- AIが答えに引用するサイトは、同じ質問でも日々入れ替わっている。海外の調査では、翌日には5〜8割、1か月で4〜6割が入れ替わっていた。ただし、消えた引用の約75%は20日以内に戻り、答えの結論や、よく名前が挙がる会社は大きくは変わらない
- ChatGPTとGoogleのAIでは、事情が違う。GoogleのAIは、Googleの検索で評価されているページを長く引用しやすい。ChatGPTは、検索しないで答える場面も多く、Googleの検索の評価とのつながりは弱い
- 入れ替わりの大きさは、質問によって違う。「おすすめの〇〇」をたずねる質問は大きく、社名をたずねる質問や健康の質問は小さい。1回の確認で判断しないで、AIごと・質問ごとに、自社の名前が挙がる割合を繰り返し見ることを、弊社は勧めている
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。AIに同じ質問をしても、答えの下に出る「引用元」のサイトは、日によって変わります。昨日は自社のページが引用されていたのに、今日は別のサイトに変わっている、ということがよく起きます。あまり知られていないことかもしれません。
弊社も、お客様の質問をAIに聞いて、答えを定点観測しています。私の実感としても、入れ替わりは確かにあります(トロント大学の研究の記事でも、ChatGPTが引用したページは、2週間で6割が変わっていました)。ただ、質問によっては、海外の調査が示すほどには入れ替わっていないと感じることもあります。
この記事では、2026年10月29日にAhrefsが公開した、5つのAIに同じ質問を20日間毎日聞いた調査を中心に、AIの引用が入れ替わる状況と、その仕組みを整理します。ChatGPTとGoogleのAIでは事情が違うので、分けて見ていきます。内容は2026年10月末時点のものです。
先に、ポイントを3つにまとめておきます。
- AIが答えに引用するサイトは、同じ質問でも日々入れ替わっている。海外の調査では、翌日には5〜8割、1か月で4〜6割が入れ替わっていた。ただし、消えた引用の約75%は20日以内に戻り、答えの結論や、よく名前が挙がる会社は大きくは変わらない
- ChatGPTとGoogleのAIでは、事情が違う。GoogleのAIは、Googleの検索で評価されているページを長く引用しやすい。ChatGPTは、検索しないで答える場面も多く、Googleの検索の評価とのつながりは弱い
- 入れ替わりの大きさは、質問によって違う。「おすすめの〇〇」をたずねる質問は大きく、社名をたずねる質問や健康の質問は小さい。1回の確認で判断しないで、AIごと・質問ごとに、自社の名前が挙がる割合を繰り返し見ることを、弊社は勧めている
目次
同じ質問でも、AIが引用するサイトは毎日のように変わる
ChatGPTやGoogleのAIによる概要は、答えの中や下に、よりどころにしたサイトを「引用元」として示します。この引用元は、同じ質問をしても、毎回同じとは限りません。
なお、会社がAIの答えに出る形は2つあります。ひとつは、自社のページが引用元として示されること。もうひとつは、答えの文章の中で、自社の名前が候補として挙がることです。この記事では、前者を「引用」、後者を「名前が挙がる」と呼び分けます。2つは、入れ替わり方が違います。
Ahrefsは、5つのAIに同じ質問を20日間毎日聞き、1日目に引用された約3万7,500のサイトが、その後も引用されるかを追いました(Ahrefs)。翌日に引用されなかった割合は、どのAIでも半分を超えていました。

1か月の単位で見た調査もあります。Profoundは、約8万の質問を1か月あけて2回聞き、前回なかったドメインが引用された割合を調べました。GoogleのAIによる概要で59.3%、ChatGPTで54.1%でした(Profound)。

なお、AhrefsとProfoundは、AIでの見え方を測るツールを提供している会社です。数字は、それぞれの測り方での目安として読むのがよいと考えます。
ChatGPTとGoogleのAIでは、引用のされ方の前提が違う
同じ「AIの引用」でも、ChatGPTと、GoogleのAI(AIによる概要・AIモード・Gemini)では、引用のされ方の前提が違います。
