公式とそろえ、最新に保つ

  • 学会の名簿・医師を紹介するサイト:3つのAIのどれでも出典に入っていたため、専門医の資格や所属が、公式の情報と合っているかを確かめます。この診断では目標2を測っていませんが、古い情報が残っていれば、医師名で聞いたときの説明に影響するおそれがあります
  • 取材記事・動画:Google系のAIが出典にしていたため、内容を最新に保ちます

直したあとは、同じ15問で測り直して、名前の挙がり方が変わったかを確かめます。

医療広告ガイドラインの範囲で行うことが前提です。医療機関のウェブサイトは広告規制の対象で、治療の内容や効果についての体験談や、虚偽・誇大な表現は認められません(国民生活センター)。「名医」と自分で書くことも避け、資格や実績などの事実を、正確に書くことが基本になります。

まず、先生の名前がどこで挙がるかを測る

医師のAIO対策は、先生の名前が、患者が医師を探すどの場面で挙がり、何を根拠にされているかを知るところから始まります。弊社の「医師のAI検索診断」では、先生の専門・治療法・診療圏に合わせて、医師を探す5つの場面の15問を設計し、3つのAIの実際の画面で測ります。そのうえで、3つの目標に沿って結果を分析し、医師紹介や疾患のページをどう直すかの指針と順番までお出しします。

病院やクリニック全体の扱われ方は「病院・クリニックのAI検索診断」で測ります。AI検索診断の全体と、測り方の考え方は、AI検索対策サービスの一覧にまとめています。

医師のAIO対策について、よくある質問

医師個人のサイトをつくったほうがいいですか?

まずは、所属する病院やクリニックの公式サイトの医師紹介と、疾患のページを整えることをおすすめします。弊社の診断でも、AIが先生の名前を挙げるときの出典は、所属するクリニックの公式サイトが中心でした。個人のサイトをつくる場合も、所属先の情報と内容をそろえることが大切です。

勤務医でも、AIO対策をする意味はありますか?

あります。米国の調査でも弊社の診断でも、AIが医師を挙げるときの出典の中心は、医療機関の公式サイトでした。勤務先の医師紹介に、専門や担ってきた治療、症例数が書かれているかどうかで、AIの答えは変わると考えています。弊社の診断でも、ChatGPTが先に挙げていたのは、勤務先の公式サイトに専門や症例数が書かれた医師でした。

医師の名前で聞いたときの説明も、確かめられますか?

できます。医師のAI検索診断は、患者が医師を探す質問を中心に測りますが、ご要望に合わせて、医師の名前で聞いたときに経歴や専門が正しく説明されるかを確かめる質問を加えることもできます。

参考:厚生労働省「令和2(2020)年受療行動調査(確定数)の概況」/TechCrunch(2026年1月7日)/Medical Economics(Nathan Woo氏、2026年8月)/国民生活センター(2018年5月24日)

佐藤 大貴 WRITTEN BY佐藤 大貴アースダイバー株式会社 代表取締役DeNAで男性向けライフスタイルメディアの立ち上げを牽引し、ローンチから約1年半で月間3,000万PV規模に。ポートではコンテンツマーケティング責任者として幅広い領域のメディアを管掌し、上場とM&Aを経験。2019年に創業し、AI時代のマーケティング戦略とその実行を手がける。プロフィールを見る →LinkedIn
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