GoogleのAIは、Googleの検索結果に出ているページを長く引用しやすい
Googleは、AIによる概要とAIモードが、質問を小さなテーマに分け、関連する検索をいくつも行って答えをつくることがあると説明しています。Googleはこれを「クエリファンアウト」と呼んでいます(Google検索セントラル、クエリ・ファンアウトの記事)。答えのもとになるのは、Googleの検索で見つかるページです。
Ahrefsの調査でも、AIによる概要とAIモードでは、同じ質問のGoogleの検索結果に出ているページほど、長く引用されていました。1週間以上引用が続いた割合は、検索結果に出ているページで29%、出ていないページで4%でした。検索からの訪問が多いページほど長く引用された一方、被リンクの多さには、あまり差がありませんでした。

AIによる概要は、翌日に消える引用が約5割と、5つのAIの中でいちばん少なく、YouTubeやRedditが20日間ずっと引用され続けた質問もありました(AIがYouTubeを引用する場面の記事、Redditの決算の記事)。GoogleのAIの引用は、Googleの検索の評価と近いところで決まっていると読めます。
ChatGPTは検索しないで答えることも多く、そのときは引用元が出ない
ChatGPTでは、ページのタイトルや説明文と質問の合い方の効果は弱く、Googleの検索の評価とのつながりは、GoogleのAIほどはっきりしませんでした(Ahrefs)。
弊社の計測でも、ChatGPTは検索しないで答える場面が多く、Geminiは検索で読まれるページをよりどころにしやすい、という違いが見えています(ChatGPTとGeminiの出現率のQ&A)。検索しないで答えるときは、引用元が示されません。ChatGPTで引用だけを追っても、見え方をとらえにくいのはこのためです。
ChatGPTが検索するときにページをどう見つけているかは、ChatGPTとCloudflareの共同実験の記事で取り上げています。
入れ替わる理由は、AIが確率で文章をつくり、答えるたびに検索し直すこと
入れ替わる理由として、調査では主に2つが挙げられています。
- AIは、確率で文章をつくっている:AIは、次に続く言葉を確率で選びながら文章をつくります。Profoundは、同じ答えばかりにならないように、ある程度のばらつきを持たせていることを理由に挙げています(Profound)
- 答えるたびに、検索をやり直している:GoogleのAIのように、答えるたびに関連する検索を行う場合、どんな検索を行うか、その結果に何が出るかが毎回少しずつ違えば、引用も変わります。ただ、Ahrefsは、行われた検索の違いだけでは、入れ替わりの一部しか説明できなかったとしています
一方で、答えの結論は、あまり変わっていません。2025年11月のAhrefsの調査では、AIによる概要の文章は平均約2日で変わる一方、前後の答えの意味の近さは0.95(1.0で完全に同じ)でした(Ahrefs)。入れ替わっているのは、主に言い回しと引用の顔ぶれです。
引用元が入れ替わっても、変わらないもの
引用が入れ替わる中でも、残るものがあります。
一度消えた引用元の多くは、20日以内に戻ってくる
Ahrefsの調査では、消えた引用の約75%が20日以内に戻り、約半分は3日以内に戻りました。8〜14日続けて引用されたサイトのうち、戻らなかったのは0.7〜4%でした(Ahrefs)。毎日の顔ぶれは変わっても、同じ質問に引用されるサイトの「候補の集まり」は、ある程度決まっていると読めます。
引用元のサイトは入れ替わっても、答えの中で名前が挙がる会社は変わりにくい
引用元として示されたサイトと、答えの文章の中で名前が挙がった会社を比べると、残り方がはっきり違いました。引用されたサイトの約50〜70%は、20日間で1日しか出てきませんでした。一方、答えの中に名前が挙がったブランドで、1日しか出てこなかったのは約5分の1でした(Ahrefs)。
SparkToroの調査でも、AIがすすめるブランドの一覧が毎回同じになるのは1%未満でしたが、旅行に使うヘッドホンをたずねた質問では、Bose・Sony・Sennheiser・Appleが答えの55〜77%に挙がっていました(Search Engine Journal)。順番や一覧は毎回違っても、よく挙がる会社は決まっています。
弊社の計測でも、名前が挙がることと、特定のページが引用されることは別でした。展示会に合わせたプレスリリースについての質問では、78の答えのうち、会社の名前が出たのは39、リリースが出典に入ったのは3でした(プレスリリースのQ&A)。
「おすすめ」をたずねる質問は大きく入れ替わり、社名をたずねる質問は安定している
冒頭で書いたとおり、弊社の定点観測では、質問によっては、海外の調査ほどは入れ替わっていないと感じることがあります。調査を見ても、入れ替わりの大きさは、質問の種類で大きく違います(Ahrefs)。
- 「おすすめの〇〇」をたずねる質問は、入れ替わりが大きい:ChatGPTとAIモードでは、引用されたページの64〜76%が毎日変わった
- 社名をたずねる質問は、安定している:社名を含む質問では、その会社のサイトが20日間ずっと引用された割合が28〜33%と、ほかのサイト(4〜7%)より高かった
- 分野でも違う:Glen Allsopp氏のデータでは、健康の質問はいちばん上の引用元が同じだった割合が56〜79%だった一方、ファッションの質問では13〜23%だった
海外の調査は、たくさんの質問をまとめた平均です。自社にとって大事な質問が、入れ替わりの大きい種類か、小さい種類かで、見え方の安定は変わります。数字をそのまま自社にあてはめないほうがよいと考えます。
AIでの見え方は、1回で判断しないで、名前が挙がる割合を繰り返し測る
ここまでの調査と、弊社の定点観測から、AIでの見え方を測るときに気をつけたいことは次の4つです。
- 1回の確認で判断しない。同じ質問を、日や回を変えて繰り返し聞きます(LLMO診断の記事)
- AIごとに分けて見る。ChatGPTとGoogleのAIでは、引用のされ方の前提が違います
- 質問の種類ごとに見る。社名をたずねる質問と、「おすすめの〇〇」をたずねる質問では、入れ替わりの大きさが違います
- 引用より、名前が挙がる割合を見る。同じ質問を何回も聞いたうち、自社の名前が候補として挙がった割合を見ます。引用より安定していて、実際の推薦に近い数字です。ツールの数字の読み方はLLMOツールの数字の記事、KPIの考え方はAI検索対策のKPIのQ&Aにまとめています
弊社は、AIに引用されること自体より、AIの答えの中で自社が候補として推薦され、強みが正しく伝わっているかを重視しています。引用は日々入れ替わっても、名前が挙がり続けている会社は、AIの中で候補として定着しているからです。打ち手までAIごとに細かく分ける必要はないと考えています。しかるべき相手に着実に知られていくことと、検索で読まれるページを整えることが、どちらのAIにも効く確実な方法です。
まとめ
AIが答えに引用するサイトは、同じ質問でも日々入れ替わっています。ただ、消えた引用の多くは戻り、答えの結論やよく挙がる会社は大きくは変わりません。GoogleのAIはGoogleの検索とのつながりが強く、ChatGPTは検索しないで答える場面も多いので、AIごとに分けて見る必要があります。入れ替わりの大きさは質問によっても違います。自社にとって大事な質問を、AIごとに繰り返し聞いて、自社の名前が挙がる割合を見ていくことをおすすめします。
参考:Ahrefs「How Stable Are AI Citations? 10 Things We Learned Tracking 37,500 Citations」(2026年10月29日)、Ahrefs「AI Overviews Change Every 2 Days (But Never Change Their Mind)」(2025年11月11日)、Profound「AI Search Volatility」(2025年7月17日)、SparkToro「AIs are highly inconsistent when recommending brands or products」(2026年1月27日)、Google検索セントラル「AI features and your website」


